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知的財産権とは
知的財産権とは、知的財産(IP(インタラクチュアル・プロパティ))を客体として発生する権利の総称を言います。動産や不動産などの有体物ではなく、「著作物」や「発明」など、無体物を保護客体とします。
知的財産権法には、産業財産権法と、著作権法という大きな区分けをすることもできます。産業財産権法は、工業上の知的財産を保護する法制度の総称で工業所有権法とも呼ばれます。商標や意匠、発明、考案などを保護の客体としています。著作権法は学術や美術などの文化財産(著作物)を保護する法制度です。もっとも、著作権法が保護する著作物も美術工芸品やプログラムなどを含んでいます。広くビジネスに利用され、産業上の利用が主目的であり,実用品としての側面も強いプログラムが著作権法の保護下に置かれるなど、区分けはあくまで大まかなものです。
また、著作権法や特許法などの個別の法規が置かれていない、商号権(商法14条)や,肖像権(民法709条)などの知的財産権も存在します。
知的財産権における権利の発生
著作権法
著作権法は、著作権の発生に特別の方式を要求していません。したがって、著作権は著作物の発生と同時に自動的に権利者に帰属します。出願や査定などの手続きによる必要はないことになります。もっとも、権利の発生が公的機関に認定されるわけではないため、後に権利侵害などを主張して出訴した際などに、権利の発生を裁判所などにおいて主張・立証する必要が出てくる場合もあります。このとき、相手が権利の発生を争い、訴訟などにおいて権利の発生が争点化することもあります。
産業財産権法
商標法・意匠法・特許法・実用新案法等は、権利の発生に特許庁への登録手続きを要求しています。したがって、商標・意匠・発明・考案などを客体として権利登録を出願し、登録査定を経なければ、権利の発生が認められないことになります。
知的財産権の権利管理
著作権や、登録した商標権意匠権特許権などの産業財産権のライツホルダーが当事者となって、保護客体の利用許諾(ライセンス)などを軸とする契約を結び、知的財産権の有効な活用を図っていき、ひいては知的財産の社会に与える利益を最大化することが望まれます。そのために、利用許諾の条件を当事者双方納得の上で緻密に取り決め、専門家関与のもと法的に正しい表現に引き直して書面化しておくことが重要です。
権利侵害
著作権や、産業財産権が侵害された場合、民事及び刑事上の種々のサンクションが用意されています。したがって、権利を侵害された際は法律上の制裁措置を効果的に選択、実行していく必要があります。反対に著作権や産業財産権を侵害してしまった場合、民事上、刑事上の防御措置を迅速に展開し、サンクションを必要最小限のものに抑える必要があります。
取扱い知的財産権案件一覧
著作権
著作権法
著作物を保護する法制度です。著作件法は文化的所産を保護することを主な目的としています。
著作権法とは
「著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」(著作権法1条)法律で著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいうとされています。
商標権
商標保護の要件となる標章とは,「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」とされます。ロゴマークなどが分かりやすいものと思われます。このような、商標の保護について,自らロゴマークのデザイン、製作をおこなっているつくる弁護士に相談することは、つくる弁護士ならではの新たな視点をクライアントに提供することになるものと思料されます。
商標法とは
「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」(商標法1条)法律で、商標とは「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて」「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの」乃至は「業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの」(商標法2条1項)とされています。
意匠権
「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。第八条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをい」います(意匠法2条1項)。いわゆる実用品のデザインなどが意匠の一つの例といえます。意匠が保護される趣旨は,「意匠の創作を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること」にあります(意匠法1条)。
不正競争防止法・(準)パブリシティ権・不法行為法
その他,特定の行為を規定することで知的財産権を間接的に保護していたり、明確な条文がないにもかかわらず判例上認められる知的財産権も存在します。
特許法・実用新案法
いわゆる発明(「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(特許法2条1項)),考案(「自然法則を利用した技術的思想の創作をいう。 」(実用新案法2条1項))に関する保護法制です。