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個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)は、「高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」法律です(個人情報保護法1条)。

個人情報とは

個人情報保護法においては、個人情報の定義規定がおかれています。

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの

個人情報の保護に関する法律2条1項

平成31年 3月18日最高裁第一小法廷判決・集民 261号195頁

(1) 法は,個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み,個人情報の適正な取扱いに関し,個人情報取扱事業者の遵守すべき義務等を定めること等により,個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することを目的とするものである。法が,保有個人データの開示,訂正及び利用停止等を個人情報取扱事業者に対して請求することができる旨を定めているのも,個人情報取扱事業者による個人情報の適正な取扱いを確保し,上記目的を達成しようとした趣旨と解される。このような法の趣旨目的に照らせば,ある情報が特定の個人に関するものとして法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるか否かは,当該情報の内容と当該個人との関係を個別に検討して判断すべきものである。  したがって,相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても,そのことから直ちに,当該情報が当該相続財産を取得した相続人等に関するものとして上記「個人に関する情報」に当たるということはできない。   

(2) 本件印鑑届書にある銀行印の印影は,亡母が上告人との銀行取引において使用するものとして届け出られたものであって,被上告人が亡母の相続人等として本件預金口座に係る預金契約上の地位を取得したからといって,上記印影は,被上告人と上告人との銀行取引において使用されることとなるものではない。また,本件印鑑届書にあるその余の記載も,被上告人と上告人との銀行取引に関するものとはいえない。その他,本件印鑑届書の情報の内容が被上告人に関するものであるというべき事情はうかがわれないから,上記情報が被上告人に関するものとして法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるということはできない。

平成31年 3月18日最高裁第一小法廷判決・集民 261号195頁

このように個人情報とは、大枠として、「個人に関する情報」であり、その情報のなかに、特定個人を識別し得る記述等が含まれている情報群を言います。

このように、個人を識別するに足る情報が含まれた情報群は、個人情報保護法にいう個人情報に該当することになるため、個人を識別するにたりない情報であっても、識別するに足る情報と同時に存在する個人に関する情報は、個人情報に含まれることになる点に注意が必要となります。

個人情報データベース等

個人情報に該当する情報を体系的に構成したもので、電子計算機を用いて検索できるようにするか、その他の手法(一定の規則に基づく整理がされその他検索を容易にするためのものを有する方法)を用いて容易に検索できるものを、個人情報データベースと言います。

この法律において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるもの(利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう

一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの

二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの

個人情報の保護に関する法律第2条4項


1 法第二条第四項の利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものは、次の各号のいずれにも該当するものとする。


一 不特定かつ多数の者に販売することを目的として発行されたものであって、かつ、その発行が法又は法に基づく命令の規定に違反して行われたものでないこと。


二 不特定かつ多数の者により随時に購入することができ、又はできたものであること。


三 生存する個人に関する他の情報を加えることなくその本来の用途に供しているものであること。


2 法第二条第四項第二号の政令で定めるものは、これに含まれる個人情報を一定の規則に従って整理することにより特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した情報の集合物であって、目次、索引その他検索を容易にするためのものを有するものをいう。

個人情報の保護に関する法律施行令第3条(個人情報データベース等)

個人データ

個人情報データベースを構成する個々の個人情報は、個人情報保護法上、「個人情報」であるとともに、「個人データ」にも該当することになります。

この法律において「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいう。

個人情報の保護に関する法律第2条6項
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