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刑事弁護

刑の一部執行猶予について

一部執行猶予について 刑法の一部を改正する法律が平成28年6月1日より施行され、一部執行猶予制度が実務上運用されています。 一部執行猶予に関する改正後刑法の関連条文   (刑の一部の執行猶予) 刑法第二十七条の二 1項 次に掲げる者が三年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重及び犯人の境...

刑事弁護

刑事訴訟法の証拠と自白法則ーサイバー犯罪と自白

自白は、証拠の(女)王とも呼ばれます。犯人であればもっとも最も克明に犯行行為を把握、記憶しているはずであり、真実の自白が引き出せれば証拠価値は高いでしょう。しかし、そのことも相俟って自白偏重の捜査が横行し、刑事訴訟法は自白の取扱について厳格なルールを敷いています。 サイバー犯罪も、捜査が難しいケースも多く、...

刑事弁護

刑事訴訟法:論点:捜査7.被疑者の防御権

被疑者の防御権 ・黙秘権 ①黙秘権:「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」(憲法38条1項)。犯罪を犯した者も、自己が有罪となる供述を、国家に強制されない。なぜなら、そのような供述の強要は、被疑者、被告人の人格権を蹂躙するからである。訴訟法上は、被告人の黙秘権(311条1項)しか明示されていないが、被...

刑事弁護

刑事訴訟法:論点:捜査6.供述証拠

供述証拠 ①取調受忍義務:身体拘束中の被疑者には、取調受忍義務が認められる(198条1項ただし書反対解釈)。 注1)黙秘権を侵害するとして取調受忍義務を否定する見解があるが、文理上無理である。 ②余罪取調べ:身体拘束中の被疑者には取調受忍義務が生じる(198条1項ただし書反対解釈)。この取調受忍義務は、逮捕...

刑事弁護

刑事訴訟法:論点:捜査5.近代的捜査

科学的捜査 ①写真撮影:証拠としての写真には、現場写真、再現写真などがある。このうち、犯行ないし、その間近の様子を撮影する行為は、現場写真の撮影行為ということになるが、捜査として許容されるのだろうか。個人の肖像権(憲法13条)侵害を伴うため問題となる。しかし、肖像権も絶対無制約でなく、捜査員が捜査として写真...

刑事弁護

刑事訴訟法:論点:捜査2.逮捕・勾留

被疑者の逮捕・勾留 ・逮捕及び勾留 ①通常逮捕の要件:捜査官は、令状による司法審査を経ない限り、逮捕を行えない(刑訴法199条1項)。司法審査は、裁判官が、逮捕の理由を満たしているかを判定することで、行う(199条2項)。裁判官は、明らかに逮捕の必要性がない場合は、請求を却下しなければならない(規則143条...

刑事弁護

刑事訴訟法:論点:伝聞法則5.伝聞例外4:同意

①同意の性質:当事者が「同意した書面又は供述は…証拠と…できる」(刑訴法326条)。この趣旨は、証拠に対する当事者の処分権を認め、証拠能力を付与する訴訟行為を認めた点にある(証拠能力付与説)と解する(実務)。 ②原供述者尋問請求の可否:当事者が同意した場合、伝聞証拠の原供述者に対する証人尋問請求は認められる...