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医師や病院に関して、クチコミや風評被害といったトラブルが生じることがあります。iC弁護士齋藤理央は、こうしたクチコミトラブルの解決、アドバイス業務を承っておりますので、もしクチコミトラブルなどの風評被害に遭った際は、お気軽にお問い合わせください。

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    医師や病院に関するインターネット上の風評被害に関する裁判例

    病院や医師に関するインターネット上の風評被害などについていくつかの裁判例が存在します。

    東京地判令和3年3月5日・判例タイムズ1491号191頁

    東京地判令和3年3月5日・判例タイムズ1491号191頁はGoogleマップ上の口コミに対する削除請求が審理された事案です。

     同裁判例は、「原告による本件記事の削除請求は、本件記事が原告の社会的評価を低下させ、原告の名誉を毀損するものであることを前提とするものであるところ、本件記事が、原告の社会的評価を低下させたといえるかどうかは、一般の閲覧者の注意と読み方を基準として判断すべきである(最高裁昭和31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁、最高裁平成24年3月23日第二小法廷判決・裁判集民事240号149頁参照)」と述べて、最高裁判所の示している一般論を述べています。
     その上で、同裁判例は、「ウェブサイトにおける病院又は医師についての口コミは、不特定多数の患者が治療を受けるべき病院又は医師を選択するのに資する貴重な情報源であり、他方、そのような不特定多数の患者の生命、身体、健康等を預かる病院及び医師としても、口コミによる自由な批判に対してはある程度受忍すべき立場にあるものというべきである」として、病院、医師に対する口コミについて特殊性を述べて表現の自由に対する配慮を示しています。

     さらに、病院や医師に関する口コミについては、「本件記事が原告の名誉を毀損するというためには、本件記事による原告の社会的評価の低下の程度が受忍限度の範囲を超えるものであることを要すると解するのが相当である」としています。また、その判断に際しては、①「本件サイトのような口コミサイトの閲覧者は特定の記事のみならず他の記事をも閲覧していること」、②「それらの記事には肯定的な評価のものもあれば否定的な評価のものもあり得ること」、③@閲覧者はこれらの記事を総合して情報を得ていると考えられること」などを考慮事情とすべきと述べています。

    東京地判令和3年3月5日・判例タイムズ1491号191頁に対するコメント

    同裁判例は、医師、病院という公共性の強い職業に関する口コミであったことから特に表現の自由に対する強い配慮が認められた事案とも考えられます。弁護士、会計士、税理士などの専門職など消費者の利害に対する影響の大きい職業については、裁判所が同様の配慮を示す可能性もあります。

    東京地判令和4年4月21日・裁判所ウェブサイト掲載

    東京地判令和4年4月21日・裁判所ウェブサイト掲載は、「原告が、被告の評判、評価に関する投稿に対してされた投稿が、原告 の営業上の信用を害する虚偽の投稿であり、不正競争防止法2条1項21号の不 正競争に当たり、また、原告の名誉権の侵害に当たる」と主張して、被告に対して発信者情報開示を請求した事案です。この事案では、同業のクリニックがオーナーのクチコミについて、不法行為の成否が争われており参考になります。

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