起訴前の刑事事件における刑事弁護人の役割は、どのようなものでしょうか。
刑事事件において最終処分を決定する検察官は、原則的に司法試験に合格し司法修習を修了している法律の専門家です。被疑者段階の捜査においては、検察官の指揮のもと捜査が進められます。このように、法律専門家である検察官の指揮のもと進められる刑事事件の捜査活動に適切に対処していくには、同じく法律の専門家である弁護士の法的なアドバイスが欠かせません。このように、起訴前の刑事弁護において刑事弁護人は、適切に捜査活動に対処できるように依頼者のために法的なアドバイスを行います。身体拘束下では接見によってアドバイスの機会を得ます。
さらに、これにとどまらず、法律専門家である検察官に対して、同じ法律専門家として起訴・不起訴を含めた終局処分に向けて折衝し、意見を述べていきます。依頼者が犯罪を犯していない場合は、嫌疑不十分による不起訴をめざし、犯罪を犯している場合は示談をとるなどして、起訴猶予や略式起訴などより依頼者に有利な終局処分の獲得を目指します。
また、依頼者が身体拘束下にある場合、身体拘束からの解放を目指して勾留決定に対する準抗告など各種対応を採ります。