不幸にして交通事故の際に負ってしまった怪我が治りきらず後遺障害として残存する場合があります。

医師に後遺障害と診断された場合、後遺障害が残存したのではないかと考える場合、まずは、自賠責保険における後遺障害保険金の支払いを請求しましょう。

自賠責保険を請求すると、損害保険料率算出機構の下部組織である調査事務所が後遺障害の有無、その等級を認定してくれます。

自動車損害賠償保障法施行令別表は下記のとおり後遺障害の等級を定めています。

そして調査事務所は下記の別表に応じて後遺障害等級の内容を認定していきます。

いずれの等級にも該当しないと判断した場合は非該当という結果になります。

たとえば、交通事故で多い受傷が頸椎捻挫・腰椎捻挫(所謂ムチウチ)です。

この頸椎捻挫・腰椎捻挫を契機に首や腰に痛みが残ってしまったり両手両足にしびれが残ってしまう場合があります。

このような症状については、神経症状として、「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)、「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)という2つの等級の設定があります。

交通事故と後遺症(後遺障害)の認定

長期間の治療を経た現在、お体に痛みが残っている、傷跡が残ってしまった、関節が前ほど曲がらなくなってしまったなどの症状が治療によって緩和したものの完全にはなくならず残存していないでしょうか。医師が、治療を経ても元通りには戻らないと判断した場合、それは、交通事故受傷に基づく後遺症ということになります。

交通事故受傷に基づく後遺症については、医師が後遺症と診断しただけでは、損害賠償の対象になりません。原則的に、医師が後遺症と診断したうえで、当該後遺症が、専門の機関や裁判所において、実際に交通事故から生じた後遺症であると認定された場合に、はじめて、損害賠償の項目となります。

厳密にいうと、後遺症が残存したとして、後遺症部分の損害賠償を交通事故の相手方や、損害保険会社に請求していくことは出来ます。しかし、最終的に保険金を支払う損害保険会社は、皆様が後遺症として主張する症状が、後遺障害として認定されていないと、損害として認めず、保険金も払おうとしません。

ここで、後遺症と、後遺障害の違いを説明しておきたいと思います。後遺症は文字通り、事故などの怪我で残存してしまった元に戻らない症状のことを指します。これに対して、後遺障害とは、交通事故に基づく後遺症として、損害保険料率算出機構が、自賠責保険金の支払い対象として認めた後遺症を指します。後遺症>後遺障害ということになります。

損害保険料率算出機構は、自賠責保険金の支払金額を調査することなどを業とする組織で、厳密には、損害保険料率算出機構が地方においている調査事務所が、皆様の後遺症を後遺障害に該当するか否か、調査することになります。調査事務所には、医学の専門家もいて皆様の後遺症に対する主治医の見解、診断書などをもとに、後遺障害として認定してよいかを検討します。

そして、各損害保険会社も損害保険料率算出機構の決定を尊重しており、損害保険料率算出機構が決定した後遺障害の認定に対しては、損害として保険金を支払うことが通常です。

さらに、損害保険料率算出機構の後遺障害等級認定は、裁判所に対しても一定の影響力を持っています。もちろん、後遺症の発生や程度を最終的に決めるのは裁判所なのですが、後遺症の発生や程度が激しく争われない限り、裁判所も後遺症の発生や程度について、損害保険料率算出機構の後遺障害等級認定を踏襲することが多く、また、後遺症の発生や程度について争われた場合でも、機構の認定は、資料として一定程度重視されることになります。

このように、交通事故損害賠償請求の実務においては、後遺症が残存した場合、原則的には、当該後遺症を後遺障害として等級認定してもらう必要があることになります。

交通事故被害に遭われ、後遺症が残存する可能性があると医師に言われた皆様へ

交通事故と後遺症(後遺障害)の認定

長期間の治療を経た現在、お体に痛みが残っている、傷跡が残ってしまった、関節が前ほど曲がらなくなってしまったなどの症状が治療によって緩和したものの完全にはなくならず残存していないでしょうか。医師が、治療を経ても元通りには戻らないと判断した場合、それは、交通事故受傷に基づく後遺症ということになります。

交通事故受傷に基づく後遺症については、医師が後遺症と診断しただけでは、損害賠償の対象になりません。原則的に、医師が後遺症と診断したうえで、当該後遺症が、専門の機関や裁判所において、実際に交通事故から生じた後遺症であると認定された場合に、はじめて、損害賠償の項目となります。

厳密にいうと、後遺症が残存したとして、後遺症部分の損害賠償を交通事故の相手方や、損害保険会社に請求していくことは出来ます。しかし、最終的に保険金を支払う損害保険会社は、皆様が後遺症として主張する症状が、後遺障害として認定されていないと、損害として認めず、保険金も払おうとしません。

ここで、後遺症と、後遺障害の違いを説明しておきたいと思います。後遺症は文字通り、事故などの怪我で残存してしまった元に戻らない症状のことを指します。これに対して、後遺障害とは、交通事故に基づく後遺症として、損害保険料率算出機構が、自賠責保険金の支払い対象として認めた後遺症を指します。後遺症>後遺障害ということになります。

損害保険料率算出機構は、自賠責保険金の支払金額を調査することなどを業とする組織で、厳密には、損害保険料率算出機構が地方においている調査事務所が、皆様の後遺症を後遺障害に該当するか否か、調査することになります。調査事務所には、医学の専門家もいて皆様の後遺症に対する主治医の見解、診断書などをもとに、後遺障害として認定してよいかを検討します。

そして、各損害保険会社も損害保険料率算出機構の決定を尊重しており、損害保険料率算出機構が決定した後遺障害の認定に対しては、損害として保険金を支払うことが通常です。

さらに、損害保険料率算出機構の後遺障害等級認定は、裁判所に対しても一定の影響力を持っています。もちろん、後遺症の発生や程度を最終的に決めるのは裁判所なのですが、後遺症の発生や程度が激しく争われない限り、裁判所も後遺症の発生や程度について、損害保険料率算出機構の後遺障害等級認定を踏襲することが多く、また、後遺症の発生や程度について争われた場合でも、機構の認定は、資料として一定程度重視されることになります。

このように、交通事故損害賠償請求の実務においては、後遺症が残存した場合、原則的には、当該後遺症を後遺障害として等級認定してもらう必要があることになります。

後遺障害の届け出

交通事故によって発生してしまった後遺症は、損害保険料率算出機構によって、後遺障害として認定されなければ、原則的に損害として賠償を得ていくことが難しいことになります。

そして、損害保険料率算出機構は、自動車損害賠償保障法にもとづいて定められたいわゆる自賠責保険の給付保険金額を算定することなどを業務としている組織です。

ところで、自賠責保険金額の給付にあたっては、自動車損害賠償保障法施行令が,後遺障害を1級から14級に分けて評価しており(同施行令別表)、等級の認定は原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行うとされています(自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準第3)。

後遺障害等級は、後遺症が残存した部位、症状に応じて細かく分類され、その程度に応じて、重たい方から1級、軽い方から14級と、14段階で評価されることになります。後遺症が後遺障害として認定されなければ、後遺症部分の損害賠償は困難になりますが、後遺障害等級認定においては、その認定等級も、今後請求して現実化する賠償額の多寡に大きく影響を及ぼすことになります。

たとえば、交通事故損害賠償示談において最も多いのは、むちうち(腰椎・頸椎捻挫)に基づく、神経症状(痛みやしびれの残存など)です。この神経症状の残存については、後遺障害等級において、基本的には12級と14級に等級が設定されており、極めて重度の場合を除いては、12級の後遺障害として認定されるか、14級の後遺障害として認定されるか、後遺障害として認定されないか、いずれかの判断が下されることになります。そして、等級認定結果によって、損害保険会社が最終的に支払う損害保険金の額にも大きく影響していくのが、通常です。

このように、後遺障害等級認定手続きは、賠償実務においてきわめて重要であることから、正確な等級が認定される様に、交通事故の受傷から、後遺症残存までの経緯を正確に、損害保険料率算出機構に伝えていく必要があることになります。

後遺障害等級認定制度概要

自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)16条の3第1項は, 「保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下「支払基準」という。)に従つてこれを支払わなければならない。」と定めています。

この,自賠法16条の3第1項を受けて発せられる告示が,「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」(以下「支払基準」という。)です。

「支払基準」は,「後遺障害による損害」の項目の冒頭で次のように述べています。

後遺障害による損害は、逸失利益及び慰謝料等とし、自動車損害賠償保障法施行令第2条並びに別表第1及び別表第2に定める等級に該当する場合に認める。  等級の認定は、原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う。

このように,自動車損害賠償保障における,後遺障害の等級認定は,後遺障害を等級別に把握しその評価を行う労働者災害補償保険上の手続きを準用して行うことが明記されています。

そして,自動車損害賠償保障における後遺障害の等級区分とその評価は,第一次的に損害保険料率算出機構の元にある各地の損害調査事務所によって,行われることになります。

このような手続きを経て認定された後遺障害の等級は,自賠責保険の保険金額の決定だけでなく,その後の任意保険会社との示談金額の交渉や,交通事故に基づく損害賠償請求訴訟の中の後遺障害の存在やその重さ,そこから算定される慰謝料や逸失利益について,参考にされる重要な資料になります(もっとも裁判所は認定された等級に拘束されるわけではありません。)。

自賠責保険における後遺障害等級認定制度

自動車損害賠償補償法第11条1項は、「責任保険の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる」と定めます(自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険)。

そして、同法13条1項は「責任保険の保険金額は、政令で定める」と規定しています。これを受けて自動車損害賠償保障法施行令2条は、以下のとおり定めています。

自動車損害賠償保障法施行令第二条

法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
一 死亡した者
イ 死亡による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき
三千万円
ロ 死亡に至るまでの傷害にそる損害につき
百二十万円

二 介護を要する後遺障害(傷害が治つたとき身体に存する障害をいう。以下同じ。)をもたらす傷害を受けた者
イ 別表第一に定める等級に該当する介護を要する後遺障害が存する場合(同一の等級に該当する介護を要する後遺障害が二存する場合を含む。)における当該介護を要する後遺障害による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき 当該介護を要する後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額
ロ 介護を要する後遺障害に至るまでの傷害による損害につき 百二十万円

三 傷害を受けた者(前号に掲げる者を除く。)
イ 傷害による損害(ロからヘまでに掲げる損害を除く。)につき
百二十万円
ロ 別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の三級上位の等級に応ずる同表に定める金額
ハ 別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の二級上位の等級に応ずる同表に定める金額
ニ 別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロ及びハに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の一級上位の等級に応ずる同表に定める金額(その金額がそれぞれの後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額を合算した金額を超えるときは、その合算した金額)
ホ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロからニまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額
ヘ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

この自動車損害賠償保障法施行令2条にいう後遺障害等級が定まらなければ、保険金額を決めることができません。

そこで、保険金額を定めるために後遺症が残存した場合は、損害保険料率算出機構が実施している後遺障害等級認定を受けて、後遺障害等級認定を受けなければなりません。

後遺障害等級

後遺障害の等級は、別途法令で定められています。すなわち後遺障害等級は、交通事故受傷により後遺症が残存した場合の損害賠償額を算定する有用な基準となり後遺障害等級は、自動車損害賠償法施行令(以下、自賠法施行令と言います。)別表第二に、一覧化されています。自賠法上の後遺障害等級は、自賠責保険金額を算定するための基準ですが、裁判所において賠償額算定にも利用しています。この自賠法上の後遺障害等級は、もとは労働基準法及び労働基準法施行規則により等級化されていました。したがって、労働基準法施行規則別表第二に一覧化された後遺障害等級と、自賠法施行令別表第二に一覧化された後遺障害等級は、ほぼ共通するものです。

後遺障害の併合加重

複数の後遺障害等級に該当する場合、どのように後遺障害に基づく自賠責保険金額、損害賠償額を算定すれば良いのでしょうか。このような問題を、後遺障害等級の併合の問題と言います。

自動車損害賠償保障法施行令2条1項柱書及び、ロ号は、併合加重のルールを賠償額の保険金額の算定を定めた条文の中で次のとおり定めています。

併合加重の参考条文

自動車損害賠償保障法施行令2条1項柱書
法第十三条第一項 の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
自動車損害賠償保障法施行令2条1項3号傷害を受けた者(前号に掲げる者を除く。)
イ 傷害による損害(ロからヘまでに掲げる損害を除く。)につき 百二十万円ロ 別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合における当該後遺障害による損害につき重い後遺障害の該当する等級の三級上位の等級に応ずる同表に定める金額ハ 別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき重い後遺障害の該当する等級の二級上位の等級に応ずる同表に定める金額ニ 別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロ及びハに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき重い後遺障害の該当する等級の一級上位の等級に応ずる同表に定める金額(その金額がそれぞれの後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額を合算した金額を超えるときは、その合算した金額)ホ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロからニまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき重い後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額ヘ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

併合加重の考え方

以上のとおり、併合加重においては、①「別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合」は、重い後遺障害のさらに3等級上位の後遺障害等級に準じて保険金額を決定します。
②「別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合」は、重い後遺障害のさらに2等級上位の後遺障害等級に準じて保険金額を決定します。
③「別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合」は、重い後遺障害のさらに1等級上位の後遺障害等級に準じて保険金額を決定します。
④それ以外の場合、例えば、14級と他の等級が併合される場合、重い後遺障害の等級に準じて保険金額が決定されます。

後遺障害等級

後遺障害等級は、交通事故受傷により後遺症が残存した場合の損害賠償額を算定する有用な基準となります。後遺障害等級は、自動車損害賠償法施行令(以下、自賠法施行令と言います。)別表第二に、一覧化されています。自賠法上の後遺障害等級は、自賠責保険金額を算定するための基準ですが、裁判所において賠償額算定にも利用しています。この自賠法上の後遺障害等級は、もとは労働基準法及び労働基準法施行規則により等級化されていました。したがって、労働基準法施行規則別表第二に一覧化された後遺障害等級と、自賠法施行令別表第二に一覧化された後遺障害等級は、ほぼ共通するものです。

別表第一 (第二条関係)

等級介護を要する後遺障害保険金額
第一級一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
四千万円
第二級一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
三千万円

備考各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。別表第二 (第二条関係)

等級後遺障害保険金額
第一級一 両眼が失明したもの
二 咀嚼そしやく及び言語の機能を廃したもの
三 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
四 両上肢の用を全廃したもの
五 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両下肢の用を全廃したもの
三千万円
第二級一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
三 両上肢を手関節以上で失つたもの
四 両下肢を足関節以上で失つたもの
二千五百九十万円
第三級一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼そしやく又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
二千二百十九万円
第四級一 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼そしやく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力を全く失つたもの
四 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
五 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両手の手指の全部の用を廃したもの
七 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
千八百八十九万円
第五級一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
四 一上肢を手関節以上で失つたもの
五 一下肢を足関節以上で失つたもの
六 一上肢の用を全廃したもの
七 一下肢の用を全廃したもの
八 両足の足指の全部を失つたもの
千五百七十四万円
第六級一 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 しやく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
四 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
五 せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
六 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
八 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
千二百九十六万円
第七級一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
三 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
四 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
五 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
六 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
七 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
八 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
九 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
十 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
十一 両足の足指の全部の用を廃したもの
十二 外貌に著しい醜状を残すもの
十三 両側のこう丸を失つたもの
千五十一万円
第八級一 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 せき柱に運動障害を残すもの
三 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
四 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
五 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
八 一上肢に偽関節を残すもの
九 一下肢に偽関節を残すもの
十 一足の足指の全部を失つたもの
八百十九万円
第九級一 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
三 両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
五 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
六 しやく及び言語の機能に障害を残すもの
七 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
八 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
九 一耳の聴力を全く失つたもの
十 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十一 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十二 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
十三 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
十四 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
十五 一足の足指の全部の用を廃したもの
十六 外貌に相当程度の醜状を残すもの
十七 生殖器に著しい障害を残すもの
六百十六万円
第十級一 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
三 咀嚼そしやく又は言語の機能に障害を残すもの
四 十四歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
五 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
六 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
七 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
八 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
十 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
十一 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
四百六十一万円
第十一級一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
四 十歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
五 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
六 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
七 せき柱に変形を残すもの
八 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
九 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
十 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
三百三十一万円
第十二級一 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 七歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
四 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
五 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
八 長管骨に変形を残すもの
九 一手のこ指を失つたもの
十 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
十一 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
十二 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
十三 局部に頑固な神経症状を残すもの
十四 外貌に醜状を残すもの
二百二十四万円
第十三級一 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
三 一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
五 五歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
六 一手のこ指の用を廃したもの
七 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
八 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
十 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
十一 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
百三十九万円
第十四級一 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
二 三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
三 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
四 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
五 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
六 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
七 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
八 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
九 局部に神経症状を残すもの
七十五万円

備考 視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。 手指を失つたものとは、おや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失つたものをいう。 手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあつては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。 足指を失つたものとは、その全部を失つたものをいう。 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあつては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

自賠責保険における後遺障害等級認定制度

自動車損害賠償補償法第11条1項は、「責任保険の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる」と定めます(自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険)。

そして、同法13条1項は「責任保険の保険金額は、政令で定める」と規定しています。これを受けて自動車損害賠償保障法施行令2条は、以下のとおり定めています。

自動車損害賠償保障法施行令第二条 法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。 一 死亡した者 イ 死亡による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき 三千万円 ロ 死亡に至るまでの傷害にそる損害につき 百二十万円 二 介護を要する後遺障害(傷害が治つたとき身体に存する障害をいう。以下同じ。)をもたらす傷害を受けた者 イ 別表第一に定める等級に該当する介護を要する後遺障害が存する場合(同一の等級に該当する介護を要する後遺障害が二存する場合を含む。)における当該介護を要する後遺障害による損害(ロに掲げる損害を除く。)につき 当該介護を要する後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額 ロ 介護を要する後遺障害に至るまでの傷害による損害につき 百二十万円 三 傷害を受けた者(前号に掲げる者を除く。) イ 傷害による損害(ロからヘまでに掲げる損害を除く。)につき 百二十万円 ロ 別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合における当該後遺障害による損害につき 重い後遺障害の該当する等級の三級上位の等級に応ずる同表に定める金額 ハ 別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき 重い後遺障害の該当する等級の二級上位の等級に応ずる同表に定める金額 ニ 別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロ及びハに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき 重い後遺障害の該当する等級の一級上位の等級に応ずる同表に定める金額(その金額がそれぞれの後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額を合算した金額を超えるときは、その合算した金額) ホ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロからニまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき 重い後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額 ヘ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき 当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

この自動車損害賠償保障法施行令2条にいう後遺障害等級が定まらなければ、保険金額を決めることができません。

そこで、保険金額を定めるために後遺症が残存した場合は、損害保険料率算出機構が実施している後遺障害等級認定を受けて、後遺障害等級認定を受けなければなりません。

「自賠責」後遺障害等級認定と医療資料取付

もし、交通事故受傷で後遺障害が残存した場合、自賠責保険の保険金額を定めるには、損害保険料率算出機構の行なっている後遺障害等級認定により後遺障害の該当性、該当する場合の等級の認定を受けなければなりません。

このとき、弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)では、後遺障害等級認定を調査する調査事務所に対して提出するための交通事故受傷に関する医療資料の取付を行ってから、全件、被害者請求するようにしています。

例えば、カルテ、レントゲンやMRIなどの画像データなどが主なものです。

後遺障害等級認定制度では、交通事故受傷から症状固定までの治療や回復の線の経過が重視されます。

そこで、治療状況を全て記録したカルテは最も重要な医療資料となります。

また、自賠責保険が定める診断書などの書式はすべてカルテから抜き出して記載された情報という位置付けになります。

そこで、診断書の記載などから線の経過が伝わりにくい際は、カルテの提出で補完していく必要が認められるケースもあります。

画像データは、被害者請求後、調査事務所から提出を求められます。したがって、画像データもカルテなどと一緒に取り付けて提出してしまうとその後の手続きがスムーズに進みます。

そこで、弊所では被害者請求前に全件カルテなどの医療記録を取り寄せて内容を検討してから後遺障害等級認定のための被害者請求手続きを行っています。

後遺障害等級認定における医療資料の点と線

交通事故後遺障害等級認定において、被害者請求をする際など、医療証拠を併せて提出することが求められる場合があります。

医療資料というと、通常カルテ(診療録)やレントゲン、CT、MRIなどの画像資料が主な資料となります。他に看護録や、受付の記録など様々な資料を病院によっては開示してくれることがあります。

特にレントゲンやCTなどの画像資料は必須です。

また、交通事故は事故時から症状固定時までの線の治療経過が重視されますので、本来後遺障害等級認定時においても診療録を取り寄せて、線の経過を把握しておくことが望ましいことになります。

なお、症状固定というのは、医師が交通事故受傷の回復の限界点と判断した時点を言います。その時点以上は、交通事故受傷は良くならないことを意味し、その時点で残存していた症状が、後遺症(後遺障害)ということになります。

事故時からどのように症状が軽快し、しかし、どこまで症状が残存したのか、線での経過が重要になってきます。

そうして線の経過を正確に伝えることが、重要で、画像資料はあくまで点での経過でしかありません。

ただし、画像資料は客観性を有する資料なので、後遺障害等級認定でも非常に重視されます。また、点も繋げば線になります。

特に自賠責保険請求の必要書式である診断書やレセプトは、自然と線の経過を表現する形式になっており、カルテがなくてもある程度の経過は把握できるようになっています。

その意味で、点の経過を客観的に根拠づける画像資料や、さらに、神経症状の医学的なテスト結果というのは重視されることになります。

弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)では後遺障害等級認定に際してカルテの全件取り付けなど線の経過を把握することを重視しています。自賠責資料よりもさらに詳細に、症状の経過を把握し、等級認定の可能性を予測しやすくすることができます。

部位別後遺障害

脊柱の運動障害

交通事故後遺障害等級認定における、脊柱の運動障害は、脊柱に著しい運動障害を残すものが後遺障害第6級の5と規定されます。また、脊柱に運動障害を残すものが、後遺障害第8級の2と規定されます (いずれも自動車損害賠償法施行令(以下、自賠法施行令と言います。)別表第二 )。

脊柱の部位

脊柱の部位は、頸部と胸腰部に区分されます。頸部では回旋が主要運動とされていますが、胸腰部では回旋が参考運動とされます。これは、頸部と胸腰部で日常動作において運動の重要性が異なるためです。

頸部の主要運動・参考運動

頸部の主要運動は、「屈曲(前屈)・伸展(後屈)」及び、「回旋」です。このように、脊柱頸部は、主要運動が複数あるため注意が必要です。

脊柱頸部の参考運動は、側屈です。

胸腰部の主要運動・参考運動

脊柱胸腰部の主要運動は「屈曲(前屈)・伸展(後屈)」です。

参考運動は、回旋と側屈です。脊柱胸腰部は、参考運動が複数あります。

脊柱の運動障害

脊柱に著しい運動障害を残すもの

頸部及び腰胸部の双方が、強直した状態をいいます。脊柱の運動障害における強直とは、主要運動において参考可動域角度の10%程度如何に制限されているなどの場合をいいます。頸部及び腰胸部双方が同水準(主要運動において参考可動域角度の10%程度如何に制限されているなどの場合)に達している必要があります。

脊柱に運動障害を残すもの

頸部及び腰胸部のいずれか一方が、主要運動において、参考可動域角度の2分の1以下に制限されている場合などを言います。例えば胸腰部の主要運動の参考可動域は、75度です。

後遺障害等級認定申請の手続き

1.申請

後遺障害等級認定は、被害者請求乃至は事前認定(の依頼)の方法で申請します。

2.異議申立(後遺障害等級認定異議申立)

申請結果に対しては異議申し立てをすることができます。異議申し立ては何度でも可能ですが、2度目の異議申し立て以降は、結果が変わることは基本的にないと言われています。したがって、異議申し立ては原則的に2回までとお考えください。また、新たな医療証拠などがなければ、結果が覆る可能性は低いことになります。

後遺障害等級認定における異議申立手続きについてより詳しくご説明します。

後遺障害等級認定は、自賠責保険金額決定・算定のための前提手続です。

仮に、自賠責保険金の支払いを請求して、後遺障害等級認定がなされなかったとき、或いは、ご自身が考える等級より軽い等級が認定された場合、再度、自身が考える後遺障害等級に応じた金額支払いを目指して、自賠責保険金の支払いを請求することができます。法律上、自賠責保険金の支払い請求に回数制限はないため、自身が納得いく後遺障害等級が認定され、その後遺障害等級に応じた自賠責保険金が支払われるまで何回でも自賠責保険金の支払いを請求することができます。但し、実際には回数を重ねるほど、それ以降の請求で後遺障害等級認定結果が覆る可能性は低いと考えられます。

実務上、この後遺障害等級認定結果に対する不服を主眼とした2回目以降の自賠責保険金の支払い請求を後遺障害等級認定結果に対する「異議申し立て」と呼びます。

このように、異議申し立て手続きは、法的には自賠責保険金の支払い請求(再請求、再々請求・・・)に他なりません。

自賠責保険金の支払い請求には回数制限はありませんが、期間制限があります。すなわち、3年の経過によって自賠責保険金支払い請求権は時効期間を迎えます(自動車損害賠償保障法19条)。もし時効間近の案件がある場合は、時効中断のための手続も存在していますので、保険会社に相談するか、場合によっては専門家へのご相談もご検討ください。

後遺障害等級認定異議申立

後遺障害等級認定における異議申立手続きについて説明します。

後遺障害等級認定は、自賠責保険金額決定・算定のための前提手続です。

仮に、自賠責保険金の支払いを請求して、後遺障害等級認定がなされなかったとき、或いは、ご自身が考える等級より軽い等級が認定された場合、再度、自身が考える後遺障害等級に応じた金額支払いを目指して、自賠責保険金の支払いを請求することができます。法律上、自賠責保険金の支払い請求に回数制限はないため、自身が納得いく後遺障害等級が認定され、その後遺障害等級に応じた自賠責保険金が支払われるまで何回でも自賠責保険金の支払いを請求することができます。但し、実際には回数を重ねるほど、それ以降の請求で後遺障害等級認定結果が覆る可能性は低いと考えられます。

実務上、この後遺障害等級認定結果に対する不服を主眼とした2回目以降の自賠責保険金の支払い請求を後遺障害等級認定結果に対する「異議申し立て」と呼びます。

このように、異議申し立て手続きは、法的には自賠責保険金の支払い請求(再請求、再々請求・・・)に他なりません。

自賠責保険金の支払い請求には回数制限はありませんが、期間制限があります。すなわち、3年の経過によって自賠責保険金支払い請求権は時効期間を迎えます(自動車損害賠償保障法19条)。もし時効間近の案件がある場合は、時効中断のための手続も存在していますので、保険会社に相談するか、場合によっては専門家へのご相談もご検討ください。

3.調停

一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構への調停申立ができます。自賠責保険・共済紛争処理機構では、後遺障害等級認定結果に対する紛争の調停を行っています。そこで、等級認定結果に納得がいかない場合は、自賠責保険・共済紛争処理機構に調停を申し立てることで、等級認定結果の見直しを図ることも、可能です。調停は一度しか利用できず、また、調停結果は調査事務所を拘束するため、調停利用後は、異議申立ができなくなります。

4.訴訟

後遺障害等級認定結果に納得がいかない場合、訴訟の中で後遺障害慰謝料や遺失利益を請求するなどして、訴訟手続きの中で等級認定結果を争うこともできます。裁判所の司法判断ですので、最終的な判断となる反面、訴訟手続きですので最も時間を要することになります。

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