i2lawの記事一覧

名誉毀損

名誉毀損の違法性阻却事由

真実性・公共性・公益性 事実を摘示する名誉毀損 「事実を摘示しての名誉毀損にあたっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには、右行為には違法性がなく、仮に右事実が真実であることの証...

インターネット法

インターネット上の名誉毀損と対抗言論の法理

インターネット上の表現で誹謗中傷、名誉毀損などに当たるとして損害賠償請求を受けている場合、対抗言論の法理によってインターネット上の表現が適法化される場合もあります。 対抗言論の法理 平成13年東京地裁判決は、言論による反論によって不法行為が成立しないケース、いわゆる対抗言論の法理を認めています。 平成13年...

意匠法

著作権法と意匠法などの棲み分け

著作権法による保護が及ぶ範囲について,意匠法,実用新案法が保護している範囲と重なってくる部分については,棲み分けが問題となります。 いわゆる家電などの実用品は,そのデザインなどについて,本来著作権法で保護されるべき創作性を備えているものも少なくないと思われますが,工業上や産業上の利用可能性などから,意匠法や...

インターネット法

AIの創作する作品と知的財産権法による保護

今年の初めくらいから方々で話題にのぼり、もう、少し聞き飽きてしまった感のあるテーマですが、AIの創作する音楽、小説などがすでに実現段階に入っています。そこで、出てくるのが、AIの創作する作品は、現行法では保護されないのではないか、という話です。 この点は、現行の知的財産権法ではAIの創作(生成?)した作品を...

IC法務情報発信

インターネット上のキャラクターや著名人肖像の配信について

キャラクターや俳優などの著名人の肖像について似顔絵などをインターネット、SNSで配信することは問題がないのでしょうか。この点について日本スプレーアート振興会様主催の勉強会でお話しさせていただきました。 著作権と肖像権の違い 著作権は、著作権法という法律に基づく権利です。肖像権は法律がありません。裁判の中で裁...

憲法

表現の自由と著作権ーその同源性についてー

我が国では、著作権法と憲法上の人権、特に表現の自由との関係は判例実務上、あまり語られてきませんでした。著作権法が表現の自由を侵害し違憲であるという主張は、権利濫用の抗弁や差し止めの成否の中で若干言及される程度で、この点が強く主張された訴訟は知る限り見当たりません。又、少なくともそうした主張に対して判断権者は...

コンテンツ・ロー

著作物について

著作物性 著作権侵害の差し止めを請求するなど、著作権に基づく法的請求をするには,対象が著作物でなければなりません。 著作物とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」とされています(著作権法2条1号)。 分解していくと,①「思想又は感情を」②「表現...

知的財産権法

ファッションロー

ファッションローは、アパレル、ファッション事業などをはじめとしたファッションビジネスを規律する法分野を巡る法律問題です。 ファッションローは知的財産権がその保護に重要な意味を持ちます。 また、特許権や商標権も他のビジネス分野と同様に重要ですが、著作権法や意匠法などの重要性が高いのもファッションロー分野の特徴...

コンテンツ・ロー

ヘアスタイル・メイクの著作物

平成27年12月9日東京地方裁判所判決(平成27年(ワ)第14747号 損害賠償請求事件)が、裁判所ウェブサイトで公開されています。 この判例は写真の著作物性など示唆に富んだものであり、また別途レビューしたいと思います。今回は少し違う視点で同判決を紹介しました。同判決書文中でヘアスタイルや化粧について、著作...

コンテンツ・ロー

『エジソンのお箸事件』知財高裁平成28年10月13日判決(平成28年(ネ)第10059号)判例紹介

判決の意義 実用品の著作物性について、判断を示している点に意義があります。 TRIPPTRAPP(トリップトラップ)事件で知財高裁2部が下した判決が波紋を広げる中、知財高裁3部も今回、実用品の著作物性について、判断を示しています。事件は、エジソンのお箸事件と言われる、「知財高裁平成28年10月13日判決(平...