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著作権法上議論も多いインラインリンクについて、当ウェブサイト上の情報を集約しています。

弊所はリツイート事件などを通じてインラインリンクと著作権法その他の諸法制との関係を検討してきました。企業や個人の方でインラインリンクの取り扱いについて法律面から疑義がある場合、紛争が発生しているなどは、弊所へのご相談もご検討ください。

インラインリンクについて

経済産業省は、電子商取引及び情報財取引等に関する準則(令和元年12月・経済産業省)第141頁において、インラインリンクを下記のとおり定義しています。

「インラインリンク」とは、ユーザーの操作を介することなく、リンク元のウェブページが立ち上がった時に、自動的にリンク先のウェブサイトの画面又はこれを構成するファイルが当該ユーザーの端末に送信されて、リンク先のウェブサイトがユーザーの端末上に自動表示されるように設定されたリンクをいうものとする。

https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191219003/20191219003-2.pdf

このインラインリンクは自動表示のための準備行為と理解できます。また、準備行為はデータURLスキームなどインラインリンクとの代替技術も存在しているというのが弊所の理解です。そこで、弊所では現在、インラインリンクやデータURLスキームで実現される端末上のメディアを組み込んだ自動表示(インコーポレーション(欧州ではエンベディングとも))について、著作権法上どのように評価するかこそが問題の本質という理解へ変遷しています。

なお、インラインリンクを自動表示まで含んだ概念と定義するのであれば、自動リンク(オートマティックリンク(欧州最高裁法務官意見参照))とインコーポレーション(エンベディング(同法務官意見))に分解し、双方を含む概念として整理することも考えられます。あるいは、インラインリンクを上記の意味におけるオートマティックリンクと同義の受信装置におけるデータの受信までの事象に限定することも考えられます。重要なのは、準備行為としてのリンクと、その後の受信装置での自動表示(の際のデータの統合(インコーポレーション))を分けて考察することではないかと考えています。

インラインリンクを巡る法律問題のご相談窓口

    インターネットの権利侵害の場合サイトやSNSアカウントのURLをご記載ください(任意)

    ※ファイル添付の場合など直接メールをしたい場合は、メールアドレス 『  infoアットマークns2law.jp  』 までご連絡頂くことも可能です。送信の際、アットマークを@に変換してください。

    インラインリンクに関するエントリ

    インラインリンクに関する弊所の情報発信をまとめています。疑問の点はこちらに記載がある場合もありますので、もしよろしければ、こちらもご参照ください。

    Web Components(ウェブコンポーネント)と著作権法上の論点

    今後、サイト開発に利用されることが多くなることも予想されるWeb Components(ウェブコンポーネント)について、主に著作権法上の留意点などを中心に記載しています。 目次1 Web Components(ウェブコンポーネント)1.1 カスタムエレメント1.2 シャドウドム1.3 HTMLテンプレート1...

    判例解説「リツイート事件最高裁判決」について

    令和2年7月21日最高裁判所第三小法廷は、平成30年(受)第1412号 発信者情報開示請求事件について、一審被告の上告を棄却する判決を言い渡しました。 弁護士齋藤理央は、このいわゆるリツイート事件といわれるSNS上の著作権侵害が問題となった事件について、一審から代理人を担当しました。 弁護士齋藤理央のツイッ...

    『リツイート事件』が残したもの-最判後の議論状況-

    リツイート事件について、最判後、多くの評釈や研究会で事件の振り返りがされています。 下記リンク先では、リツイート事件後の反響を受けて有用な情報や議論状況の一部をまとめています。 ここでは、リツイート事件後の議論で気になったものを取り上げています。 目次1 公衆送信権侵害について2 同一性保持権侵害や公衆送信...

    インコーポレーションに同一性保持権侵害を認めた2つの知的財産高等裁判所裁判例

    インラインリンクと呼ばれる技術は、実際には自動リンクとインコーポレーションという技術に分解して理解するのが正確です。リツイート事件などで著作者人格権侵害が認められているのはインコーポレーションの部分と理解する方が正確です。 この問題は正確な理解がまだ浸透していないと感じることも多いため、もしインラインリンク...

    Twitterプロフィール画像事件控訴審判決ー著作権・発信者情報開示裁判例紹介

    弁護士齋藤理央で担当した裁判例が裁判所ウェブサイトに掲載されました。これで、弁護士齋藤理央の担当裁判例として裁判所ウェブサイト掲載は12例目になります。この事案は争点が複雑であるため、その先例的意義について簡単にまとめておきたいと思います。 弁護士齋藤理央では、ツイッターを運営するXcorp.に対する発信者...

    リンクと著作権

    ここでは、リンクと著作権の問題について概説しています。なお、リンクと著作権の問題を巡っては、2020年法改正でリーチサイトを違法化する法案が成立しています。一部ハイパーリンクもリーチサイト規制によって違法となる場合があります。インターネット上の明らかに著作権侵害をしている違法なサイト(海賊サイト)にはリンク...

    インラインリンクの仕組み

    「インラインリンク」とは,ユーザーの操作を介することなく,リンク元のウェブページが立ち上がった時に,自動的にリンク先のウェブサイトの画面又はこれを構成するファイルが当該ユーザーの端末に送信されて,リンク先のウェブサイトがユーザーの端末上に自動表示されるように設定されたリンクをいう(「電子商取引及び情報財取引...

    インラインリンクについて

    著作権法上議論も多いインラインリンクについて、当ウェブサイト上の情報を集約しています。 弊所はリツイート事件などを通じてインラインリンクと著作権法その他の諸法制との関係を検討してきました。企業や個人の方でインラインリンクの取り扱いについて法律面から疑義がある場合、紛争が発生しているなどは、弊所へのご相談もご...

    米国サーバーテストと日本の著作権法

    目次1 サーバーテストを肯定する米国第9巡回区控訴裁判所1.1 米国著作権法106(5)1.2 サーバーテストとインコーポレートテスト1.2.1 サーバーテスト1.2.1.1 i. The Server Test Embraced by Google・Googleから主張されたサーバーテスト1.2.2 イン...

    インラインリンクによる人格権侵害を含んだ案件でキュレーションメディアと和解成立

    先日東京地方裁判所知的財産権法専門部係属中の案件で、インラインリンクによる人格権侵害に基づく損害賠償請求を含んだ案件でキュレーションメディアとの間に賠償額を約100万円とする和解が成立しました。 和解案に守秘義務条項が盛り込まれず、依頼者の了解も得てこの記事を公開しています。 提訴は平成30年5月で、提訴か...

    インラインリンクのデータ統合作用の性質を巡る著作権法解釈の論点−包含(収録)著作物と被包含(被収録)著作物の関係について

    リーチサイト規制などを巡り、リンクを巡る著作権法の解釈が再度検討されるべき状況となっています。そこで、リンクを法的に禁圧するリーチサイト規制を念頭に現在のインラインリンクを巡る著作権法解釈の自身の最新の理解を簡単にご紹介しておきたいと思います。 目次1 一定の場合著作権を直接侵害するインラインリンクと著作権...

    インラインリンクに代表される画像の統合表示に著作権法28条を介して著作権が直接及ぶ場合

    リーチサイト規制の議論とリンクと著作権の問題 文化庁が令和元年10月30日(末日の31日ではなく前日の30日までの募集のようです。)までダウンロード違法化のパブリックコメントを募集しています。今回のパブリックコメント募集は、ダウンロード違法化のみならずリーチサイト規制についても質問を設けています。今年3月に...

    インラインリンクと著作権法上の論点

    昨今、はるか夢の址事件、たぬピク事件、ペンギンパレード事件など新しい裁判例も出され、立法論としても議論されているリンクと著作権の問題について、「インラインリンクと著作権」の論点に関する議論(が生じ得るポイント)として把握しているものについて、議論の一助となればと思い記事にさせていただきます。 目次1 インラ...

    [ペンギンパレード事件]インラインリンクについて著作権幇助侵害が認められた事案

    この記事ではインラインリンクに著作権の幇助侵害が認められた札幌地方裁判所・平成28年(ワ )2097号発信者情報開示請求の一連事件いわゆる「ペンギンパレード事件」について情報をまとめています。 目次1 ペンギンパレード事件第一審判決判例データベース掲載状況について1.1 D1LAW.com判例体系1.2 ウ...
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