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事案の概要

原告は,関連会社2社と共に,別紙原告ゲーム目録記載のゲーム(以下「原告ゲーム」という。)に係る著作権(原告ゲームの構成,機能,画面配置等及びこれらの組合せ並びに原告ゲームのプログラムに係る複製権・翻案権・公衆送信権。以下「本件著作権」という。)を共有していると主張しました。

そして、被告が別紙被告ゲーム目録記載のゲーム(以下「被告ゲーム」という。)を制作・配信する行為は,本件著作権を侵害すると主張しました。

そのうえで、原告は上記関連会社2社から,同社らの被告に対する本件著作権侵害に基づく損害賠償請求権(以下,単に「本件債権」という。)の譲渡を受けたと主張して,被告に対し,本件著作権に基づき,被告ゲームの複製及び公衆送信の差止め並びにこれを記録したコンピューター及びサーバー内の記録媒体からの同記録の削除を求めるとともに,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害金5760万円(①著作権法114条2項に基づく損害4800万円,②弁護士費用960万円)などの支払を求めた事案です。

審理判断された争点

本件で審理判断されたのは、①原告が本件著作権の共有持分権を有するか(争点1)及び②被告ゲームの制作・配信行為が本件著作権を侵害するか(争点2)の2点です。

著作権を有するか(争点①)についての裁判所の判断

職務著作の成立(職務著作の準拠法)

裁判所は、「職務著作に関する規定の準拠法については,その性質 上,法人その他使用者と被用者の雇用契約の準拠法国における著作権法の職 務著作に関する規定によるものと解される。そして,中国国内における使用 者と労働者の労働関係の形成,労働契約の締結,履行,変更,解除又は終了 には,中華人民共和国労働契約法が適用される(同法2条,甲34)。しかし て,中華人民共和国著作権法16条1項は,「公民が法人或いはその他の組織 にかかる業務上の任務を遂行するために創作した著作物は職務著作であり」 と,同条2項柱書は,「次に掲げる形態のいずれかの職務著作物については, …著作権にかかるその他の権利は,法人或いはその他の組織がこれを享有す る」と,同項1号は,「主として法人或いはその他の組織が物質上の技術的条 件を利用して創作し,かつ法人或いはその他の組織が責任を負う…コンピュ ーターソフトウェア等の職務著作物」と,同条2号は,「法人又はその他の組 織が著作権を享有することを,法律・行政法規が規定し,又は契約で定められた職務著作物」と,それぞれ規定している(甲35)。」と述べて、中国法による職務著作の成立を認めました。

著作権譲渡の有効性(著作権譲渡契約の準拠法に関する判断を含む)

まず,裁判所は、「著作権の共有持分権の移転の原因関係である譲渡契約について適用されるべき準拠法は,通則法7条により当事者の選択によることになるが,当事者間での準拠法の選択がない場合には,同法8条1項により「当 該法律行為に最も密接な関係がある地の法」によるとされ,同条2項によ り特徴的な給付を当事者の一方のみが行うものであるときは,その給付を行う当事者の常居所地法が「当該法律行為に最も密接な関係がある地の法」と推定されることになる」として抽象的な準拠法の判断ルールを宣明しています。

その上で、裁判所は、「これを本件についてみるに,証拠(甲5,29,33,37)及び弁論の全趣旨によれば,北COM4LOVESは,香港COM4LOVES に対して本件著作権の共有持分権(翻案権を含む。)を譲渡し,さらに,同 社は,原告に対して本件著作権の共有持分権(翻案権を含む。)の一部を譲 渡したことが認められる。そして,当事者間においては,上記各譲渡に係る契約について適用されるべき準拠法の選択がないことから,通則法8条 1項及び2項により,北京COM4LOVESから香港COM4LOVE Sに対する本件著作権の共有持分権の譲渡に係る契約の準拠法は,特徴的 な給付たる上記譲渡を行う北京COM4LOVESの常居所地法である中 華人民共和国法となり,同様に,香港COM4LOVESから原告に対する本件著作権の共有持分権の一部の譲渡に係る契約の準拠法は,特徴的な 給付たる上記譲渡を行う香港COM4LOVESの常居所地法である香港法となるところ,弁論の全趣旨によれば,中華人民共和国法と香港法のい ずれについても,上記各譲渡は,債権行為として有効であることが認めら れる」として、著作権譲渡の有効性を認めています。

著作権共有の準拠法及び有効性

裁判所はまず、「次に,著作権の共有持分権という物権類似の支配関係の変動について適 用されるべき準拠法に関しては,一般に,物権の内容,効力,得喪の要件 等は,目的物の所在地の法令を準拠法とすべきものとされる(通則法13 条参照)。そして,著作権は,その権利の内容及び効力が,これを保護する 国(保護国)の法令によって定められ,また,著作物の利用について第三 者に対する排他的効力を有するから,物権の得喪について所在地法が適用 されるのと同様に,著作権の共有持分権という物権類似の支配関係の変動 については,保護国の法令が準拠法となると解するのが相当である」と判示しています。

そして、具体的な事例について、「これを本件についてみるに,前記アで認定したところに加え,弁論の全 趣旨によれば,本件著作権を取得した北京COM4LOVESから香港C OM4LOVESに対する本件著作権の共有持分権(翻案権を含む。)の譲 渡及び同社から原告に対する本件著作権の共有持分権(翻案権を含む。)の 一部の譲渡は,いずれも日本国内における原告ゲームの知的財産管理(ラ イセンスや著作権侵害行為の除去その他の権利行使)等の便宜のためにさ れたものであることが認められ,少なくとも本件では日本における著作権 が問題となっているのであるから,保護国である日本の法令が準拠法とな るというべきである」とし、「そして,日本国の法令においては,著作権の共有持 分権の移転の効力は,その原因となる譲渡契約の締結により直ちに生ずる とされているのであるから,同契約締結に当たる上記各譲渡により,本件 著作権の共有持分権(翻案権を含む。)は移転しているといえる」と判断しています。

本件著作権を侵害するか(争点②)についての裁判所の判断

上記の2点の争点の内、著作権侵害の成否について東京地裁の判断をご紹介します。

ゲームの著作権侵害について

ゲームの著作権侵害を判断するにあたっての留意点

裁判所は下記のとおり、スマフォゲームの著作権侵害を判断するにあたっての留意点を挙げており、参考になります。

「本件のような携帯電話機等を用いたゲームについては,通常の映画とは異なり,システムないしルールが決められ,プレイヤーはシステムないしルールに基づいてプレイするところ,このようなゲームのシステムないしルール自体はアイデアそのものであり,著作物ということはできず,システムないしルールに基づき具体的に表現されたものがある場合に,初めてその創作性の有無等が問題となるというべきである」。

「また,このようなゲームは,プレイヤーが参加して楽しむというインタラクティブ性を有しているため,プレイヤーが必要とする情報を表示し,又はプレイヤーの選択肢を表示するための画面(ユーザーインターフェース)(乙
9~11)を表示する必要があり,また,ディスプレイ上に表示される画面は常に一定ではなく,プレイヤーが各画面に設置されたリンクを選択することによって異なる画面に遷移し,これを繰り返してゲームを進めるという仕
組みになっているところ,一連のまとまった表現として把握される複数の画像が,プレイヤーの操作・選択により,又はあらかじめ設定されたプログラムに基づいて,連続的に展開することにより形成されている場合には,一連
20 のまとまった表現を構成する各画像自体の創作性及び表現性のみならず,その組合せ・配列により表現される画像の変化も,著作権法による保護の対象となり得る」。

「もっとも,このようなゲームにおける各画像及びその組合せ・配列については,プレイヤーによるリンクの発見や閲覧の容易性,操作等の利便性の観点から機能的な面に基づく制約を受けざるを得ないため,作成者がその思想・感情を創作的に表現する範囲は自ずと限定的なものとならざるを得ず,上記制約を考慮してもなおゲーム作成者の個性が表現されているものとして著作物性(創作性)を肯定し得るのは,他の同種ゲームとの比較の見地等からして,特に特徴的であり独自性があると認められるような限定的な場合とならざるを得ないものというべきである」。

具体的なゲームの著作権侵害の検討部分

裁判所は、下記のとおり、「ゲームの構成,機能,画面配置等及びこれらの組合せについて」検討し結論として著作権を侵害しないという結論を導いています。

ア 基本的構成について

まず、両「ゲームは,①歴史をテーマにし,歴史上の武将を美少女化し,フルオート機能(プレイヤーが,実際にプレイすることなくアプリを閉じていても,ゲームが自動的に進行し,経験値を獲得してキャラクターを育成することができる機能)を備えた放置系RPGゲームである点,②サーバー内のプレイヤー同士でグループを作り,ボス等に挑戦することができる「同盟」機能,キャラクターのステータスや装備を好みに合わせて強化育成できる「強化育成」機能,サーバー内のプレイヤー間や同盟を結んだプレイヤー間で情報交換をすることができる「チャット」機能を備えている点において共通している」としながら、この「共通点は,いずれも…アイデアにすぎないというほかな」いとしています。

イ 具体的構成について

キャラクターの名称,構成,機能については、「原告ゲームと被告ゲームは,①キャラクターが「主将」と「副将」から構成される点,②「主将」の職業は,初めてゲームを開始する際に,「筋力」をメインの能力とするもの,「知力」をメインの能力とするもの,「敏捷」をメインの能力とするものの3つの中から選択する点,③「副将」は,歴史上の人物が女性化して登場し,一定の条件を満たすと,当該副将が使用できるようになり,レベルが上がるにつれて副将の数を増やすことができ,副将を「出陣」させたり,「応援」させたりすることができる点,④各キャラクターは,画面上で華麗にゆらゆらと動いており,キャラクターをタッチすると,キャラクターのボイスを聴くことができる点において共通している」と認定しています。
しかし,「上記①ないし③の共通点は,いずれも両ゲームのシステムないしこれに対応する機能であって,アイデアにすぎないものであり,また,上記④の共通点も,各キャラクターの動きやボイスの機能をいうものであってアイデアにすぎない」としています。

各画面の名称,構成,機能については、「被告ゲームの各画面は,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において原告ゲームの各画面と同一性を有するにすぎないものであり,また,具体的表現においても相違するものであって,これに接する者が原告ゲームの各画面の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないから,複製又は翻案に当たらない」と結論付けています。

ウ 利用規約について

前記1の認定事実によれば,原告ゲーム及び被告ゲームの利用規約は,別紙「利用規約対比表」記載のとおり,会社名を除き,同一の文言であることが認められる。
しかし,一般的に,ゲームの利用規約は,法令や慣行により,形式及び内容が定型的なものとなり,その創作性が認められるのは,それにもかかわらず作成者の個性が発揮されたといえるような極めて限定された場合に限られると考えられる。

しかして,弁論の全趣旨によれば,原告ゲームの利用規約は,LINEゲームの利用規約と相当程度に類似しているものであることが認められる。

そして,原告ゲームと被告ゲームの利用規約に係る上記共通部分をみても,いずれも定型的なものの範囲にとどまっており,上記の限定された場合に当たるものとみられるものは存しない。

そうすると,上記共通部分については,いずれも創作性が認められないものというほかなく,そのような点が共通するとしても,複製又は翻案に当たらない。

エ ゲーム全体について

以上の検討を経たうえで、裁判所はゲーム全体について、下記のとおり述べて著作権を侵害しないという結論を導いています。下線部は弊所によります。

「携帯電話機等を用いたゲームは,プレイヤーによるリンクの発見や閲覧の容易性,操作等の利便性の観点から,その画面遷移等の構成には機能的な制約があるため,創作性の認められる範囲は自ずと限定的なものとならざるを得ず,特に特徴的であり独自性があると認められない限り,創作性を認めるのは困難というべきである。」

「そして,前記説示のとおり,原告ゲーム及び被告ゲームは,いずれも,携帯電話機等を利用する歴史をテーマとする美少女育成型の放置系RPGであり,「ホーム」,「戦場」,「陣営」,「倉庫」,「チャット」,「同盟」の各画面を主要画面とし,ホーム画面上にボタンが表示される「競技」,「ショップ」ないし「商店」,「鋳造」,「任務」,「特典」,「チャージ」の各画面その他各種イベントに関する画面を中心とする構成であるところ,これらのゲーム内容及び各画面等については,基本的構成,具体的構成及び利用規約のいずれにおいても,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において共通しているにすぎず,また,具体的表現においては相違するものである。」

「そして,上記のような性質のゲームを採用した場合,プレイヤーによるリンクの発見や閲覧の容易性,操作等の利便性の観点から,各画面の機能ないし遷移方法については,ある程度似通ったものにならざるを得ないことをも踏まえると,原告ゲーム及び被告ゲームにおける各画面の機能ないし遷移方法を具体的にみても,特に特徴的であり独自性があるということはできない。」

「そうすると,被告ゲーム全体の構成・機能・画面配置等の組合せ(画面の変遷並びに素材の選択及び配列)についても,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において原告ゲームのそれと同一性を有するにすぎないものというほかなく,これに接する者が原告ゲームの画面の変遷並びに素材の選択及び配列の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないとみるべきであるから,複製又は翻案に当たらないというべきである。」

原告の主張に対する判断

「これに対し,原告は…被告ゲームは,原告ゲームと合計84画面の構成・機能・画面配置等が全て共通しており,原告ゲームをほぼデッドコピーして制作されたものである…旨を主張する。」

「しかし,著作物の創作的表現は,様々な創作的要素が集積して成り立っているものであるから,原告ゲームと被告ゲームの共通部分が表現といえるか否かを判断する際に,その構成要素を分析し,それぞれについて表現といえるか否か,また表現上の創作性を有するか否かを検討することは,有益かつ必要なことであって,その上で,ゲーム全体又は侵害が主張されている部分全体について表現といえるか否か,また表現上の創作性を有するか否かを判断することが,正当な判断手法ということができるところ,両ゲームの各画面等の共通部分は,アイデアや創作性のないものにとどまることは,前記説示のとおりである。」

「そして,著作権法上,著作物として保護されるのは,画面の選択や配列に関するアイデア自体ではなく,具体的表現であるから,画面の選択や配列に選択の余地があったとしても,実際に作成された表現がありふれたものである限
り,それが共通することを理由として,複製又は翻案が成立するということはできない
し,具体的な表現が異なることにより,表現上の本質的な特徴が直接感得できなくなる場合があり得るところ,前記説示のとおり,本件において,被告ゲームの画面の選択や配列から,原告ゲームのそれの表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないものである。」

「他方で,原告が主張するように,証拠(甲10~12,15,18,24,28)及び弁論の全趣旨によれば,①被告ゲームのテスト版では,「サーバーデータ取得エラー26002」という原告ゲームと同じエラーメッセージが用いられ,被告ゲームの通貨は「判金」であるにもかかわらず,イベント画面において原告ゲームで用いている「元宝」(中国の貨幣)の名称が用いられていること,②被告ゲームには,該当する名称の機能等が存在していないにもかかわらず,原告ゲーム内の機能等の名称である「同盟争覇戦」,「訓練所」,「遊歴」,「神将交換」,「高速戦闘」,「弓将」,「総力戦」,「神器」の用語がそのまま用いられており,チャット機能において,原告ゲームと同じバグが存在していること,さらに,③被告ソースコードには,原告ゲームの開発担当者の名前が残されたま
まとなっていることが認められる。」

「しかし,上記の事実から,被告ゲームが原告ゲームを参考にして制作されたことが認められるとしても,その共通点はアイデアや創作性のないものにとどまり,また,具体的表現において相違し,デッドコピーであるとは評価できないのであるから,被告ゲーム全体が,原告ゲーム全体の複製又は翻案に当たるということはできない。」

ゲーム・プログラムの著作権侵害について

原告は,被告ゲームの「任務(ミッション)」に係る画面の切り替え等の機能に関するプログラムは,原告ゲームの「任務(ミッション)」に係る画面の切り替え等の機能に関するプログラムを複製又は翻案して作成されたもので
あり,原告ソースコードに係るプログラム著作権をも侵害している旨を主張し,これに沿う証拠(甲24,25,27,28等)を提出しました。

しかし、「原告ゲーム及び被告ゲームは,携帯電話機等を用いて配布・実行されるゲームアプリ(Androidの場合にはGoogle Play,iOSの場合にはApp Storeを介して配布)であり,サーバー側のプログラムとネットワークを介して通信しながら実行が進められるものであることが認めら」れ、また,「前記1の認定事実によれば,原告ゲーム及び被告ゲームには,任務(ミッション)画面(メインミッション画面,デイリーミッション画面,功績画面)(別紙「ゲーム画面対比表」の【1-52】~【1-54】,【2-52】~【2-54】)が存在し,これらは,主に①「メインミッション」ボタン,②「デイリーミッション」ボタン,③「功績」ボタン, ④「ヘルプ」ボタン,⑤「戻る」ボタンという5つのボタンと,上記①ないし③のボタンにそれぞれ対応した表示項目で構成されていることが認められ」ました。

そして、「仮に原告の主張を前提とした場合,原告ゲームのゲームアプリ(sanguo_Google_34_1.200.34.apk)及び被告ゲームのゲームアプリ(戦姫コレクション_v1.0.68.apk)は,主として,①オープンソースのゲームフレークワーク(ゲームの基本的な処理を行うプログラムであって,これに含まれる各種「処理」を呼び出すゲームのソースコードを記述することで,グラフィック描画,キャラクターの動作,ネット通信等のゲームプログラムにおいてよく使用される機能を簡単に実現することができる。)であるCOCOS2D-X,②原告ゲームにつき473個,被告ゲームにつき555個のLuaファイル(Lua言語で記述されたソースコード)等から構成されていると考えられる」と認定されています。

この「原告ゲームの上記473個のLuaファイルのうちの「MissionMainPage.lua」(「任
務(ミッション)」に係る画面の切り替え等の機能に関するプログラム)のソースコード(原告ソースコード)とこれに対応する被告ゲームのプログラムのソースコード(被告ソースコード)は…その大部分(「AUTHOR」欄の開発担当者の氏名や作成日付を含む。)が一致していることが認められ」ました。

しかし,「原告ソースコードは,全体として,ゲーム画面内の上記5つのボタンが押された際の画面の切り替えに関する処理や表示内容の更新処理を行うものにすぎず,「メインミッション」,「デイリーミッション」,「功績」の内容とは直接関係しない,上記のような定型的な処理を機械的に実行するプログラムであるにすぎない」と認定されました。

そして,「個々のソースコードをみても,…いずれも単純な作業を行うfunction(ローカル変数やテーブルの宣言及びモジュールの呼び出し等)が複数記述されたものにすぎないから,このように定型的なありふれたものについて作成者の個性が表れており創作性があるとは認められないし,そのような創作性の認められない個々のソースコードの記載の順序や組合せについても,あくまでゲームの機能に対応した表現にすぎないから,やはり創作性があるとは認め難い」と判断し、類似乃至同一部分の著作物性を否定しました。

そのうえで、「したがって…被告ソースコードは,表現上の創作性がない部分において原告ソースコードと同一性を有するにすぎないから,原告ソースコードの複製又は翻案には当たらない」と判示しました。

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