インターネット上で誹謗中傷などで名誉毀損・プライバシー権侵害など人格権を侵害された場合、著作権・商標権その他知的財産権を侵害された場合,法的に情報の削除や、情報発信者を特定するための情報の開示を請求できる場合があります。
また、信用棄損・企業の社名、ロゴなどを用いたなりすましなどにより、企業の法的保護に値する権利を侵害された場合も、同様です。

侵害情報を早期にインターネット上で削除することにより、権利侵害状態を解消し、また今後の権利侵害を予防できるメリットが生じ得ます。
権利を侵害する情報の削除請求は、より直接的な権利救済の手段になり得ます。

削除の対象

無断転載された写真、イラスト、漫画、動画など、誹謗中傷風評被害の投稿、無断利用されている肖像写真、プライバシーを暴露する投稿など、インターネット上で権利侵害の原因となっている侵害情報を削除することができます。

知的財産権侵害

著作権侵害など知的財産権を侵害する侵害情報について、知的財産権法に定められた差止請求権などに基づいて削除を請求することができます。

犯罪履歴

逮捕、起訴、有罪判決などの犯罪歴についての情報がインターネットに出回った場合、これを削除請求できるケースがあります。

削除請求の方法

侵害情報の削除請求は、大きくわけてプロバイダに対する任意の削除請求と、裁判所を通した法的な削除請求の2通りがあります。前者はプロバイダの定めた手続きを踏襲する必要があり、後者は法律上定められた民事訴訟法、民事保全法などの手続きのルールに従う必要があります。

また、国内プロバイダは任意の削除請求に応じるケースもありますが、国外プロバイダや、一部の国内プロバイダは任意の削除請求には応じないため、法的な対応が必須となるケースもあります。

削除(送信防止措置)請求と発信者情報開示請求の関係はどのようなものでしょうか

発信者情報開示は、その後の損害賠償請求などに不可欠の前提となります。損害賠償請求と発信者情報開示を同じ手続きの中で同時に申し立てることも可能です。

弁護士齋藤理央では削除(送信防止措置)についてどのような業務を行えますか

当事務所では、インターネット上での権利侵害に対して法的に削除が請求できるケースか否かを判定(法律相談:1件11000円(個人・税込)、33000円(企業・税込)-)し、法的に請求が可能な場合任意交渉(1件:5万5000円-),或いは法的対応(仮処分:27万5000円-,訴訟:33万円-)を代理して行うことが可能です。

削除請求に関する法律相談

まずは、権利侵害が生じているか、生じているとして法的な削除請求が可能な状況かその際の費用など法律相談を実施して法的見解をアドバイスすることが可能です。侵害情報の削除が最も直接的な救済になるケースもありますので、もしインターネット上の権利侵害でお悩みの際は、法律相談の実施は上記のとおり有料となりますが、お気軽にお問い合わせください。

削除の法的根拠

削除の法的根拠は人格権侵害の場合、人格権に基づく条理上の削除請求権となります。これに対して、著作権など知的財産権の侵害の場合は、差止請求権という削除請求の根拠が知的財産権法上、法定されています。

料金(送信防止措置)

削除(送信防止措置)請求は、任意のものと裁判所を通じた強制的なものがあります。後者法的手続きと呼ばれ、任意請求より負担は大きいですが裁判所が削除を命じた場合は強制力を生じます。海外の企業など裁判所から命じられない限り削除に応じないケースもあり、法的手続きを選択せざるを得ない場合もあります。

任意による削除請求

コンテンツ・プロバイダ1社 5万円(税別)-
コンテンツ・プロバイダ1社追加毎に2万5000円追加
(削除したプロバイダ毎に検索エンジンからの早期検索結果・スニペット等の削除要請プロバイダ毎に2万円追加

 削除対象 料金
 プロバイダ1社目 「5万5000円(税込)」
 プロバイダ2社目以降1社につき「2万7500円(税込) 」
 プロバイダからの削除に加えて検索結果等からの早期削除1社につき「+2万2000円(税込)」

※3社任意削除のうえ、検索エンジンに対しても削除結果の早期反映を促した場合5+2万円×1社、25000円+2万円×2社、総計16万円(税別)となります。

削除仮処分

コンテンツ・プロバイダ1社 27万5000円(税込)-
コンテンツ・プロバイダ1社追加毎に11万円(税込)追加

削除請求訴訟

コンテンツ・プロバイダ1社 33万円(税込)-
コンテンツ・プロバイダ1社追加毎に 16万5000円(税込)追加

アカウント1つ追加毎に 55000円(税込)追加

    インターネットの権利侵害の場合サイトやSNSアカウントのURLをご記載ください(任意)

    ※ファイル添付の場合など直接メールをしたい場合は、メールアドレス 『  infoアットマークns2law.jp  』 までご連絡頂くことも可能です。送信の際、アットマークを@に変換してください。

    削除・送信防止措置を巡る裁判例

    Googleに対する送信防止措置請求事件

    本邦における忘れられる権利が問題となった事案として有名な裁判例です。

    本件抗告人は,児童買春をしたとの被疑事実に基づき,平成23年11月に逮捕され,同年12月に同法違反の罪により罰金刑に処せられていました。抗告人が上記容疑で逮捕された事実は逮捕当日に報道され,その内容の全部又は一部がインターネット上のウェブサイトの電子掲示板に多数回書き込まれました。

    相手方は、インターネット上のウェブサイトを検索し,URLを検索結果として当該利用者に提供することを業としていた米国Google LLC(Google社)です。  

    抗告人の居住する県の名称及び抗告人の氏名を条件としてGoogle検索すると,本件逮捕事実等が書き込まれたウェブサイトのURL等が提供される状態でした。

    そこで、抗告人は,Google社に対し,人格権ないし人格的利益に基づき,本件検索結果の削除を求める仮処分命令の申立てをした事案です。

    平成29年 1月31日最高裁第三小法廷決定・民集民集 71巻1号63頁

    最高裁判所は、まず、「個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は,法的保護の対象となるというべきである(最高裁昭和52年(オ)第323号同56年4月14日第三小法廷判決・民集35巻3号620頁,最高裁平成元年(オ)第1649号同6年2月8日第三小法廷判決・民集48巻2号149頁,最高裁平成13年(オ)第851号,同年(受)第837号同14年9月24日第三小法廷判決・裁判集民事207号243頁,最高裁平成12年(受)第1335号同15年3月14日第二小法廷判決・民集57巻3号229頁,最高裁平成14年(受)第1656号同15年9月12日第二小法廷判決・民集57巻8号973頁参照)」としてプライバシー権が法的保護の対象となることを確認しました(明文(法律上の条文)でプライバシー権が保護されていない本邦ならではの確認事項とも言えます)。

    他方,最高裁判所は、検索事業者の「検索結果の提供は検索事業者自身による表現行為という側面を有する」と判示し、また,「検索事業者による検索結果の提供は,公衆が,インターネット上に情報を発信したり,インターネット上の膨大な量の情報の中から必要なものを入手したりすることを支援するものであり,現代社会においてインターネット上の情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」として検索事業の価値を高く評価しています。そして,「検索事業者による特定の検索結果の提供行為が違法とされ,その削除を余儀なくされるということは,上記方針に沿った一貫性を有する表現行為の制約であることはもとより,検索結果の提供を通じて果たされている上記役割に対する制約でもあるといえる」と留意を示しています。

    その上で、最高裁判所は下記の「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」にのみ検索結果を削除できるという基準を示しました。その上で、検索結果の削除を認めない結論を判示しています。

    以上のような検索事業者による検索結果の提供行為の性質等を踏まえると,検索事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは,当該事実の性質及び内容,当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので,その結果,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である。

    平成29年 1月31日最高裁第三小法廷決定・民集民集 71巻1号63頁(ただし下線部は弊所による)

    Twitterに対する送信防止措置請求事件

    本件原告は、平成24年5月建造物侵入で罰金刑に処されました。これに先立ち原告は逮捕されており、当該逮捕の事実は報道の対象となりました。発信者らは、報道機関による本件逮捕に関する記事を投稿によっては若干のコメントを付してTwitterに転載するとともに,報道記事のURLへのリンクを貼付しました。もっとも,一審口頭弁論終結時点で本件逮捕に関する報道記事はいずれも削除されて閲覧できない状態になっていました。

    原告は、Twitterの投稿について削除を請求しました。

    一審(令和元年10月11日東京地裁判決・判時 2462号17頁)

    本件一審判決は下記の通り判示してTwitterのおける削除基準を当該事実を公表されない法的利益が優越する場合として、上記最高裁決定の基準を緩和しました。

    ツイッターの役割,性質等に加え,一般的なプロバイダにおける通信記録の保存期間が短いこともあり,投稿者に直接記事の削除を求めることが現実的に容易でないという事情も斟酌すると,ツイッターに投稿された記事について,ある者の前科等に関する事実を摘示して,そのプライバシーを違法に侵害するとして被告に対し削除を求めることができるのは,当該事実の性質及び内容,当該事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,前記記事等の目的や意義,前記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,前記記事等において当該事実を記載する必要性等,当該事実を公表されない法的利益と本件各投稿記事の公表が継続される理由に関する諸事情を比較衡量して,当該事実を公表されない法的利益が優越する場合であると解するべきである。

    令和元年10月11日東京地裁判決・判時 2462号17頁(ただし下線部は弊所による)

    控訴審(令和 2年 6月29日東京高裁判決・判時 2462号14頁)

    そして、下記の通りTwitterの投稿削除については、当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合に限られるとして一審基準を引き上げました。

    プライバシーに属する事実を含む投稿記事を,ツイッター上に表示し,一般の閲覧に供する行為が違法か否かは,当該事実の性質及び内容,当該事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,当該投稿記事の目的や意義,当該投稿記事が掲載された時の社会的状況とその後の変化,当該投稿記事において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と各投稿記事を一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきものである。そして,第1審被告に対して,ツイッター上の投稿記事の削除を求めることができるのは,比較衡量の結果,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合に限られると解するのが相当である。

    令和 2年 6月29日東京高裁判決・判時 2462号14頁(ただし下線部は弊所による)

    その上で、原告の削除(送信防止措置)請求を棄却しています。

    令和4年6月24日最高裁判所第二小法廷判決・裁判所ウェブサイト

    以上に対して最高裁判所は弁論を開いた上で、上告を容れ、犯罪履歴の削除を命じました。

    最高裁判所は、ツイッターが、その利用者に対し、情報発信の場やツイートの中から必要な情報を入手する手段を提供するなどしていることを踏まえると、上告人が、本件各ツイートにより 上告人のプライバシーが侵害されたとして、ツイッターを運営して本件各ツイート を一般の閲覧に供し続ける被上告人に対し、人格権に基づき、本件各ツイートの削 除を求めることができるか否かは、①本件事実の性質及び内容、②本件各ツイートによって本件事実が伝達される範囲と上告人が被る具体的被害の程度、③上告人の社会的地位や影響力、④本件各ツイートの目的や意義、⑤本件各ツイートがされた時の社会的状況とその後の変化など、上告人の本件事実を公表されない法的利益と本件各ツイ ートを一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもの で、その結果、「上告人の本件事実を公表されない法的利益が本件各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、本件各ツイートの削除を求めることができる」と述べています。

    人格権に基づき、本件各ツイートの削 除を求めることができるか否かは、本件事実の性質及び内容、本件各ツイートによ って本件事実が伝達される範囲と上告人が被る具体的被害の程度、上告人の社会的 地位や影響力、本件各ツイートの目的や意義、本件各ツイートがされた時の社会的 状況とその後の変化など、上告人の本件事実を公表されない法的利益と本件各ツイ ートを一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもの で、その結果、上告人の本件事実を公表されない法的利益が本件各ツイートを一般 の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、本件各ツイートの削除を求めること ができるものと解するのが相当である

    令和4年6月24日最高裁判所第二小法廷判決・裁判所ウェブサイト

    原審への論難(いわゆる「明らか基準」を採用しないことの言明)

    最高裁判所は、「原審は、上告人が被上告人に対して本件各 ツイートの削除を求めることができるのは、上告人の本件事実を公表されない法的 利益が優越することが明らかな場合に限られるとするが、被上告人がツイッターの 利用者に提供しているサービスの内容やツイッターの利用の実態等を考慮しても、 そのように解することはできない」として、原審の採用したいわゆる「明らか基準」についてツイッターについてはこれを採用すべきでないことを明確に述べています。

    インターネット上の権利侵害に基づく削除(送信防止措置)業務についてお気軽にお問い合わせください

    インターネット上で、名誉毀損、プライバシー権侵害、知的財産権侵害などでお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

      インターネットの権利侵害の場合サイトやSNSアカウントのURLをご記載ください(任意)

      ※ファイル添付の場合など直接メールをしたい場合は、メールアドレス 『  infoアットマークns2law.jp  』 までご連絡頂くことも可能です。送信の際、アットマークを@に変換してください。

      削除(送信防止措置)に関する情報発信

      削除(送信防止措置)については、下記の情報を発信しています。

      犯罪歴の削除請求業務ー犯罪歴(前科・前歴)と忘れられる権利ー

      インターネット上で逮捕歴、前科・前歴など犯罪履歴に関する情報を流通におかれていて削除したい場合、プライバシー権侵害に基づく削除(送信防止措置)請求が可能な場合があります。 逮捕歴など犯罪歴に関する侵害情報を早期にインター […]

      令和4年6月24日最二判<犯罪履歴ツイートの削除請求が認容された事例(ツイッター(現X.com)上の忘れられる権利)>

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      Google(グーグル)検索結果に対する削除(送信防止措置)請求を棄却した最高裁判所決定(平成29年1月31日最高裁判所第三小法廷 決定・民集 第71巻1号63頁)

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