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この記事は下記エントリで作成したGIFアニメーションを題材として素材となったイラストと、GIFアニメーションの関係を考察するエントリです。

https://con10ts.com/2019/06/22/gif%e3%82%a2%e3%83%8b%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b32/

素材となったイラストレーション

GIFアニメーションの素材となっているのは、上記の3点のイラストレーションです。また、目を閉じているイラストは目を開けているイラストに上位のレイヤーを被せて上書きしたものなので、目を開いている一番左のイラストのそれぞれ2次的著作物といえます。

なお、著作権法2条1項12号は「二次的著作物を、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物」と定義しています。

つまり、目を閉じている真ん中と一番右のイラストは、目を開けている一番左のイラストを、各「変形」した2次的著作物という事になりそうです。

GIFアニメーションの仕組み

GIFアニメーションの仕組みは以前、ツイッターで簡単にツイートにまとめています。

GIFアニメーションと素材の関係性

ここからが、この記事の本題になります。

この、GIFアニメーションと素材の3点のイラストは、2次的著作物の関係にたつのでしょうか。

この点、GIFアニメーション2のエントリで詳しく述べたとおり、GIFアニメーションは、素材画像の枚数や配列、フレームレートの設定で全く印象も効果も異なってきます。GIFアニメーション作成のために、素材の画像の枚数や配列、フレームレートの調整を経て自然なまばたきの感覚を表現していることから、GIFアニメーション化は、新たな創作性の付加と評価することは十分可能と考えます。

そうすると、GIFアニメーションは、素材のイラストの本質的特徴を維持したうえで、素材イラストを元著作物として、新たなアニメーション表現を付加した素材イラストの2次的著作物として成立すると言えそうです。

複製・公衆送信客体の範囲

ここでGIFアニメーションがGIFで完結しているケースは複製や公衆送信客体の情報の範囲について、単一のGIFファイルを指定すれば良いため大きく問題とはならなさそうです。

ところが、素材のイラストレーションだけをそれぞれ異なるGIF画像として保存して、CSSなどのデータでGIF画像をアニメーション制御することも容易に実施できます。

実際にもCSSにはanimationプロパティが用意され、ウェブサイト上のCSSによるアニメーション制御は予定されています。また、インターネット上にCSSによるアニメーション制御が導入されているケースも多く存在します。

このように、GIFアニメーションと同様のアニメーション制御をCSSで実施した場合、複製や公衆送信の客体は、CSSも含んだ異なるファイル間にまたがるデータ群となり得そうです。もっとも、そのデータの特定など、実務的な課題は多くありそうです。

デジタル著作権法務

このように、弁護士齋藤理央 iC法務(iC Law)は、創作活動をとおしてデジタル著作権の領域に親しんでいます。

デジタルコンテンツを巡って紛争が起きた場合や、法律的な相談がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

https://con10ts.com/2018/08/03/%e3%83%87%e3%82%b8%e3%82%bf%e3%83%ab%e8%91%97%e4%bd%9c%e6%a8%a9%e6%b3%95%e5%8b%99/
https://con10ts.com/2018/07/29/%e8%91%97%e4%bd%9c%e6%a8%a9%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%80%81%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%80%81%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%80%81%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%a1%e3%80%81it%e3%81%ae/
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