著作権法上議論も多いインラインリンクについて、当ウェブサイト上の情報を集約しています。
弊所はリツイート事件などを通じてインラインリンクと著作権法その他の諸法制との関係を検討してきました。企業や個人の方でインラインリンクの取り扱いについて法律面から疑義がある場合、紛争が発生しているなどは、弊所へのご相談もご検討ください。
目次
- 1 インラインリンクについて
- 2 インラインリンクを巡る法律問題のご相談窓口
- 3 インラインリンクに関するエントリ
- 4 Web Components(ウェブコンポーネント)と著作権法上の論点
- 5 判例解説「リツイート事件最高裁判決」について
- 6 『リツイート事件』が残したもの-最判後の議論状況-
- 7 インコーポレーションに同一性保持権侵害を認めた2つの知的財産高等裁判所裁判例
- 8 Twitterプロフィール画像事件控訴審判決ー著作権・発信者情報開示裁判例紹介
- 9 リンクと著作権
- 10 インラインリンクの仕組み
- 11 インラインリンクについて
- 12 米国サーバーテストと日本の著作権法
- 13 インラインリンクによる人格権侵害を含んだ案件でキュレーションメディアと和解成立
- 14 インラインリンクのデータ統合作用の性質を巡る著作権法解釈の論点−包含(収録)著作物と被包含(被収録)著作物の関係について
- 15 インラインリンクに代表される画像の統合表示に著作権法28条を介して著作権が直接及ぶ場合
- 16 インラインリンクと著作権法上の論点
- 17 [ペンギンパレード事件]インラインリンクについて著作権幇助侵害が認められた事案
インラインリンクについて
経済産業省は、電子商取引及び情報財取引等に関する準則(令和元年12月・経済産業省)第141頁において、インラインリンクを下記のとおり定義しています。
「インラインリンク」とは、ユーザーの操作を介することなく、リンク元のウェブページが立ち上がった時に、自動的にリンク先のウェブサイトの画面又はこれを構成するファイルが当該ユーザーの端末に送信されて、リンク先のウェブサイトがユーザーの端末上に自動表示されるように設定されたリンクをいうものとする。
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191219003/20191219003-2.pdf
このインラインリンクは自動表示のための準備行為と理解できます。また、準備行為はデータURLスキームなどインラインリンクとの代替技術も存在しているというのが弊所の理解です。そこで、弊所では現在、インラインリンクやデータURLスキームで実現される端末上のメディアを組み込んだ自動表示(インコーポレーション(欧州ではエンベディングとも))について、著作権法上どのように評価するかこそが問題の本質という理解へ変遷しています。
なお、インラインリンクを自動表示まで含んだ概念と定義するのであれば、自動リンク(オートマティックリンク(欧州最高裁法務官意見参照))とインコーポレーション(エンベディング(同法務官意見))に分解し、双方を含む概念として整理することも考えられます。あるいは、インラインリンクを上記の意味におけるオートマティックリンクと同義の受信装置におけるデータの受信までの事象に限定することも考えられます。重要なのは、準備行為としてのリンクと、その後の受信装置での自動表示(の際のデータの統合(インコーポレーション))を分けて考察することではないかと考えています。
インラインリンクを巡る法律問題のご相談窓口
インラインリンクに関するエントリ
インラインリンクに関する弊所の情報発信をまとめています。疑問の点はこちらに記載がある場合もありますので、もしよろしければ、こちらもご参照ください。