インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律という法律があるのですか

そのような名称の法律があります。

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の目的はなんでしょうか?

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為等を禁止するとともに、インターネット異性紹介事業について必要な規制を行うこと等により、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資すること」を目的とします。

インターネット異性紹介事業は届出制なのですか?

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律第7条が、1号から6号の事項について届出制を定めています。

(インターネット異性紹介事業の届出)
第七条 インターネット異性紹介事業を行おうとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を事業の本拠となる事務所(事務所のない者にあっては、住居。第三号を除き、以下「事務所」という。)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に届け出なければならない。この場合において、届出には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 当該事業につき広告又は宣伝をする場合に当該事業を示すものとして使用する呼称(当該呼称が二以上ある場合にあっては、それら全部の呼称)
三 事業の本拠となる事務所の所在地
四 事務所の電話番号その他の連絡先であって国家公安委員会規則で定めるもの
五 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
六 第十一条の規定による異性交際希望者が児童でないことの確認の実施の方法その他の業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律に罰則はありますか?

例えば、届出をせずにインターネット異性紹介事業を営んだ場合、「六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処」されます(同法32条1号)。

最高裁判所判例はありますか?

平成26年1月16日最高裁判所第一小法廷 判決・ 刑集第68巻1号1頁は、 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律違反被告事件の最高裁判所判決です。

同最高裁判所判例で、インターネット異性紹介事業の届出制度は、憲法21条1項に違反しないという結論が導かれています。

1 弁護人…及び被告人本人の各上告趣意のうち、インターネット異性紹介事業の届出制度に関し、憲法21条1項違反をいう点について   

(1) インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(以下「本法」という。)は、インターネット異性紹介事業を定義した上で(2条2号)、同事業を行おうとする者は、事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に所定の事項を届け出なければならない旨を定め(7条1項)、その届出をしないで同事業を行った者は6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する旨を定めている(32条1号)。   

(2) 同弁護人の所論は、本法7条1項、32条1号所定の罰則を伴う届出制度(以下「本件届出制度」という。)は、集会結社の自由を不当に制約するものであるから、憲法21条1項に違反する旨主張し、被告人本人の所論は、本件届出制度は、表現の自由、集会結社の自由を不当に制約するものであるから、憲法21条1項に違反する旨主張する。   

(3) そこで検討するに、まず、本法は、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童(18歳に満たない者)を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的としているところ(1条、2条1号)、思慮分別が一般に未熟である児童をこのような犯罪から保護し、その健全な育成を図ることは、社会にとって重要な利益であり、本法の目的は、もとより正当である。そして、同事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪が多発している状況を踏まえると、それら犯罪から児童を保護するために、同事業について規制を必要とする程度は高いといえる。   

また、本法は、同事業を行う者(以下「事業者」という。)に対する規制として、その責務や義務等を定めるほか、都道府県公安委員会の権限として、事業者に法令違反があり、当該違反行為が児童の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときの指示(13条)、事業者が事業に関し本法及び児童福祉法等に規定する一定の罪に当たる行為をしたと認めるときの事業の停止命令(14条1項)、事業者が欠格事由に該当することが判明したときの事業の廃止命令(同条2項)、事業に関する報告又は資料の提出要求(16条)に関する諸規定を設けている。そして、本件届出制度は、同事業を行おうとする者に対し、氏名、住所、広告又は宣伝に使用する呼称、本拠となる事務所の所在地、連絡先等の事項(7条1項1ないし5号)や、事業を利用する異性交際希望者が児童でないことの確認の実施方法その他の業務の実施方法に関する事項(同項6号)を都道府県公安委員会に届け出ることを義務付けるものであるところ、このような事項を事業者自身からの届出により事業開始段階で把握することは、上記各規定に基づく監督等を適切かつ実効的に行い、ひいては本法の上記目的を達成することに資するものである。   

他方、本件届出制度は、インターネットを利用してなされる表現に関し、そこに含まれる情報の性質に着目して事業者に届出義務を課すものではあるが、その届出事項の内容は限定されたものである。また、届出自体により、事業者によるウェブサイトへの説明文言の記載や同事業利用者による書き込みの内容が制約されるものではない上、他の義務規定を併せみても、事業者が、児童による利用防止のための措置等をとりつつ、インターネット異性紹介事業を運営することは制約されず、児童以外の者が、同事業を利用し、児童との性交等や異性交際の誘引に関わらない書き込みをすることも制約されない。また、本法が、無届けで同事業を行うことについて罰則を定めていることも、届出義務の履行を担保する上で合理的なことであり、罰則の内容も相当なものである。   

以上を踏まえると、本件届出制度は、上記の正当な立法目的を達成するための手段として必要かつ合理的なものというべきであって、憲法21条1項に違反するものではないといえる。 このように解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁昭和35年(あ)第112号同年7月20日大法廷判決・刑集14巻9号1243頁、最高裁昭和52年(オ)第927号同58年6月22日大法廷判決・民集37巻5号793頁、最高裁昭和57年(行ツ)第156号同59年12月12日大法廷判決・民集38巻12号1308頁、最高裁昭和57年(あ)第621号同60年10月23日大法廷判決・刑集39巻6号413頁、最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁)の趣旨に徴して明らかである。   

(4) なお、被告人本人の所論は、本件届出制度に関し、本法2条2号による「インターネット異性紹介事業」の定義が漠然として不明確であるから、憲法21条1項に違反する旨主張するが、その定義が所論のように不明確であるとはいえないから、前提を欠くものである。  

2 同弁護人及び被告人本人の各上告趣意のうち、本法32条1号、7条1項の規定について、上記1(4)と同様の理由で憲法31条違反をいう点は、その定義が所論のように不明確であるとはいえず、本法6条、11条、12条、33条の各規定の違憲をいう点は、原判決の是認する第1審判決はこれらの規定を適用していないのであるから、いずれも前提を欠くものである。  

3 被告人本人の上告趣意のうち、被告人を本法7条1項、32条1号の届出義務違反で処罰することは、被告人に対して、運営するウェブサイト内の説明文言の編集や利用者による書き込み記事の削除を強要するものであって、検閲に当たる上、被告人の良心の自由、表現の自由、集会結社の自由を侵害し、利用者の表現の自由も侵害するとして、憲法19条、21条1項、2項違反をいう点は、本件は、インターネット異性紹介事業を行おうとする者の届出義務に違反して同事業を行った行為を処罰するものであって、所論のような編集や記事の削除を強要するものではないから、前提を欠くものである。  

4 同弁護人及び被告人本人のその余の上告趣意は、いずれも、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。

平成26年1月16日最高裁判所第一小法廷 判決・ 刑集第68巻1号1頁

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