不動産関連訴訟の訴額と固定資産評価証明の交付請求
不動産が関係する訴訟においては、不動産価格が訴額の算定などに利用されます。この際に、不動産価格を算出する際に固定資産評価証明書があるものについては、固定資産評価証明書が利用されます。ただし、土地については固定資産評価証明書等記載額の2分の1とされます(平6年3月28日民二79民事局長通知)。
固定資産評価証明書は、不動産の所在する市区町村が管理しておる。
市区町村に対して、固定資産評価証明書の交付を申請することになるぞ。
弁護士は訴訟提起の場合など、職務上交付請求をすることができ、統一の書式が日弁連のウェブサイトなどで手に入ります。
訴訟物の価額の算定基準について
標記について、今般別紙の基準を作成しましたから、執務の参考資料として送付します。
訴訟物の価額の算定基準について(昭和31年12月12日民事甲第412号高等裁判所長官、地方裁判所長あて民事局長通知)
なお、右に関して、次のとおり申し添えます。
1 この基準は、従来、各裁判所における受付事務の取扱が分れていた実情にかんがみ、参考資料として作成したもので、訴訟物の価額に争いがあるとき等の基準となるものではない。
2 この基準は、先般当局において作成した案(昭和31年6月21日付当庁民事甲第185号照会参照に対する各庁の意見を参しやくして作成したもので、日本弁護士会においても、了承済みである。
3 各簡易裁判所に対しては、所管の地方裁判所から通知されたい。
別紙 訴訟物の価額の算定基準
一所有権
訴訟物の価額の算定基準について(昭和31年12月12日民事甲第412号高等裁判所長官、地方裁判所長あて民事局長通知)別紙 訴訟物の価額の算定基準
目的たる物の価格
地方税法(昭和二五年法律第二二六号)第三四九条の規定による固定資産税の課税標準となる価格のあるものについては、その価格とし、その他のものについては、取引価格とすること (以下「物の価格」 とある場合は、同様である。 ) 。
二占有権
目的たる物の価格の三分の一。
三地上権・永小作権、賃借権
目的たる物の価格の二分の一。
四地役権
承役地の物の価格の三分の一。
五担保物権
(一) 優先順位の担保物権がない場合
被担保債権の金額。 目的たる物の価格が被担保債権の金額に達しないときは、物の価
格。
(二) 優先順位の担保物権がある場合
被担保債権の金額。 目的たる物の価格に優先順位の担保物権を考慮して修正を加えた金
額が被担保債権の金額に達しないときは、右の修正金額。
六金銭支払請求権
請求金額。将来の給付を求めるものは、請求金額から中間利息を控除した金額。
七物の引渡(明渡)請求権
(一) 所有権にもとづく場合
目的たる物の価格の二分の一。
(二) 占有権にもとづく場合
目的たる物の価格の三分の一。
(三) 地上権・永小作権・賃借権にもとづく場合
目的たる物の価格の二分の一。
(四) 賃貸借契約の解除等による場合
目的たる物の価格の二分の一。
八所有権移転登記請求権
目的たる物の価格。
九詐害行為取消
原告の債権の金額。取り消される法律行為の目的の価格が原告の債権の金額に達しない
ときは、法律行為の目的の価格。
一○境界確定
係争地域の物の価格。
備考
(-) 上訴の場合は、不服を申し出た限度で訴訟物の価額を算定することとし、附帯上訴
の場合も、同様とすること。
(二) 会社設立無効、株主総会の決議の取消・無効確認等の訴は、財産権上の請求でない
訴として、取り扱うこと。
(三)価格の認定に関しては、固定資産税の課税標準となる価格について所管公署のこれ
を証明する書面を提出させる等の方法により、適宜当事者に証明させること。
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