名誉毀損や著作権侵害など、インターネット上の権利侵害はある日突然訪れます。
このとき、ウェブ上の情報は消失しやすいので慌てずに証拠保全をすることが大切です。後に裁判でも使える証拠保全のポイントを、弁護士の視点から解説します。
インターネットの情報はいつ消えてしまうかわかりません。
とにかく早く適切に保全することが重要です。
目次
スクリーンショットでは不十分
インターネット上の権利侵害について、スクリーンショットで証拠保全する方がよくいます。
スクリーンショットもないよりもずっと良いのですが、充分ではありません。
スクリーンショットで問題なのは、①URLが写らない場合があること、②保存した日時がぱっと見てわからないこと、③ウェブページの一部しか保存できない点の3点です。
特に、①URLが写っていない場合、③ウェブページの全容がわからない場合は、証拠としてかなり不充分な状態となってしまいます。
PDFでの保存を推奨
そこでiCLaw&Content|弁護士齋藤理央が推奨しているのが、PDFでウェブページを保全する方法です。
PDFでウェブページを保存すると、①URLが写らない場合があること、②保存した日時がぱっと見てわからないこと、③ウェブページの一部しか保存できないこと、というスクリーンショットで問題になる3点がすべてクリアできます。
ウェブページのPDFでの保存方法
ブラウザ
ブラウザからなら、比較的簡便にPDF保存が可能です。
ファイルから、印刷タブをクリックし、プリンターの選択でPDF保存を選択するだけです。
ブラウザの方が保存が簡単かつ確実なので、可能であればパソコンを立ち上げて、ブラウザでPDF保存されることをお勧めいたします。
アイフォン・アイパッド
Safariでウェブページを開き、オプションで送信フォーマットをPDFにチェックし、“ファイル”に保存を選択します。
アンドロイド
アプリなどが必要になります。
ソースの保存
権利侵害ページのソースを表示して、ソースも保全しておいた方が十全です。
著作権侵害などメディアデータも保全
また、著作権侵害など画像データを初めとするメディアファイルが権利侵害に関係している場合、画像ファイルなどの当該メディアファイルも保全しておくことをお薦めしております。
ネット上の著作権侵害の基本的な証拠保全<動画コンテンツ>
ご参考までに、YOUTUBEに、インターネット上で著作権侵害が生じた場合の基本的な証拠保全の方法を動画にしてアップロードしました。
写真が無断利用されたという前提で、ウェブページ、画像データ、ウェブページソースコードをそれぞれ、PDF保存している様子を動画にしています。なお、画像ファイル自体も念のために保存しています。
このように、単純なウェブサイト上の画像無断利用については、ウェブページ、画像ファイル、ウェブページソースの3点のPDFの保全を推奨しています。
動画内で保存しているウェブページ等
画像ファイル
画像ファイルURLはこちらです。
https://i2law.con10ts.com/wp-content/uploads/2019/10/topslide6-1-1200×497.jpg