昨日は東京弁護士会インターネット法律研究部で、月1の定例研究会を聴講しました。東京弁護士会インターネット法律研究部は、弁護士会の中の法律・法律実務研究会の一つで、定期的に会内の弁護士が集まって勉強会を開催しています。外部講師を招聘することもありますが、会員が各々の研究内容を発表することが多いです。
昨日の研究会では、東京高判令和2年11月25日・ウェストロージャパン文献番号2020WLJPCA11256017がテーマに選ばれました。両当事者、代理人ともにインターネット界隈では著名な事件で、注目された事件でした。
訴訟で侵害の可否が争われた3つの投稿について、原告側、被告側の主張と裁判所の判断を中心に検討・議論が行われました。また、名誉毀損や侮辱との切り分けや刑事と民事での捉え方の違いなど普段厳密に意識せずやっている部分を振り返る良い勉強の機会となりました。
刑事では名誉毀損も侮辱も外部的名誉が保護法益となりますが、民事は名誉感情も法的保護下にあるため問題となります。その意味で、民事の名誉感情侵害と侮辱行為を自分の中で混同していて、混乱の元になっていることに気づけました。
また、名誉感情侵害は侮辱による名誉感情侵害のみが保護されるのではなく、その他の方法による名誉感情に対する侵襲も法的保護下にあるという点は留意が必要だと思いました。