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家電リサイクル法の名で知られている「特定家庭用機器再商品化法」は、特定家庭用機器廃棄物について、再商品化(リサイクル)のルールを定めています。

特定家庭用機器廃棄物とは

特定家庭用機器廃棄物は、特定家庭用機器再商品化法施行令第1条が定めています。

すなわち、 特定家庭用機器廃棄物は ①ユニット形エアコンディショナー ※1 (ウィンド形エアコンディショナー又は室内ユニットが壁掛け形若しくは床置き形であるセパレート形エアコンディショナーに限る。)②テレビジョン受信機(ブラウン管式のもの,液晶式のもの及びプラズマ式のもの),③電気冷蔵庫及び電気冷凍庫,及び④電気洗濯機及び衣類乾燥機をいいます。

※1 エアーコンディショナーとは、所謂「エアコン」のことです。

特定家庭用機器再商品化法2条4項 

この法律において「特定家庭用機器」とは、一般消費者が通常生活の用に供する電気機械器具その他の機械器具であって、次の各号のいずれにも該当するものとして、政令で定めるものをいう。
一 市町村等の廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らし当該機械器具が廃棄物となった場合におけるその再商品化等が困難であると認められるもの
二 当該機械器具が廃棄物となった場合におけるその再商品化等が資源の有効な利用を図る上で特に必要なもののうち、当該再商品化等に係る経済性の面における制約が著しくないと認められるもの
三 当該機械器具の設計又はその部品若しくは原材料の選択が、当該機械器具が廃棄物となった場合におけるその再商品化等の実施に重要な影響を及ぼすと認められるもの
四 当該機械器具の小売販売(事業者への販売を含み、販売を業として行う者への販売を除く。以下同じ。)を業として行う者がその小売販売した当該機械器具の相当数を配達していることにより、当該機械器具が廃棄物となったものについて当該機械器具の小売販売を業として行う者による円滑な収集を確保できると認められるもの


特定家庭用機器再商品化法2条5項 

この法律において「特定家庭用機器廃棄物」とは、特定家庭用機器が廃棄物となったものをいう。

特定家庭用機器再商品化法施行令第1条 

特定家庭用機器再商品化法(以下「法」という。)第二条第四項の政令で定める機械器具は、次のとおりとする。
一 ユニット形エアコンディショナー(ウィンド形エアコンディショナー又は室内ユニットが壁掛け形若しくは床置き形であるセパレート形エアコンディショナーに限る。)
二 テレビジョン受信機のうち、次に掲げるもの
イ ブラウン管式のもの
ロ 液晶式のもの(電源として一次電池又は蓄電池を使用しないものに限り、建築物に組み込むことができるように設計したものを除く。)及びプラズマ式のもの
三 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫
四 電気洗濯機及び衣類乾燥機

特定家庭用機器廃棄物廃棄のルール

家電リサイクル法は特定家庭用機器廃棄物について、直接消費者に製造業者などへの引き渡し義務を課しているわけではありません。

家電リサイクル法は直接的には製造業者や廃棄事業者を拘束する行政と事業者の関係を規律する法律です。

しかし、製造業者に再商品化が義務付けられ、リサイクルが要求されることから各地方自治体は特定家庭用機器廃棄物について、廃棄物の回収を行わないことになります。

また、各地方自治体の条例で、市民に直接特定家庭用機器廃棄物の収集業者などへの引き渡し義務を定めている例があります。

例えば「中央区廃棄物の処理および清掃に関する条例」第11条2項は以下のとおり定めて特定家庭用機器廃棄物の処理を行わないことを宣明するとともに、同条例12の2条で、中央区民に対しても業者などへの引き渡し義務を定めています。

中央区廃棄物の処理および清掃に関する条例 第11条1項 区長は、家庭廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、およびこれを運搬する等、適正に処理しなければならない。

同条例11条2項  前項の規定にかかわらず、区長は、家庭廃棄物のうち特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。以下「再商品化法」という。)第2条第5項に規定する特定家庭用機器廃棄物(以下「特定家庭用機器廃棄物」という。)の処理を行わないことができる。

同条例12条の2 区民および事業者は、特定家庭用機器廃棄物を排出する場合にあっては、再商品化法の規定に基づき、特定家庭用機器廃棄物の収集もしくは運搬をする者または再商品化等(再商品化法第2条第3項に規定する再商品化等をいう。)をする者に引き渡さなければならない。

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