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刑事弁護

刑法総論:論点:故意

故意 ①故意の内容:罪を犯す意思のない行為は罰しない。故意の本質は、規範の問題に直面しながら、あえてこれを乗り越えた、反規範的人格態度に対する、重い道義的責任非難にある。したがって、罪を犯す意思とは、犯罪事実を認識、予見(犯罪事実の表象)しただけでは足りず、あえて犯罪結果を望んだこと、ないし、犯罪結果が生じ...

刑事弁護

刑法上の違法性正当化事由:正当防衛

刑事事件で問題となる刑法上の違法性正当化事由のうち、正当防衛に関する論点をまとめています。 ①正当防衛の根拠 違法性の実質は、社会的正当性を欠いた法益侵害結果に求められる。そして、構成要件該当性が認められる以上、法益の侵害は生じており、違法性阻却事由は、行為の正当性を基礎付けることで違法性阻却を導くものと解...

刑事弁護

刑法総論:論点:違法性:正当行為

正当行為 ①被害者の承諾:被害者が承諾していることで、違法性が阻却されるだろうか。この点、違法性の実質は、社会的相当性を欠いた法益侵害結果惹起にある。そして、構成要件に該当する時点で、法益侵害は生じている。よって、違法性阻却事由は、行為の正当性を基礎付けることで、違法の推定を覆し行為の正当性を論証すると考え...

刑事弁護

刑法上の違法性正当化事由:正当行為

刑事事件で問題となる刑法上の違法性正当化事由のうち、正当行為に関する論点をまとめています。被害者の承諾や、正当な業務行為について違法性が正当化されるかが問題となります。 ①被害者の承諾 被害者が承諾していることで、違法性が阻却されるだろうか。この点、違法性の実質は、社会的相当性を欠いた法益侵害結果惹起にある...

刑事弁護

違法性:違法性一般

刑事事件一般で問題となる違法性巡る論点のうち、違法性一般について記載しています。 ①形式的違法性と実質的違法性 構成要件に該当し、形式的に法に違反することを、形式的違法性という。これに対して、行為が全体的な法秩序に実質的に違反することを、実質的違法性という。 ②実質的違法性の内容 この実質的違法性の内容が問...

刑事弁護

刑法総論:論点:違法性:違法性一般

違法性 ①形式的違法性と実質的違法性:構成要件に該当し、形式的に法に違反することを、形式的違法性という。これに対して、行為が全体的な法秩序に実質的に違反することを、実質的違法性という。 ②実質的違法性の内容:この実質的違法性の内容が問題となる。法益侵害を予防する法秩序全体が、実質的違法性の内容として法益侵害...

刑事弁護

詐欺罪・恐喝罪

詐欺罪 ①「欺」く行為(欺罔行為) 詐欺罪の実行行為は、人を錯誤に陥れる行為である。この、欺罔行為足りうるかは、客観的に判断される。注1)したがって、相手方が特にだまされやすい場合や、とくにだましにくい場合も考慮せず、客観的に欺罔行為足りうるかを決する。 ②損害 詐欺罪は財産犯であり、損害の発生が認められな...

刑事弁護

刑法総論:論点:未遂2.中止未遂(刑法43条ただし書)

0中止犯:中止犯とは「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」が、「自己の意思により犯罪を中止し」ていた場合を指す。 ①中止犯の減免根拠:中止犯において、「刑を減軽…免除する」(刑法43条ただし書)趣旨は、「自己の意思により犯罪を中止したとき」には、行為者に対する道義的責任非難が減少する点にある。 ②自己...

刑事弁護

執行猶予期間の進行開始と,執行猶予の取消

執行猶予期間の進行開始 執行猶予が例えば1年とか、3年とされたとき執行猶予期間がいつ終了するのかを知るには、執行猶予期間の進行開始のときを確定する必要があります。 進行が開始しなければ、執行猶予期間が経過することもないからです。 そこで、まず執行猶予期間の進行開始について説明したいと思います。 刑法第25条...

刑事弁護

薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予

刑法上、全部執行猶予が伏せず、さらに、刑法上、一部執行猶予も付せない場合でも、薬物使用等の罪についてさらに一部執行猶予を付すことが出来る場合があります。 この法律により、刑法27条は次のとおり読み替えられることになります。 改正後刑法第二十七条の二第一項 次に掲げる者が三年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた...