北潟湖
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北潟湖

福井県あわら市、あわら温泉街の北3KM程度の地点に、北潟湖という湖があります。北潟湖は、水深3メートルくらいの浅い湖ですが、汽水域と淡水域を併せ持ち、生息する魚の種類が豊富です。また、魚を目当てに集まってくる野鳥の観察もできるようです。冬には、コハクチョウも飛来するとか。2万年前にできた谷に、6000年前に水が溜まったという成り立ちのかなり歴史の古い湖です。
北潟湖と重要湿地指定
北潟湖は、環境省より重要湿地(生物多様性の観点から重要度の高い湿地)に指定されています。
北潟湖は、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 (昭和五五・九・二二 条約二八) 注 平六・四・二九条約改正)における湿地には指定されていませんが、重要湿地はラムサール条約湿地を指定する候補を選定するという意味合いも兼ねていました。
ラムサール条約2条1項は、「各締約国は、その領域内の適当な湿地を指定するものとし、指定された湿地は、国際 的に重要な湿地に係る登録簿(以下「登録簿」といい、第八条の規定により設けられる 事務局が保管する。)に掲げられる。湿地の区域は、これを正確に記述し、かつ、地図上 に表示するものとし、また、特に水鳥の生息地として重要である場合には、水辺及び沿 岸の地帯であつて湿地に隣接するもの並びに島又は低潮時における水深が六メートルを 超える海域であつて湿地に囲まれているものを含めることができる」と定めます。
福井県でラムサール条約に指定されている湿地は、中池見湿地(なかいけみしっち)(所在地:福井県 敦賀市)及び、三方五湖(みかたごこ)(所在地:福井県 若狭町・美浜町)の2湿地です。
北潟湖畔公園とあわら市公園条例

北潟湖畔には、湖畔公園という公園があり、駐車設備も充実しています。湖畔公園という名前のとおり、駐車場から湖畔を歩く遊歩道に直結しています。また、ボートの貸し出しや、自転車の貸し出しも行っており、湖面でボートを漕いだり、自転車で湖畔を散策することができるようです。
北潟湖畔公園はあわら市公園条例※で、都市公園に指定されています。また、同条例は、都市公園以外の公園として、「北潟湖畔花菖蒲園」を指定しています。
※あわら市公園条例は、「都市公園法(昭和31年法律第79号。以下「法」という。)その他法令に定めるもののほか、都市公園及び都市公園以外の公園(以下「都市公園等」という。)の管理等に関し必要な事項を定める」条例(同条例1条)です。
都市公園法と占有許可
このように、都市公園は都市公園法に基づいて設置されています。
例えば、「都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければな」りません(都市公園法6条1項)。
そして、公園管理者は、※1「に該当する者に対して、この法律の規定によつてした許可若しくは認定を取り消し、その効力を停止し、若しくはその条件を変更し、又は行為若しくは工事の中止、都市公園に存する工作物その他の物件若しくは施設(以下この条において「工作物等」という。)の改築、移転若しくは除却、当該工作物等により生ずべき損害を予防するため必要な施設をすること、若しくは都市公園を原状に回復することを命ずることができ」(都市公園法27条1項)、※2「に該当する場合においては、この法律の規定による許可又は認定を受けた者に対し、前項に規定する処分をし、又は同項に規定する必要な措置を命ずることができ」ます(同条2項)。
このように都市公園の占有許可などを巡って行政と折衝が必要な場合なども発生し得ます。その場合、行政法務の範疇として交渉などを行うことが考えられます。
※1(都市公園法27条1項各号)
一 この法律(前条を除く。以下この号において同じ。)若しくはこの法律に基づく政令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反している者
二 この法律の規定による許可に付した条件に違反している者
三 偽りその他不正な手段によりこの法律の規定による許可又は認定を受けた者
※2(都市公園法27条2項各号)
一 都市公園に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合
二 都市公園の保全又は公衆の都市公園の利用に著しい支障が生じた場合
三 前二号に掲げる場合のほか、都市公園の管理上の理由以外の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合

北潟湖の景観
湖だけあって、かなり広い範囲に水面があり、背景には風車がくるくると回っている景色は一見の価値ありです。駐車場も完備されていますし、あわら湖や東尋坊などからも近いので、東尋坊観光などの前後に寄ってみるのも、一案になりそうです。周囲に広がる田園風景がまた最高で、ドライブの目的地として少し足を延ばす分には最適の選択肢のひとつとなるでしょう。

北潟湖と遊漁規則
前述のとおり、魚の種類は豊富で、コイ、フナ、ウナギ、ブラックバスなどが生息しており、淡水釣りのメッカとしても有名な湖のようです。
なお、北潟湖にも、福井県内における内水面に係る共同漁業権(内共第 16 号第五種共同漁業権)が設定されています。これを受けて、特定の魚種については、「北潟漁業協同組合内共第 16 号第五種共同漁業権遊漁規則」に基づく、遊漁料の支払い等が義務付けられています。