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弁護士として警察署の留置係で被疑者の方と接見する機会があります。接見室には、お互いの顔が見えるように透明のアクリル板がお互いを隔てています。

透明なのは、お互いを見えるようにするためなどの配慮だと考えれます。

ただ、それ以前に鉄格子などで遮断せずにアクリル板を利用しているのは、手足や飛び道具などもお互いに当たらないように、であるとか、物の受け渡しも出来ないように、という狙いに基づくと考えられます。

あのアクリル板は、紙一枚通さないように設計されていて、秘密の暗号文や、自殺用の毒薬なども渡すことができないようになっています。

唯一あのアクリル板を通るのは、穴が空いている場所をずらして針さえも通らないように工夫された2重のアクリル板に開けられたいくつかの小さな穴を通る、お互いの声だけです。

それだけ厳密に設計されたアクリル板ですが、接着剤の劣化によって接着が弱くなっていた、というのは、おそらく誰も気づかなかった盲点というものではないかと思います。

なお、弁護人が声かけをすべきだった、という意見もあるようですが警察署によっては「接見後の声かけは必要ありません」というような趣旨の張り紙が貼られているような留置係もあり、そうなるとこちらとしても声かけはしないほうが良いのかな、と遠慮してしまう場合もあります。

そうは言っても習慣で接見終了後声かけをしていますが、必ずしも弁護人に声かけが求められているわけではない(むしろしなくて良いと明言してる場合もある)ことには留意が必要かと思います。

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