iTやコンテンツの法律/知財問題を重視する弁護士です

複数のデータの組み立て(セットアップ)が目的であり、リンクは結局、クライアントサイドでのデータ・セットアップに利用される技術手段というに過ぎないところです。

‪HTMLは、もともとテキストデータで、テキストデータを別に保存する方が有用ということで、分けて保存するデータベース技術が発達して行った経緯があると理解しています。

これに対して、元から別であることが原則であるHTMLファイルと各種メディアファイルは、如何に組み立てるか、という視点から技術が発展してきたと考えられます。

その過程で応用されたのがハイパーリンクの技術でした。

クライアントサイド・データ・オーダー

そうするとやはり、リンクを基軸にしたハイパーリンク、インラインリンクという整理は、たまたま表に出てるリンクコードを見て「あ、これ、リンクやん」と飛びついただけの整理方法で、物の見方として表層的な感じがします。‬

‪そういう整理もあって良いけど、より本質的な整理があっても有用かと思います。

そうであれば、より本質を捉えた整理の文脈では、データ結合(データセットアップ)のためのデータ召喚(オーダー)という性質に着目されるべきです。

インラインリンクと呼ばれている現象は、ハイパーリンクと対比されたり、その延長として捉えられるべきではなく、対比するのであれば、mysqliなどの、サーバーサイドのデータセットアップを目的としたデータ召喚技術ではないでしょうか。

そうすると、インラインリンクと呼ばれている現象は、データベースからのデータ召喚、「サーバーサイドデータオーダー」との対比で、「クライアントサイドデータオーダー」等と呼ぶべき文脈もあるのではないかと思います。‬

より正確に整理するのであれば、「インラインリンク」は、「データセットアップのためにハイパーリンクを利用したクライアントサイドデータオーダー」と呼ぶ方がより本質的ではないかと思います。

そして、「ハイパーリンクを利用したクライアントサイドデータオーダー」は、目的ではなく、その後の、テキストデータとメディアファイルのデータ結合(セットアップ)を目的とした手段、という事になります。

文字データ及びメディアファイルとサーバーサイドデータオーダー、クライアントサイドデータオーダーの関係

文字データはHTMLファイルと親和性が高く、サーバーからの同一ファイルとしての送信に適合的です。元々、ひとつのファイルとしてまとまっていた内容を、データ管理の利便性から保存場所を分岐させて、データベースに収容保存するようになったという経緯があります。

したがって、文字データはサーバーサイド・データ・オーダーが原則です。しかし、文字データをクライアントレベルで取得するプログラムもありますので、クライアントサイド・データ・オーダーにより文字データを召喚して、データ組み立て(セットアップ)を行なうことも可能です。また実用例も多く存在します。

これに対して画像などのメディアファイルは、元々別々にクライアントコンピューターに送信されていたファイルを、結合表示(セットアップ表示)するようになりました。

このような経緯もあって、メディアファイルはクライアントサイド・データ・オーダー(インライン・リンクと呼称される手法。)が主です。

しかし、メディアファイルもサーバーサイドでHTMLに組み入れてひとつのファイルとしてクライアントコンピュータに送信することができます。このように、メディアファイルも、サーバーサイド・データ・オーダーによって、組み立てて表示することが可能です。また、実用例も認められます。

技術と法律のいたちごっこ?

それを言って仕舞えばそこまでですが、技術の進捗をなるべくはやくフォローアップできるにこしたことはありません。それには、司法など法の運用の現場からのフィードバックも重要になってくると考えられます。

弊所弁護士においては、技術が先行する最先端のウェブ・デジタル関連紛争について、可能なかぎり、問題の本質を捉えて、主張・立証を組み立てるために、インターネット案件の処理経験や、その過程で培った知識を活かせるように努めます。

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