I2練馬斉藤法律事務所

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支払いが肯定された裁判例

平成30年 4月23日東京地裁判決(平27(ワ)33669号 保険金請求事件)は、「原告が,被告との間で海外旅行保険契約を締結した上でミャンマー連邦共和国(以下「ミャンマー」という。)に渡航し,滞在先のホテルの客室において,就寝中にベッドから転落して左手を床に突き,これによって左手関節の可動域角度が2分の1以下に制限されるなどの後遺障害が生じたと主張して,被告に対し,同海外旅行保険契約に基づき,後遺障害保険金780万円及びこれに対する約定の支払期日の翌日である平成27年8月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め」た事案で、「600万円及びこれに対する平成27年8月18日から支払済みまで年5分の割合による金員」の支払いを認容した事例です。

海外旅行中の傷害については、事故の発生が証拠に残り難く、争点になる場合があります。上記裁判例で保険会社は、同様に事故の発生を争いました。すなわち、保険会社は、「原告がミャンマー滞在中に医療機関を受診せず,また,被告の「海外メディカルヘルプライン」に連絡をしなかった点を指摘して,本件事故は架空のものである疑いがあると主張」しました。

しかし,この事例においては、裁判所は、「一般に,海外で受傷した場合に,その直後の痛みが強くなく,かつ,帰国が数日後に予定されているようなときは,現地の医療機関の受診を見送り,しばらく様子を見ることにして,それでも痛みが消えないようであれば帰国後に日本の医療機関を受診すればよいと考えることはごく自然なことである」と判示しています。

外来の事故

海外旅行傷害保険などでは、外来の事故などが保険事由とされています。

平成30年 1月18日名古屋地裁判決(平26(ワ)2508号 保険金請求事件)は、外来の事故とは,その文言上,被保険者の身体の外部からの作用(以下,単に「外部からの作用」という。)による事故をいうものであると解されると判示しています。最高裁平成19年(受)第95号同年7月6日第二小法廷判決・民集61巻5号1955頁が、参照判例とされています。

免責事由の立証について

また、海外旅行傷害保険などでは、一定の免責事由が定められています。

上記裁判例で名古屋地裁は、「傷害後遺障害保険金の免責事由として,被保険者の脳疾患,疾病又は心神喪失によって生じた傷害については傷害後遺障害保険金を支払わない旨の規定を置いていること(前提事実(2)ケ)からすれば,本件傷害がBの疾病を原因として生じたことに関しては,被告が主張,立証すべき責任を負うというべきである(最高裁平成19年(受)第95号同年7月6日第二小法廷判決・民集61巻5号1955頁参照)」と判示し、免責事由の立証責任を保険会社に負担させています。

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