著作権侵害に基づく発信者情報開示請求
近年、著作権法のサイバー法の傾向が顕著になってきています。著作権法が保護する著作物は、創作から消費までがインターネットで完結するため、著作権法のサイバー法傾向はある種の必然と言えるかもしれません。その中で、著作権実務でその存在感を飛躍的に高めているのが発信者情報開示手続きです。 すなわち、インターネット上の...
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近年、著作権法のサイバー法の傾向が顕著になってきています。著作権法が保護する著作物は、創作から消費までがインターネットで完結するため、著作権法のサイバー法傾向はある種の必然と言えるかもしれません。その中で、著作権実務でその存在感を飛躍的に高めているのが発信者情報開示手続きです。 すなわち、インターネット上の...
著作権法の存在理由としてインセンティブ論と自然権論が存在しています。 インセンティブ論は、著作権の付与が創作者に創作のモチベーションを与えることをもって、著作権法の存在理由としています。すなわち、政策的に創作を奨励し、動機づけをするために著作権が与えられるという考え方です。 しかし、本当にそれだけでしょうか...
第1 著作権侵害訴訟の管轄 土地管轄 普通裁判籍 普通裁判籍は被告の住所地等である。 民事訴訟法第四条 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。 2 人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないと...
文化庁の「クラウドコンピューティングと著作権に関する調査研究報告書」で、クラウドサーバーの公衆用設置自動複製機器該当性が議論されており興味深いです。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hosei/h23_06/pdf/shir...
著作物のよって立つ単位は、どのように定められるべきでしょうか。 著作権法2条1項1号は、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を、著作物と呼び著作権法の保護客体とすることを定めています。 何が著作物のよって立つ単位であるかを巡っては、作品説と創作的表現説と...
本項では、著作権法上の変形行為を保護する変形権について概説します。 著作権法27条は「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する」と定めます。 そして、著作権法2条1項1号は、「二次的著作物」を、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色...
著作権、著作者人格権などインターネット上の知的財産権侵害を巡って、主にプロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求訴訟を通して、対立する通信の秘密との関係で、知的財産権を人権として再構成する必要が強くなっています。 ここでは、なかでもインターネット上の権利侵害が多く生じている著作権・著作者人格権などを憲法上の人...
リツイート事件について、最判後、多くの評釈や研究会で事件の振り返りがされています。 下記リンク先では、リツイート事件後の反響を受けて有用な情報や議論状況の一部をまとめています。 ここでは、リツイート事件後の議論で気になったものを取り上げています。 公衆送信権侵害について 田村教授の評釈で、インラインリンクに...
著作権法上議論も多いインラインリンクについて、当ウェブサイト上の情報を集約しています。 弊所はリツイート事件などを通じてインラインリンクと著作権法その他の諸法制との関係を検討してきました。企業や個人の方でインラインリンクの取り扱いについて法律面から疑義がある場合、紛争が発生しているなどは、弊所へのご相談もご...
令和2年7月21日最高裁判所第三小法廷は、平成30年(受)第1412号 発信者情報開示請求事件について、一審被告の上告を棄却する判決を言い渡しました。 弁護士齋藤理央は、このいわゆるリツイート事件といわれるSNS上の著作権侵害が問題となった事件について、一審から代理人を担当しました。 弁護士齋藤理央のツイッ...