Twitter/ツイッター上で権利が侵害された際、どのように対応すればいいでしょうか。

Twitter/ツイッター上の権利侵害でまず重要なことは、権利侵害の加害者がどこの誰か特定できるアカウントであるか、あるいは特定できない(匿名)アカウントであるかです。

例えば公式アカウントや、身分や氏名を明らかにしていてその身分や氏名が虚偽と思えない場合など加害アカウントの責任者は明らかです。

これに対して、氏名や住所、身分などを明らかにしていないアカウントは、アカウント運用者がどこの誰か直ちには判明しません。このような匿名アカウントに対しては、加害アカウントの運用者を特定する手続きが必要になります。

そもそもTwitter/ツイッターとは

Twitter/ツイッターは、国内でも1、2を争う利用者数を擁する短文投稿型のSNSです。

当初ミニブログという位置づけでしたが、徐々にインターネット上でバイラルメディア(情報拡散メディア)としての地位を確立していきました。

ミニブログとしてそれ自体コンテンツとなりながら、他メディア(ウェブサイト、ウェブログ、Youtubeなど動画投稿サイトなど)の拡散を担う機能も発揮し、2020年現在、四千万人を超える国内ユーザーがいるとも言われ、日本国内で非常に広く利用されているSNSの一つとなっています。

ツイッター/Twitterと権利侵害

Twitter/ツイッター上では、誹謗中傷・名誉棄損やなりすまし、肖像権侵害、著作権侵害など様々なインターネット上の権利侵害が発生しています。

犯罪勧誘などにも利用されており、ツイッター/Twitterは負の側面も有します。

個人が誹謗中傷や犯罪誘因の被害に遭ったり、法人個人事業を問わず企業が信用毀損の被害に遭うなどの権利侵害が後を絶ちません。

キャラクターや肖像、イラストや写真などの無断転載(著作権侵害)を初めとした知的財産権侵害も多数発生しています。

このようにTwitterは日本有数のSNSである反面、個人や企業に対する誹謗中傷、信用棄損や知的財産権の侵害など権利侵害の温床ともなっています。

ツイッターで権利侵害の被害に遭った場合の加害者の特定

ツイッター上でなりすましアカウントや、業務上の信用、名誉の毀損を伴う誹謗中傷など信用・名誉棄損、業務妨害、さらに無断転載(著作権侵害)などコンテンツ・SNS上の知的財産権侵害が生じている場合、まずは発信者を特定するための手続きが必要となります。

このツイッターの加害アカウント運用者を突き止めるために利用されている法的な手続きが発信者情報開示請求です。

つまり、加害アカウントが匿名の場合、基本的にアカウント運用者を特定するための発信者情報開示請求が必要となります。

しかし、現在Twitter/ツイッターは任意の発信者情報開示には応じておらず、アカウント管理者を特定するためには基本的に法的手続きを介した発信者情報開示請求が必要となります。

Twitter/ツイッターは、ツイート投稿時点のアクセスログを保有していないものの、アカウント開設時のアクセスログ及び、アカウントログイン時のアクセスログ(IPアドレスとタイムスタンプのみ)を保有しています。また、 メールアドレスを保有し、携帯電話認証のためのSMSアドレス(携帯電話番号)を保有している場合があります。

しかしながら、Twitter/ツイッターは、現在、任意の発信者情報開示には応じていません。そこで、アクセスログの開示を求めて発信者情報開示の仮処分を申し立てるか、メールアドレス、SMSアドレス(携帯電話番号)の開示を含めた発信者情報開示訴訟を提起することになります。

発信者は判明している場合対応は異なりますか

発信者が実名アカウントの場合など、発信者情報開示は省いて直接本人と交渉できる場合があります。また、アカウントに掲載されている情報から発信者情報開示請求の手続きによらずに本人を特定できる場合もあります。

ツイッターに対する電話番号の開示請求ができるようになったのですか?

かつて、電話番号の開示が認められていない時代、SMSアドレスの開示という形で請求を行うケースがありました。SMSアドレスは開示の可否が裁判所においても判断が分かれていました。

2019年札幌地裁判決、2019年東京地裁判決に続き、2020年6月26日に東京地方裁判所でもTwitter/ツイッターに対して、SMSアドレスの開示を認める判決が出されていました。

こうした状況を受けて、現在電話番号を開示情報に含める省令改正が令和2年8月31日に公布され、即日施行されています。この省令改正は、同日以前に行われた権利侵害でも同日以降の発信者情報開示請求には適用できると解釈する裁判例が相次いでいます。

このように、SMSアドレス乃至電話番号の開示がTwitter/ツイッターにおける発信者を特定する有効な選択肢となりえる状況になってきました。しかしながら、メールアドレスや電話番号の開示については、訴訟提起が必要になることから、状況を適切に検討して、より特定可能性の高い選択をする必要があります。

Twitter/ツイッター運営社について教えてください

ツイッター運営社は、現在米国ツイッターインクとされています。

ツイッター日本法人は、広報的なアドバイスなどを主な業務としており、ツイッターの運営権限は持っていません。このことから、日本法人に対しては、発信者情報開示や削除の権限がないこととされています。

ツイッターインクはアメリカの会社のようですが、カリフォルニア法人(米国法人)に対して法的対応は可能でしょうか

Twitter/ツイッター上で生じた権利侵害に対しては、削除、発信者情報開示請求等を行うことができます。カリフォルニア法人に対する発信者情報開示と、その前提となるカリフォルニア法人の資格証明書取得方法はこちらをご参考ください。

カリフォルニア州法人の資格証明

ツイッターを含めたカリフォルニア法人に対する発信者情報開示について情報をまとめています。

ご相談方法

ツイッター上の権利侵害でお悩みの場合は、下記メールフォームからご相談ください。

    インターネットの権利侵害の場合サイトやSNSアカウントのURLをご記載ください(任意)

    ※ファイル添付の場合など直接メールをしたい場合は、メールアドレス 『  infoアットマークns2law.jp  』 までご連絡頂くことも可能です。送信の際、アットマークを@に変換してください。

    ツイッターに関連した情報発信

    I2練馬斉藤法律事務所におけるツイッターに関連した情報発信は下記リンク先から詳細をご確認いただけます。

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