ハイスコアガール事件は、ゲームキャラクターを漫画内に無断利用したとして紛争に発展したケースです。事案は、急転直下企業買収に起因した和解で幕を閉じました。
ハイスコアガール問題和解成立
株式会社SNKプレイモアと株式会社スクエア・エニックスが、ハイスコアガール問題で和解に達したと発表しました※1。
SNKのプレスリリースはこちらです※2。スクエア・エニックスのプレスリリースはこちらです。
プレスリリースの内容も、両社でほとんど齟齬がありませんので,両社で協議したうえであらかじめ内容を決めていたようです。
和解内容は、①刑事告訴の取下げ、②民事訴訟の取下げ、③ハイスコアガールの出版継続という3点です。実際には金銭のやり取りなど公表されていない和解条項も多々あると思料されます。現時点で公表されているのは、上記3点です。
②民事訴訟の取下げが和解内容に含まれていることから、訴訟外で和解成立となったようです。つまり、裁判外で、裁判所の関与がない中で、両社の代理人が協議して、和解成立に至ったという経緯のようです。
また、SNKの親会社(になったばかり)のLedo Millennium Co., Ltd.を含めた3社での協業関係が示唆されています。Ledo Millennium Co., Ltdは、中国のオンラインゲーム企業である37GAMESの子会社のようです。今月初旬にSNKプレイモアの株式80%以上を取得して、SNKプレイモア買収を発表していました。
おそらく、今回の和解もLedo(乃至は37GAMES)の意向によるものとの推測があるようです。スクエア・エニックスと争訟状態を継続するより、友好的な関係を築いていく方がメリットが大きいとの考えでしょう。
訴訟問題から解放されたスクエア・エニックスとハイスコアガールですが、今後同作が連載再開されるかは、スクエア・エニックスの発表を待つ必要があるものと考えられます※3。
※1 当エントリは、旧サイトからの移植記事であり、当初は和解発表当時に書かれた記事でした。
※2 当初プレスリリースが公開されていたページへのリンクは現在リンク切れとなっています。
※3 その後無事連載再開となり、作品は連載終了、完結しています。
キャラクターの無断利用と紛争
その他に、キャラクターの無断利用を巡る紛争として著名な事件のひとつにマリカー事件やポパイキャラクター事件があります。
キャラクター保護法務
弊所では、キャラクターに関する法律事務を提供しています。