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交通事故の相手方などの損害賠償義務者が保険などに加入しておらず,将来的に訴訟を提起して強制的に賠償金を支払わせる場合に相手方の不動産などを仮に差押えるなど民事保全の手続きを利用する場合があります。このとき,裁判所から担保金を求められることがあります。

担保金の提供方法はいくつか種類がありますが,金銭を供託する方法を使うケースが一般的です。他に有価証券の供託や一定の銀行との間で支払保証委託契約を締結する方法など他の方法も存在します。つまり,一般的には相手方の不動産などを仮に差し押さえるなどするために,損害賠償請求権者が裁判所が定めた金銭を現金で供託するなどしなければならない場合が存することになります。

もっとも,担保金は,本案で勝訴した場合つまり,相手に対して訴訟を提起して,損害賠償請求権の存在が認められた場合,取り戻すことが出来ます。つまり,民事保全法4条2項が準用する民事訴訟法79条1項により,損害賠償請求権者が本案で勝訴したことを原因として裁判所に対して担保取消しの申立を行い,裁判所から供託原因消滅請求書を得ることで,例えば供託所に対して供託物払渡請求をするなどが可能になるのです。

このように,相手方に対して損害賠償請求訴訟を提起する見込みの場合など,民事保全手続きを利用し,担保金という負担を強いられるケースもありますが,通常本案訴訟で勝訴した後にこれを取り戻すことになります。

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