I2練馬斉藤法律事務所

I2練馬斉藤法律事務所は、著作権など知的財産権やインターネットと法の問題を重視しています。

2020年1月18日、日本知財学会コンテンツ・マネジメント分科会第4回 コンテンツと法シンポジウム 「『共感』されるコンテンツの利活用~仮想空間からツーリズムまで~」を聴講させて頂きました。

VRについて

VRの現状は正直ほとんど知識を持っていませんでしたが、現状を聞いて強い関心を持ちました。

現在VRは黎明期で、これから一般に(爆発的に?)普及する準備が整いつつある状況のようです。

したがって、まだ参入が限定的で、BeatSaberというゲームは 3人で開発されて100万本ヒットに至るなど、スマートフォンゲーム初期のような夢のある状況のようです。

その他手術のシュミレーションなど医療現場でも応用が進んでいるなど、社会全域で利活用が進んでいるようです。

VRによるクリエイト支援 

VRは体験できる、直感的に作業ができるというところが優れていて、このシステムがクリエイトにも活かされている、あるいは活かされようとしているということでした。

例えば、3DモデルのモデリングにVR がクリエイト面で活用される動きが進んでいるということ。MEDIUMを「ADOBE」が買収したり、TILT BRUSHなど、キーワードとなるソフトや企業のご紹介もありました。

より直感的な入力でアニメを作成できるアニキャストというソフトで、より直感的な創作環境のデモンストレーションも実施していただきました。

VRで直感的に作業できるということを、デモンストレーションでよく理解することができました。作業効率が非常に良くなるのではないかと思いました。

過去、パソコンによって多くの人がクリエイターになり、新しい職業が創出された。VRでさらにクリエイティブが加速するのではないかと言及されていました。

実際に見せて頂いたアニメーションの撮影のデモンストレーションも大変知的刺激をいただきました。

特に自分はクリエイトに興味が強いので、VRのクリエイトに対する支援面には非常に強い関心を持ちました。

特にVRでの創作、VR内での経済圏創出、そこに知財が発生という未来予測は大変に夢のあるものに感じました。

VRコミニュケーション

また、おそらくこちらが一般消費・普及の中心になるであろうVRコミニュケーションの面もVRライブやVRCHATなど利活用が進んでいるようです。 

例えば、企業との交渉にVR技術を用いたテレフォンカンファレンスが行われているようです。離島に住みながら、都会の企業で働く、あるいはもう、企業は仮想空間に存在すれば良い時代がくるのかもしれません。

受付・窓口業務のアバター化が進むのではないかということ。つまり、ホームページは行く行くはホームアバターになるのではないかということ。 

やはり、通常のテレビ電話より視線を感じることができるというのはコミニュケーション上のメリットだということ。 

アバターを新たな自分とするテレイグジスタンスというお話も興味無かかったです。

VRを支援するテクノロジー・デバイス

そのためのOSなどを通じた技術面のコラボラティブ・コンピューティングも進んでいくのではないかとのこと。これは、現在のブラウザの状況に近いものになるのでしょうか。

携帯電話も少しずつ軽量化されてきており、VR/AR がポストスマートフォンになる準備も少しずつ整ってきているとのこと。

オキュラス「クエスト」というデバイスが、アイフォンの初期に当たるようなキラーデバイスではないかということ。実際にモノすごく売れているようです。

また、コンタクトレンズ型の開発も進んでいるというのは驚きました。

もし、VRに関心を持たれた方は、開発者のコミニュティとコンタクトすると良いそうです。例えば、JAPAN VR フェスや、Facebookのグループなどがあるとのこと。 

VRと知的財産権

その後、VRと知的財産権法という法律面からの考察も大変知的好奇心を刺激される内容でした。

特にVRなど未知の領域は、法整備が間に合わない間は、裁判所にルールをつくってもらう必要があるとの言及は実際にインターネットと著作権の分野でそのような状況になっているためVRも同じ状況になることは論を待たないのではないでしょうか。

そして、VRも含めて、嗅覚・味覚・触覚が送信できる時代になったという言及。著作権法上は著作物として視覚聴覚しか例示されていないが、「おおむね」としか、書いていない。それは、この時代を見越していたのかも知れません。立法者の先見の明には感嘆するしかない話でした。 

また、ドイツの未知の使用方法に関する契約というご紹介も大変興味を惹かれました。

また、著作権から特許権へのシフト、さらに不正競争防止法の活用など、知的財産権を総動員した攻防になるという示唆もうなづけるところでした。

ロケツーリズム 

次にロケツーリズムに関するご講演を聴講させて頂きました。ロケ地ツーリズム(聖地巡礼)を通してロケ地を活性化させる取り組みです。

その前提として講演者の方から知的財産管理技能士から知的財産アナリストという資格のご紹介がありました。知的財産アナリストは、経営など複合的な視点からコンテンツビジネスを学ぶこともできる資格のようで、興味を惹かれました。

コンテンツ・ツーリズムの題材として小樽をコンテンツを通して活性化させる取り組みが紹介されていました。

小樽は、2回行くかと言うとあまり行かないという理由や札幌から日帰り出来るなどから、観光客をより増やそうという取り組みをする必要があったそうです。

そこで、知名度は元から十分に思える小樽においても、コンテンツツーリズムをとおした地域活性化の企画が実現したということでした。

お話の中で興味深かったのは、今のアニメは、背景について写真を加工し、セル画ではないケースもあるということでした。

また、コンテンツを提供した出版社のメリットなど、関係者全員の利益に気を配られている姿勢が印象的でした。

オーバー・ツーリズムという新たな懸念や、プロダクト・プレイスメントというコンテンツビジネスの新たなキーワードにも言及がありました。

また、VRコンテンツの品質とコスト感や、インフラの整備など課題にも言及がありました。800万ならどの程度、500万なら・・・と具体的な数字も示され、参考になりました。

コンテンツの利活用と共感から生まれたロケツーリズムの持続可能性など、処理し切れていない課題もやはりあるとのこと。

ロケツーリズムを通して、そこをきっかけにして、徐々に地域のファンになっていくことがあり、それがやはり理想的とのことでした。

また、課題面で言えば、例えば、報酬面などでもやはり、課題は多いとのことでした。

また、アニメツーリズム協会の方からのご発表もありました。

年間新作アニメが150本程度投資的につくられるなかで、なんでもない場所が特別な場所になるアニメツーリズムもこれからますます盛んになればおもしろいと思いました。

また、事(こと)の海賊版という新しいキーワードもとても関心を惹かれました。

関連記事一覧