著作権関連業務

著作権とは

著作権法が定める「思想又は感情を創作的に表現したもの」である著作物(著作権法2条1項1号)を客体として成立する知的財産権と呼ばれる法的権利です。狭義には支分権として定められた各種権利の束と表現されますが、広義には著作者人格権や隣接権を含んだ幅広い概念です。

著作権法

著作権を保護することなどを通して、「著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」法律です(著作権法1条)。

イラスト、写真、動画、映像、文章、音楽などあらゆる文化活動の産物を客体として保護するのが著作権法です。著作権は作品を創作することで成立し、目に見えない権利として保護されています。

著作権を媒介に適正な契約を締結し、また、著作権を侵害された場合、侵害してしまった場合、交渉や訴訟を通してなるべく平和的に紛争を解決する必要があります。そうした契約問題紛争解決について法律相談をとおしてまずは専門家の意見、アドバイスを聞いてみましょう。解決の糸口が見えてくるかもしれません。

クリエイトなどコンテンツの実践をとおしてコンテンツの理解を深め、創作や創作の商業利用と法律の問題を重視するiC弁護士齋藤理央は、創作をダイレクトに保護する著作権法を重点業務分野としています。

著作権の問題で相談できる弁護士をお探しの際は、弊所へのご相談もご検討ください。

    インターネットの権利侵害の場合サイトやSNSアカウントのURLをご記載ください(任意)

    ※ファイル添付の場合など直接メールをしたい場合は、メールアドレス 『  infoアットマークns2law.jp  』 までご連絡頂くことも可能です。送信の際、アットマークを@に変換してください。

    取扱業務

    伝統的な著作権法及びデジタル著作権法分野の各種訴訟・交渉・契約・法律調査・法律相談・鑑定・意見書などの各種業務を取り扱っています。

    デジタル著作権法務

    インターネットの発達に伴い、急速にサイバーの性格を強める著作権法。iC弁護士齋藤理央はウェブサイトの自作など、インターネット上のコンテンツ表現の舞台であるウェブサイトへの理解を基礎に、デジタル著作権法務に対応しています。

    著作権が保護する著作物は、情報の閲覧自体によって利益を享受できます。このとき、他の知的財産のように、アイディアにしたがった実施などの行為が介在しないため、情報伝達媒体であるウェブ、インターネットを通して、より直接的に権利者と利用者の利害対立が生じます。著作物の創作過程がデジタル化され、伝達媒体がウェブやスマートフォンアプリケーションに変容しつつある今、著作権法・著作権法実務もまた、IT法・デジタル紛争分野に変容しつつあります。弁護士齋藤理央は、ITと著作権の交錯する法律問題について、知財専門部での訟務経験を複数有する等、デジタル著作権分野に幅広く対応経験があります。著作権とITの問題でお困りの際はお気軽にご相談ください。

    ウェブ・インターネットでの権利侵害(無断転載問題)

    無断転載など、ウェブ・インターネットでの著作権侵害事案が増えています。こうしたインターネット上の著作権侵害事案は、基本的に犯人(加害者(以下、発信者と言います。))が匿名のケースが少なくありません。そのようなケースについて匿名の発信者を特定する部分から事件を受任して対応しています。

    発信者情報開示などを経て(或いは別の方法で)、発信者を特定できた場合、発信者に対する損害賠償請求、差止請求などの任意交渉を仕掛け、更に合意に至らない場合法的措置を講じてい行く必要があります。

    任意のもの、訴訟対応など、弁護士齋藤理央は幅広く対応実績がありますので、発信者の特定も含めてまずは御相談ください。

    著作物の創作、利用はすごいスピードでデジタル移行しています!

    インターネット上の無断転載等に対する発信者情報開示

    まずは、著作権を侵害する侵害情報を示し、発信者を特定するための発信者情報開示請求を任意、あるいは法的手続きを通してプロバイダなど通信事業者に請求しなければなりません。著作権侵害の際の侵害情報の特定など、弁護士齋藤理央は無断転載問題の黎明期から訴訟対応などの対応実績があります。

    このようにインターネット上の著作権侵害には多く、著作権侵害者(発信者)の特定の問題が伴います。

    インターネット上の著作権紛争の特徴

    iC弁護士齋藤理央が特に多く手掛けるのは、著作権トラブルの解決です。著作権の侵害事案、特にインターネットでの著作権侵害について専門的な事案を含めて対応実績があります。

    発信者の特定から、損害賠償請求まで、弁護士に一任頂けます。また、インターネット上の著作権の侵害状況などに応じて、柔軟な報酬体系を適用できます。

    まずは、インターネット上で著作権侵害が起こっている場合、お気軽にご相談ください。

    インターネット上の著作権侵害は、発信者の特定から対応が必要になるなど、少し特殊な処理が必要になる場合もあるぞう。

    デジタル著作権を巡る契約問題

    インターネット上での著作権利用などウェブ・インターネットを巡る著作権利用については、Webサイトやインターネットなどの技術的な知識も望まれるケースがあります。また、インターネットにおける配信状況なども詳しいに越したことはありません。iC弁護士齋藤理央は、そうした周辺知識も活用してデジタルにおける著作物利用や著作権譲渡などの各種契約問題利用規約などを作成、確認するなど契約関連法務を提供しています。

    著作権トラブルの解決(交渉・訴訟などの紛争対応業務)

    著作権を第三者に侵害された、あるいは侵害してしまった場合などの著作権を巡るトラブルについて幅広く対応経験があります。

    iC弁護士齋藤理央は、クリエイトを直接保護する著作権トラブルの解決を多く取り扱っています。自身の創作した著作物の著作権を侵害された場合、あるいは、著作権の侵害について警告書、請求書が来た場合など、お気軽にご相談ください。

    著作権訴訟

    弁護士齋藤理央は、著作権に関する訴訟の経験が複数あります。避けられる訴訟、メリットの少ない訴訟は避けるべきですが、避けられない訴訟もあります。紛争解決の最終手段について経験を有しているからこそ、見える紛争解決への道筋もあります。

    警告書・回答書の作成、送付

    著作権を侵害した相手方に警告書を発送し、また、届いた警告書に対して適正に回答する回答書を作成する必要があります。こうした警告書や回答書の作成、発送を承ることができますので、お気軽にお問合せください。

    交渉

    警告書や回答書のやり取りの後、具体的に示談できるかどうか、できる場合は条件面について双方が納得いく妥協点を探って交渉を進めていくことになります。

    著作権トラブルの類型について

    著作権トラブルは、契約関係のない当事者同士の紛争と、契約のある当事者同士の紛争に大別できます。

    契約関係のない当事者同士の権利侵害問題

    契約関係のない第三者の著作権、著作者人格権を侵害した、または契約関係のない第三者に著作権などを侵害されたという場合です。著作権争訟において最も多い争訟類型と考えられます。

    権利の帰属

    権利の帰属がきちんと合意されていない場合など、契約関係にはあるもののその契約書がないなど契約関係が明確でない場合に、権利の帰属をめぐり争訟となる場合があります。

    お互いに著作権の帰属に関する認識が異なることにより、どのような利用が許され、どのような利用が許されないか認識に齟齬が生じ、無断利用などの主張がされ紛争に発展するケースがございますので、著作権については契約書段階から専門家の関与を推奨いたします。

    労働・下請け問題

    雇用関係や請負関係にある当事者間の著作権トラブルです。契約関係のある当事者間の著作権トラブルとしては最も多い事件類型の一つです。

    伝統的な著作権紛争

    出版やDVDなど主にメディアを通して流通することが多い伝統的な著作権分野も対応実績がございますので、お気軽にお問い合わせください。

    著作権トラブルの予防

    著作権トラブルの解決経験から巻き戻した著作権トラブルの予防法務をご提供します。コンテンツの配信に関して注意すべき点から、権利侵害の予防や著作権侵害を発見しやすくする方法などアドバイスが可能です。

    著作権契約

    著作権の譲渡契約、利用許諾契約、出版権設定契約など、著作権を巡る合意の形成、形成された合意の書面化、合意書面の内容確認などについて、お手伝いすることができます。

    契約・法律調査・リーガルアドバイス・鑑定など、リーガルサービスの真髄は事務弁護士業務にあり!

    コンテンツの実践と著作権法務

    iC弁護士齋藤理央は、事務所PRキャラクターや、物語形式のデジタルエンターテイメントコンテンツを自作し、ストーリー、イラスト、コーディングをすべて手掛けるなど、コンテンツを実践しています。コンテンツの実践は、クリエイト(創作)活動及びその成果物たるコンテンツ(著作物)の理解を深めることにつながり、案件処理にもフィードバックされます。

    ばぶぶあうう
    (少しユニークなコンセプトだね。)

    著作権を巡る情報発信

    以下のとおり著作権を巡る幅広い情報発信をしていますので、ご確認ください。

    音楽・演奏の保護法務

    音楽・演奏の保護を巡る法律問題 音楽は、著作権法によって3種類の権利で保護されます。まず、作曲された音楽そのものが著作物として著作権法を付与され保護されます。また、音楽の演奏も別に著作隣接権としてして保護され、またレコードの音の固定が原盤権として保護されることになります。 このように音楽を巡る著作権法の保護...

    キャラクター関連法務

    専門家関与のもと、キャラクターを巡る紛争の発生を予防し、発生してしまった紛争を早期に解決しなるべくビジネスへの影響を少なくすることができます。 iC弁護士齋藤理央はキャラクターを自身の運用するコンテンツメディアに活用するなどキャラクターについて法律知識に留まらない知見を有する弁護士です。 目次1 キャラクタ...

    アイキャッチ画像へのキャラクターの映り込み

    この記事のアイキャッチに利用している画像にはたまたまキャラクターの映り込みがあります。このことはキャラクターの著作権を侵害し違法なのでしょうか。 すなわち、上記の写真の神谷町下に、キャラクターの印刷された写真パネルがあります。この写真は、道の駅朝霧高原の雰囲気や、バックに富士山が写っている写真を撮りたくて撮...
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    YouTubeでの無断転載など著作権トラブル対応

    Youtubeは、動画投稿プラットフォームです。しかしながら、動画の中に第三者の写真、イラスト、漫画、映像、音楽を無断で入れ込むなど、著作権侵害などの無断転載が横行しています。 このようなYouTube上の著作権侵害に対して弁護士を介入することでプロバイダや相手方と直接やりとりすることなくスムーズに対応を進...

    エンターテイメント契約法務

    エンターテイメント作品を制作、世に提供する際に様々な契約が必要になります。こうしたエンターテイメント事業を巡る契約書を総称してここではエンターテイメント契約法務と呼んでいます。 弁護士齋藤理央はエンターテイメント契約に関する法的助言、契約書の作成・確認、契約を巡るトラブル対応などの各種業務を取り扱っておりま...

    著作権契約

    著作物を客体として成立する著作権の譲渡、利用許諾などを巡って契約をおこなうとき、法律専門家に契約書の作成、確認などを依頼し、無用な紛争を避ける可能性を高めることが出来るというメリットがあります。 弁護士齋藤理央は、著作権問題を重視しています。著作権と契約の問題について法的アドバイス、契約書の作成・確認などの...

    インターネット上の知的財産権侵害

    知的財産権は、情報の上に成立する財産権です。そこで、現代における重要な情報流通経路であるインターネット上で直接侵害されることの最も多い財産権と言えます(インターネット詐欺など間接的な財産権侵害は一般的な財産に対しても生じます。)。 著作権侵害をはじめとして、商標権侵害、不正競争防止法違反、パブリシティ権侵害...

    同一性保持権

    目次1 同一性保持権の内容2 改変行為3 ときめきメモリアル事件控訴審4 ときめきメモリアル事件上告審4.1 「改変」の意味の新しい捉え方5 同一性保持権の適用が除外される場合 同一性保持権の内容 著作権法20条1項は、「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変...

    平成26年8月28日知財高裁判決・判例時報 2238号91頁[ファッションショー事件控訴審]裁判例紹介

    応用美術に関する著作物性についての重要裁判例である、平成26年8月28日知財高裁判決・判例時報 2238号91頁[ファッションショー事件控訴審]をご紹介します。 目次1 事案の概要2 著作物性侵害が主張された映像部分3 衣服やアクセサリーなど応用美術の著作物性について3.1 応用美術の著作物性について4 舞...
    タコ滑り台ミニタコアップ

    タコ滑り台[ミニタコ]事件ー著作権裁判例紹介

    タコの滑り台について、著作権侵害の有無が問われた事件で、東京地方裁判所は著作権侵害を認めませんでした。 本件はいわゆる応用美術に関する重要な裁判例になるかと考えられます。 応用美術を巡る論点は下記をご参照ください。 目次1 事案の概要2 たこ滑り台【ミニタコ】3 本件で判断された争点4 小型タコ滑り台【ミニ...

    タコ滑り台[ミニタコ]事件控訴審判決ー著作権裁判例紹介

    知財高裁令和3年12月8日判決(令和3年(ネ)第10044号 著作権侵害控訴事件)・裁判所ウェブサイト掲載は、いわゆるタコ滑り台事件の控訴審判決です。 現在裁判例上も判断規範が分かれている応用美術の著作物性について判断規範を示した上で判断を示しているため、注目される裁判例です。 目次1 事案の概要2 本判例...

    プレイスカルプチャー

    プレイスカルプチャーとは プレイスカルプチャーは「プレイ」、つまり遊ぶことができる「スカルプチャー」、つまり彫刻です。 例えば、タコの遊具のように遊べるとともに彫刻など芸術性がある遊具のことを意味します。 遊具という面から実用性があるとともに、彫刻という面から芸術性があり、応用美術として著作権法で保護するべ...

    応用美術の著作物性

    著作権法2条1項1号は,同法により保護される著作物について,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」と規定し,同条2項は,「この法律にいう美術の著作物には,美術工芸品を含むものとする。」と規定しています。 これらの規定は,意匠法等の産業財産権制度との関係から...

    福岡地方裁判所令和3年6月2日判決[漫画村刑事事件判決]

    福岡地方裁判所令和3年6月2日判決・裁判所ウェブサイト掲載は、海賊サイト『漫画村』運営者の刑事責任が問われた刑事訴訟判決です。福岡地方裁判所は、被告人を懲役3年及び罰金1000万円に処しました。 目次1 本判例の争点及び争点に対する判断1.1 著作権法違反の成否1.2 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等...

    ゆずポン酢の高額転売と商品画像の無断転載ツール

    土佐料理の有名店のネット通販商品を高額転売していたとして、転売を指南していた業者などが逮捕されたと報道されています。 報道 報道としては、例えば下記のものがありました。 転売にかかる著作権法違反の疑い 高松市の男ら3人逮捕 高知県内初摘発 | TBS NEWS DIG 自動販売ツールと画像の無断転載 今回は...
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    ウェブサイトの著作物性について

    ウェブサイトが単一の著作物となるのか、その場合、著作物として特殊な性質を付与され得るのか、まだ、議論が尽くされたとは言い難い状況です。 いずれにせよ、ウェブサイト、ウェブページを対象として著作物性、特に著作物としての性質が激しく争われた事例というのは、まだないのではないでしょうか。 目次1 ウェブサイトの著...

    リーチサイト規制ー令和2年著作権法改正ー

    令和2年著作権法改正によって、リーチサイトに対する規制がみなし侵害という形で規定されました。今回はこのリーチサイト規制について、解説していきたいと思います。 目次1 規制される行為1.1 著作権法113条2項柱書1.2 著作権法113条3項2 ウェブサイト等2.1 ウェブサイト等の定義規定2.1.1 ウェブ...

    [令和3年1月1日施行] 改正著作権法−ダウンロード違法化について

    ここでは、令和2年6月5日改正法が成立し、令和3年1月1日より施行されたダウンロード全面違法化に関する改正著作権法について、ダウンロード違法化の点に焦点を当てた解説や弊所パブリックコメントなどの情報発信をまとめています。 PR 弁護士齋藤理央は、著作権が得意な弁護士です。企業や個人の著作権に関する法的疑問点...

    海賊サイト対策

    弁護士齋藤理央は、インターネット上の著作権侵害対策に力をいれている弁護士です。また、令和5年5月から文化庁 海賊版による著作権侵害相談窓口 担当弁護士に就任しています。海賊サイトなどによる無断転載・無断利用など著作権侵害対策については、お気軽にお問い合わせください。 目次1 海賊サイトとは2 海賊サイトの摘...

    インターネット上の権利侵害の証拠保全の仕方

    名誉毀損著作権侵害など、インターネット上の権利侵害はある日突然訪れます。 このとき、ウェブ上の情報は消失しやすいので慌てずに証拠保全をすることが大切です。後に裁判でも使える証拠保全のポイントを、弁護士の視点から解説します。 目次1 スクリーンショットでは不十分2 PDFでの保存を推奨3 ウェブページのPD...

    著作物の(同一性・)類似性と依拠性

    目次1 依拠性・類似性2 依拠性3 翻案と類否4 類似性と要件事実5 依拠性と類似性の関係6 Ai生成物と依拠性及び類似性について 依拠性・類似性 複製行為について、昭和53年 9月 7日最高裁第一小法廷判決( 昭50(オ)324号 著作権不存在等確認及び著作権損害賠償請求事件(ワン・レイニー・ナイト・イン...

    「リツイート事件」よくいただく質問と回答

    リツイート事件と呼ばれる著作権侵害事案に、令和2年7月21日最高裁判所判例がくだされました。弁護士齋藤理央では、事案担当事務所としてリツイート事件について、情報を発信しています。本項では、リツイート事件の概略と、よくある質問とその回答を記載しています。 目次1 リツイート事件はどのような事件でしたか?2 弁...

    判例解説「リツイート事件最高裁判決」について

    令和2年7月21日最高裁判所第三小法廷は、平成30年(受)第1412号 発信者情報開示請求事件について、一審被告の上告を棄却する判決を言い渡しました。 弁護士齋藤理央は、このいわゆるリツイート事件といわれるSNS上の著作権侵害が問題となった事件について、一審から代理人を担当しました。 弁護士齋藤理央のツイッ...

    著作物の引用利用

    引用について定めた著作権法32条1項は、下記のとおり定めます。 著作権法32条1項   公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 目次1...

    YouTubeにおける動画の引用が適法と判断された事例<東京地判令和4年10月28日・裁判所ウェブサイト>

    東京地判令和4年10月28日・裁判所ウェブサイトは、YouTubeにおける動画の引用が適法と判断された事例です。 目次1 事案の概要1.1 本訴(原告▶︎被告)1.2 反訴(被告▶︎原告)2 反訴を棄却した裁判所判断2.1 動画1にかかる引用の成立について判示した部分2.2 動画...

    ファイル共有ソフトと著作権侵害の問題が日本でも増加

    アメリカでは、数年前から話題になっていたビットトレントとアダルトコンテンツ著作権侵害の問題[efn_note]日本語訳はこちら[/efn_note]。 米国裁判所は、裁判所をATMのように扱うなと憤りを示していた例[efn_note]判決原文[/efn_note][efn_note]紹介記事はこちら[/e...
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    著作権法とは

    著作権法は、創作を保護することで創作へのインセンティブを高め、もって文化に貢献することをその目的とする法律です(著作権法1条)。 目次1 著作権の行使1.1 著作物1.2 著作権の行使の仕方2 弁護士への相談について 著作権の行使 著作物 法は、創作を保護するための媒介として著作物という概念を用いて様々な文...

    図形の著作物性

    図形について著作権法は、「六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物」と定めています(著作権法10条1項6号)。このように、著作権法は図形の著作物を著作物の一つとして例示しています。 図形の著作権に関して紛争や契約問題についてお困りの際はお気軽にお問い合わせください。 目次1 図形...

    地図の著作物性

    地図について著作権法は、「六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物」として著作物の一つとして例示しています(著作権法10条1項6号)。 地図を含んだ著作権に関して紛争や契約問題についてお困りの際はお気軽にお問い合わせください。 目次1 地図の著作物性に関する裁判例1.1 平成20...

    ファイル共有ソフト『ビット・トレント(Bit Torrent)』と著作権侵害

    近年ビットトレント(Bit Torrent)上の著作権侵害に対する訴訟事案のうち、発信者情報開示訴訟などが裁判所ウェブサイトに掲載される例や裁判所が開示を命じたことを報道する例が増えてきています。 ここでは、最近著作権侵害に基づく法的対応が相次いでいるビットトレント(Bit Torrent)について、その仕...

    Bit Torrentを巡るツイート

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    海賊サイトに広告を提供した広告代理店に著作権侵害の幇助責任を認めた事案[著作権裁判例紹介]令和3年12月21日東京地判

    目次1 事案の概要2 裁判所認定の前提事実2.1 本件ウェブサイトの設立と運営実態2.2 海賊版サイトに対する政府や広告関係団体の取組み2.3 本件ウェブサイトの閉鎖2.4 被告らの広告掲載事業等2.5 原告漫画の発行部数等3 被告らの共同不法行為責任の有無3.1 被告らの幇助による共同不法行為の成否及び被...

    『リツイート事件』後の評釈・研究会など

    リツイート事件最高裁判所判決以後、その反響も大きく、様々な論評や評釈が専門雑誌などを中心に掲出されています。 ここでは、リツイート事件後の反響を受けて有用な情報や議論状況の一部をまとめています。 また、弊所ウェブサイトも主に事実関係を中心に複数の評釈に参照いただいており、事件担当の代理人から積極的な情報発信...

    『リツイート事件』が残したもの-最判後の議論状況-

    リツイート事件について、最判後、多くの評釈や研究会で事件の振り返りがされています。 下記リンク先では、リツイート事件後の反響を受けて有用な情報や議論状況の一部をまとめています。 ここでは、リツイート事件後の議論で気になったものを取り上げています。 目次1 公衆送信権侵害について2 同一性保持権侵害や公衆送信...

    情報と法律

    情報法は、❶情報の生産・発信、❷流通・媒介、❸受信・消費までの情報の一生を巡る法制度全般を指す法領域です。 インターネット隆盛の昨今、国民の誰もが情報発信の担い手となっています。マスメディアの発展の中で国民が情報の受け手に固定されていた時代が大きく変容しようとしています。また、国民は情報の受け手としても総量...

    YouTube・インスタグラム投稿動画について動画投稿者を映画監督と同等に評価して著作者と判断した事例<裁判例紹介>[東京地判令和3年10月26日]

    東京地判令和3年10月26日・裁判所ウェブサイト掲載は、YouTube動画などについてYouTuber・インスタグラマー(正確にはYouTube投稿者、インスタグラム投稿者)に映画監督に相当する地位を認め著作者と判断した事例です。 動画がコンテンツ業界を席巻している昨今において、SNSをはじめとするデジタル...

    はるか夢の址著作権刑事事件

    大規模な悪質リーチサイトの摘発事例として注目されたサイト「はるか夢の趾」を巡る刑事訴訟ですが、主犯格にいずれも実刑判決という厳しい判断が下されたことが報道されています。 気になる有罪の理論構成ですが、アップロード者と共謀が認められる、という形で有罪が認められたようですので、所謂共謀共同正犯として問責したので...

    著作権に代わり経済的利益との換価を媒介するデジタルデータ

    デジタル全盛の前の時代においては著作権は直接作品と経済的価値を換価する媒介として機能していました。 しかし、デジタル全盛の現代は必ずしも著作権が直接作品の経済的価値への換価を媒介する場面ばかりではなくなってきているようです。 例えば、TwitterやInstagramにおけるフォロワー数やYouTubeにお...
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    CDN事業者を発信者と評価できるか

    出版大手が米国CDN事業者に対して著作権侵害訴訟を提起した件でリンク先の記事を投稿しました。 その中で、中心的な争点は不作為の違法性の部分になるという前提でいました。 そうしたところ、テレビブレイク事件などを参考に、CDN事業者にも発信者性を問える可能性もあるのではないかという趣旨のご示唆をいただきました。...
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    出版大手4社がクラウドフレアに対して訴訟提起ープロバイダの侵害主体性とプロバイダ責任制限法適用の可否ー

    日本でも最大規模の大手出版社4社が米国CDN事業者クラウドフレアに対して訴訟を提起したとして話題になっています。 目次1 クラウドフレアとCDN事業2 法的論点2.1 著作権侵害主体性2.2 損害賠償請求におけるプロバイダ責任制限法の適用2.2.1 クラウドフレアにプロ責法の適用はあるのか2.2.2 作為の...
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    東京地判令和3年5月26日・裁判所ウェブサイト[書籍#KuToo事件]<著作権裁判例紹介>

    ツイートの書籍への引用利用の適法性が争われた、東京地判令和3年5月26日・裁判所ウェブサイトをご紹介します。 目次1 事案の概要2 本件争点3 裁判所の判示3.1 引用の成否3.1.1 第1要件「公表」の有無3.1.2 第2要件「引用」行為にあたるか3.1.3 第3要件 公正な慣行との合致3.1.4 第4要...

    レンダリングデータの生成と著作者人格権侵害

    目次1 レンダリングデータとは1.1 GPUとビデオメモリー2 レンダリングデータが著作物を描画する過程3 リツイート事件とレンダリングデータ4 デジタル著作権のご相談について レンダリングデータとは レンダリングデータは、ウェブサイトをブラウザに表示する際にクライアントコンピュータのメインメモリに生成され...

    レンダリングデータの生成と著作者人格権侵害

    このとき、クライアントコンピュータからの入力値をさらに演算に加えた、レンダリングデータ2がつくられるのか、元から入力値を踏まえてレンダリングデータをつくるのかして、いずれにせよブラウザのビュウポートや座標値も反映したデータがモニターに著作物を描画します。 — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) Au...
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    年末にタコの滑り台事件控訴審判決の記録を閲覧しました

    2021年、年末にタコの滑り台事件控訴審判決の判決文を含めた記録を閲覧してきました。 耐えかねて、というのは何のことかというと、発端は判決日の下記ツイートでした。 判決日も、たまたま出廷日だったのですが、最近、出廷日に知財高裁や東京地裁知財部の開廷情報を確認することがあります。裁判もインターネット会議が多く...
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    年末にタコの滑り台事件控訴審判決の記録を閲覧しました

    2021年、年末にタコの滑り台事件控訴審判決の判決文を含めた記録を閲覧してきました。 耐えかねて、というのは何のことかというと、発端は判決日の下記ツイートでした。 判決日も、たまたま出廷日だったのですが、最近、出廷日に知財高裁や東京地裁知財部の開廷情報を確認することがあります。裁判もインターネット会議が多く...
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    バニーガールの衣装の商品形態模倣、著作物性に関する裁判例雑感

    東京地判令和3年10月29日・裁判所ウェブサイト掲載は、バニーガール衣装の商品形態の模倣や、著作物性の有無などが争われた事案です。 ポイントは、商品形態模倣の成否と、著作物性の判断の部分かと思いました。 裁判所は、それぞれ、下記のとおり述べて権利侵害を認めませんでした。 目次1 裁判所の判断抜粋1.1 争点...
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    トレース検証画像の埋め込みツイートに関する裁判例雑感

    本裁判例は、ツイッター上の著作権侵害などの権利侵害について発信者情報開示を請求したものです。提訴時期や、仮処分が先行していたことから、電話番号の開示に主眼を置きつつ、IPアドレスなども併せて開示を請求したのではないかと考えられます。 トレース疑惑は昨今指摘されることも多い問題で、トレースを説明するためにトレ...
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    原告ツイートのスクリーンショットを埋め込んだツイート投稿について著作権法上違法とされた事例・裁判例紹介

    令和3年12月10日東京地方裁判所判決・裁判所ウェブサイト は、原告ツイートのスクリーンショットを埋め込んだ発信者ツイート投稿について著作権法上の引用の成立が否定された事案です。 目次1 事案の概要1.1 本件投稿者11.2 本件投稿者21.3 求開示IPアドレス2 「権利の侵害に係る発信者情報」...

    著作権法と意匠法などの棲み分け

    著作権法による保護が及ぶ範囲について,意匠法,実用新案法が保護している範囲と重なってくる部分については,棲み分けが問題となります。 いわゆる家電などの実用品は,そのデザインなどについて,本来著作権法で保護されるべき創作性を備えているものも少なくないと思われますが,工業上や産業上の利用可能性などから,意匠法や...

    インターネット上のキャラクターや著名人肖像の配信について

    キャラクターや俳優などの著名人の肖像について似顔絵などをインターネット、SNSで配信することは問題がないのでしょうか。この点について日本スプレーアート振興会様主催の勉強会でお話しさせていただきました。 目次1 著作権と肖像権の違い1.1 著作権1.1.1 著作権の例1.1.2 著作者人格権1.2 肖像権とパ...

    表現の自由と著作権ーその同源性についてー

    我が国では、著作権法と憲法上の人権、特に表現の自由との関係は判例実務上、あまり語られてきませんでした。著作権法が表現の自由を侵害し違憲であるという主張は、権利濫用の抗弁や差し止めの成否の中で若干言及される程度で、この点が強く主張された訴訟は知る限り見当たりません。又、少なくともそうした主張に対して判断権者は...

    著作物について

    目次1 著作物性1.1 対象の著作物該当性①「思想又は感情」1.2 対象の著作物性②「表現したもの」1.3 対象の著作物該当性③「創作的な表現」2 著作物に関連する記事 著作物性 著作権侵害の差し止めを請求するなど、著作権に基づく法的請求をするには,対象が著作物でなければなりません。 著作物とは,「思想又は...

    ヘアスタイル・メイクの著作物

    平成27年12月9日東京地方裁判所判決(平成27年(ワ)第14747号 損害賠償請求事件)が、裁判所ウェブサイトで公開されています。 この判例は写真の著作物性など示唆に富んだものであり、また別途レビューしたいと思います。今回は少し違う視点で同判決を紹介しました。同判決書文中でヘアスタイルや化粧について、著作...

    『エジソンのお箸事件』知財高裁平成28年10月13日判決(平成28年(ネ)第10059号)判例紹介

    目次1 判決の意義2 事案の概要2.1 原審の判断について3 控訴審の結論は?4 控訴審判示で重要な部分について4.1 TRIPPTRAPP(トリップトラップ)事件知財高裁判決を踏まえた本判決の意義5 図面の著作物性について 判決の意義 実用品の著作物性について、判断を示している点に意義があります。 TRI...

    著作権の表現の自由に対する制約の違憲審査基準

    本邦では、著作権法と憲法上の人権、特に表現の自由と著作権法の関係は判例実務上、あまり語られてこなかった。 著作権法が表現の自由を侵害し違憲であるという主張は、権利濫用の抗弁や差し止めの成否の中で若干言及される程度で、この点が強く主張された著名な訴訟は知る限り見当たらない。 そのような経緯もあり本邦では著作権...

    無断転載/インターネット上の著作権侵害に対する対応

    目次1 インターネット上では頻繁に著作権侵害が生じているのですか?2 インターネット上の著作権侵害に対して法的措置を採ることができるのですか?3 著作権侵害に対する損害賠償の基本的な流れを教えてください3.1 証拠の保全3.2 発信者の特定3.3 警告書の送付3.4 交渉3.5 訴訟3.6 執行4 弁護士齋...

    頒布権・譲渡権・貸与権

    著作物の複製物について譲り渡したり、貸し渡す行為について頒布権・譲渡権・貸与権の各著作財産権の規定が置かれています。 目次1 映画の著作物の頒布権とはどの様な権利でしょうか2 映画の著作物にだけ頒布権が認められるのでしょうか3 著作権法上の貸与の概念は一般的な貸与概念と同じでしょうか4 映画の著作物を除いた...

    著作権侵害差止請求訴訟の要件

    著作権侵害が認められる場合、これを差し止める請求が可能です(著作権法112条)。侵害者が任意で差し止めに応じない場合、訴訟上差し止めを請求し、法的に強制的に差し止めるのが著作権侵害に基づく差止請求訴訟です。 PR 弁護士齋藤理央は、複数件の著作権侵害訴訟の対応実績がございます。もし著作権侵害でお困りの際は、...

    YouTube上の権利侵害に基づくGOOGLE,LLC(グーグル・エルエルシー)及びYOUTUBE,LLC(ユーチューブ・エルエルシー)を被告とする発信者情報開示が認容された裁判例紹介

    東京地裁民事29部令和元年10月30日判決裁判所ウェブサイト掲載( 平成30年(ワ)第32519号 発信者情報開示請求事件(「第1事件」) 令和元年(ワ)第19716号 発信者情報開示請求事件(「第2事件」))は、YouTube上の権利侵害に基づくGOOGLE,LLC(グーグル・エルエルシー)及びYOUTU...

    著作権法47条の2

    著作権法47条の2は,インターネット上で行う美術又は写真の著作物の売買などを適法化するための規程です。つまり、アフィリエイトや商品紹介で作品を表示した場合も一定の範囲で当該利用を適法化することができる規定です。 目次1 著作権法47条の2はどのような条文ですか?1.1 著作権法47条の2はどういった場面に適...

    著作権侵害による刑事事件の弁護人業務について

    インターネットを利用した著作権、著作隣接権、著作者人格権などの侵害に代表されるような知的財産権の侵害や、インターネット上のサイバー犯罪などの嫌疑をかけられた場合、迅速な対応と捜査機関との折衝が大切です。弁護士齋藤理央は、デジタル領域を含めた著作権侵害についての刑事弁護業務を取り扱っています。 著作権侵害で捜...

    文書提出命令と著作権法、産業財産権法上の特則

    文書提出命令について、著作権法や産業財産権法制上、特別の規定が置かれています。 目次1 著作権法1.1 書類の提出等・著作権法第百十四条の三 2 産業財産権法2.1 特許法2.1.1 書類の提出等・特許法第百五条 2.2 商標法2.2.1 特許法の準用・商標法第三十九条 2.3 意匠法2.3.1 特許法の準...

    2020東京五輪オリンピックを巡る知的財産権法上のトピック

    この記事は撤回問題、パロディ問題など多くの法的議論を呼んだ2020年東京五輪オリンピックを巡る知的財産権法上の法律問題について、弊所弁護士齋藤理央のメディアコメントを中心にまとめています。 目次1 オリンピックエンブレム撤回問題2 オリンピックコロナエンブレムパロディ問題2.1 (1) 著作権侵害に当たるの...

    蘆花記念文学館事件ー著作権裁判例紹介

    目次1 事案の概要1.1 原審の判断2 控訴審判断のポイント2.1 本件パネル独自の著作物性2.2 本件パネルに対する職務著作の成立3 弁護士齋藤理央の博物館を巡る法務  事案の概要 『本件は,被控訴人の職員として本件文学館に勤務していた控訴人が,本件文学館 に常設展示又は上映されている本件各展示物について...

    音楽教室と演奏権を巡る訴訟

    音楽教室とJASRACの間の音楽教室での演奏に演奏権が及ぶか、という訴訟について、第一審判決が下されました。 目次1 訴訟で問題とされている行為の類型1.1 教室レッスン1.2 CDの再生1.3 自宅レッスン2 主要な争点2.1 演奏主体2.1.1 生徒の居宅レッスン2.2 生徒の公衆該当性2.3 聞かせる...

    インコーポレーションに同一性保持権侵害を認めた2つの知的財産高等裁判所裁判例

    インラインリンクと呼ばれる技術は、実際には自動リンクとインコーポレーションという技術に分解して理解するのが正確です。リツイート事件などで著作者人格権侵害が認められているのはインコーポレーションの部分と理解する方が正確です。 この問題は正確な理解がまだ浸透していないと感じることも多いため、もしインラインリンク...

    Twitterプロフィール画像事件控訴審判決ー著作権・発信者情報開示裁判例紹介

    弁護士齋藤理央で担当した裁判例が裁判所ウェブサイトに掲載されました。これで、弁護士齋藤理央の担当裁判例として裁判所ウェブサイト掲載は12例目になります。この事案は争点が複雑であるため、その先例的意義について簡単にまとめておきたいと思います。 弁護士齋藤理央では、ツイッターを運営するXcorp.に対する発信者...

    知的財産高等裁判所における発信者情報開示請求訴訟の裁判例

    知的財産高等裁判所では現在、少なくとも5件の発信者情報開示請求訴訟に関する裁判例があります(令和3年6月12日現在)。 ①平成20年7月17日知的財産高等裁判所判決・裁判所ウェブサイト掲載(ライブドア傍聴記事件)、②平成30年4月25日知的財産権高等裁判所判決・裁判所ウェブサイト掲載(リツイート事件控訴審)...

    著作権・著作者人格権の憲法上の位置付け

    著作権、著作者人格権などインターネット上の知的財産権侵害を巡って、主にプロバイダ責任制限法発信者情報開示請求訴訟を通して、対立する通信の秘密との関係で、知的財産権を人権として再構成する必要が強くなっています。 ここでは、なかでもインターネット上の権利侵害が多く生じている著作権・著作者人格権などを憲法上の人...

    戦姫コレクション事件-著作権裁判例紹介

    目次1 事案の概要2 審理判断された争点3 著作権を有するか(争点①)についての裁判所の判断3.1 職務著作の成立(職務著作の準拠法)3.2 著作権譲渡の有効性(著作権譲渡契約の準拠法に関する判断を含む)3.3 著作権共有の準拠法及び有効性4 本件著作権を侵害するか(争点②)についての裁判所の判断4.1 ゲ...

    希望の壁事件‐著作権判例紹介

    希望の壁事件は、「新梅田シティ」内の庭園を設計した著作者が、,著作者人格権(同一性保持権)に基づき,同庭園内に「希望の壁」と称する工作物を設置しようとする債務者に対し,その設置工事の続行の禁止を求めた事案です。 目次1 事案の概要2 裁判所の判断2.1 改変該当性2.2 やむを得ない改変にあたる 事案の概要...

    共同正犯

    共同正犯は、インターネット上の著作権などの知的財産権侵害をはじめとするサイバー犯罪でも問題になりやすい刑法上の論点です。 目次1 一部実行全部責任の根拠2 過失犯の共同正犯3 結果的加重犯の共同正犯4 片面的共同正犯5 承継的共同正犯6 共謀共同正犯 一部実行全部責任の根拠 「二人以上共同して犯罪を実行した...

    著作権侵害の刑事手続における許諾の錯誤の弁明と故意立証-記事掲載コメントの見解補足

    店舗BGMに違法アプリ「Music FM」使う 人気アパレルの「著作権」意識 https://t.co/nMPzDj0rIx @jcast_newsより コメントさせていただきました。#クリエイトする弁護士_メディアコメント — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) August 31, 2019 こ...

    イラストレーション・グラフィック法務

    イラストレーションや、グラフィックを巡っては、創作段階において他者の権利を侵害しないこと、発信、利用の段階においては、第三者との権利許諾契約の内容や、第三者の権利侵害に対する対応が問題となります。 イラストやグラフィックは、基本的に著作権法の直接的な保護対象となり、また、ビジネスに利用するに際して商標権や場...

    ウィニー事件

    ウィニー事件は、著作権侵害の幇助責任を問われた被告人について無罪とされた事案です。1審は被告人を有罪とし、これに対して控訴審は逆転無罪判決を言い渡しました。上告審で最高裁判所は、控訴審が採用した規範を「当該ソフトの性質(違法行為に使用される可能性の高さ)や客観的利用状況のいかんを問わず,提供者において外部的...

    照明用シェードの著作物性、翻案及び同一性保持権侵害の成否

    令和2年1月29日東京地方裁判所民事40部判決(平成30年(ワ)第30795号 著作権侵害差止等請求事件)は、「原告らが,被告…が制作した別紙被告作品目録記載の「Prism Chandelier」(以下「被告作品」という。)は,原告らが制作した著作物である別紙原告作品目録記載の照明用シェード(以下「原告作品...

    宗教新聞写真ツイッター無断投稿件-コンテンツ判例紹介

    東京地判令和2年10月14日判決裁判所ウェブサイト(令和2年(ワ)第6862号 発信者情報開示請求事件)は、宗教新聞上の写真がツイッターで無断投稿されたケースについて、発信者情報開示が請求された事件です。 付随対象著作物の適法性などが訴訟上争われたケースであることから、紹介させて頂きます。 弁護士齋藤理央は...

    コンテンツと知的財産権

    コンテンツは、様々な知的財産権法と関係します。コンテンツの制作、配信に関しては第三者の知的財産権をはじめとする権利を侵害しないように留意が必要です。また、自らのコンテンツを適切に知的財産権法で保護し、その権利侵害に対しては法的措置を採る必要があります。 弁護士齋藤理央は、コンテンツの権利侵害対応をはじめとし...

    著作権侵害に基づく発信者情報開示請求

    近年、著作権法のサイバー法の傾向が顕著になってきています。著作権法が保護する著作物は、創作から消費までがインターネットで完結するため、著作権法のサイバー法傾向はある種の必然と言えるかもしれません。その中で、著作権実務でその存在感を飛躍的に高めているのが発信者情報開示手続きです。 すなわち、インターネット上の...

    変形権

    本項では、著作権法上の変形行為を保護する変形権について概説します。 著作権法27条は「著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する」と定めます。 そして、著作権法2条1項1号は、「二次的著作物」を、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色...

    著作権侵害訴訟の訴訟物

    本項では著作権侵害訴訟の訴訟物について概説しています。 PR 弁護士齋藤理央は、複数件の著作権侵害訴訟の対応実績がございます。もし著作権侵害でお困りの際は、弁護士齋藤理央までお気軽にご相談ください。 目次1 著作権侵害訴訟と訴訟物2 権利義務の主体による選別3 審理の客体による選別4 権利発生の原因となる事...

    リンクと著作権

    ここでは、リンクと著作権の問題について概説しています。なお、リンクと著作権の問題を巡っては、2020年法改正でリーチサイトを違法化する法案が成立しています。一部ハイパーリンクもリーチサイト規制によって違法となる場合があります。インターネット上の明らかに著作権侵害をしている違法なサイト(海賊サイト)にはリンク...

    金魚電話ボックス「メッセージ」事件-インスタレーションと著作権法

    著作権法上の著作物性を巡る金魚電話ボックス作品「メッセージ」を巡る著作権侵害訴訟事件について解説しています。 PR 弁護士齋藤理央は、著作権関連の事件に強い意欲と、最高裁判例をはじめとした訴訟、相談、調査業務に幅広い対応実績を有しています。著作権関連の問題で、リサーチ、法律相談紛争解決など弁護士関与が必要...

    二次的著作物上の著作権

    二次的著作物のうえには、通常の著作権(著作権法17条)のほか、著作権法28条の権利が成立します。この二次的著作物上の著作権を巡っては、2つの最高裁判例が存在しています。 奇しくも、両判例は共に漫画(マンガ)を巡って争われた事例です。そこで、この記事ではマンガを例に二次的著作物と二次的著作物を客体に発生する著...

    著作権の存在理由

    著作権法の存在理由としてインセンティブ論と自然権論が存在しています。 インセンティブ論は、著作権の付与が創作者に創作のモチベーションを与えることをもって、著作権法の存在理由としています。すなわち、政策的に創作を奨励し、動機づけをするために著作権が与えられるという考え方です。 しかし、本当にそれだけでしょうか...

    少額著作権侵害訴訟と裁判所の選択

    目次1 第1 著作権侵害訴訟の管轄1.1 土地管轄1.1.1 普通裁判籍1.1.2 特別裁判籍1.1.3 競合管轄の定め2 第2 少額知財訴訟の管轄2.1 特許侵害訴訟の例外(競合管轄)2.2 意匠権等に関する訴えの場合3 第3 実際の運用とその問題点3.1 問題点4 第4 簡易裁判所の活用4.1 1 簡裁...

    WEBサーバーの公衆用設置自動複製機器該当性

    文化庁の「クラウドコンピューティングと著作権に関する調査研究報告書」で、クラウドサーバーの公衆用設置自動複製機器該当性が議論されており興味深いです。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hosei/h23_06/pdf/shir...

    著作物の単位と弁論主義

    著作物のよって立つ単位は、どのように定められるべきでしょうか。 著作権法2条1項1号は、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を、著作物と呼び著作権法の保護客体とすることを定めています。 何が著作物のよって立つ単位であるかを巡っては、作品説と創作的表現説と...

    著作権に関する法律相談について

    著作権に関して、権利を侵害されているため権利行使を行いたいという場合、権利を侵害しているとして内容証明や訴状が届いた場合、著作権の利用を巡って使用許諾契約や、著作権譲渡契約を結ぶために契約書を作成しなければならない場合など、さまざまな場面で法律問題が発生します。著作権に関する法律問題について、弁護士を介入さ...

    著作権事務弁護士業務

    弁護士齋藤理央では、著作権訟廷弁護士業務も踏まえた、著作権事務弁護士業務を提供しています。著作権事務弁護士業務は、幅広く取り扱い経験があります。 著作権法律相談 著作権に関する様々な法律相談に対応経験がございますので、著作権のことで悩みが生じればお気軽にお問い合わせください。 著作権契約業務 著作権が関係す...

    付随対象著作物の利用-写真や映像への映り込みについて

    目次1 『付随対象著作物の利用』写り込みに対する権利制限規定2 付随対象著作物3 付随対象著作物の権利制限4 付随対象著作物の利用に関する令和2年法改正と条文4.1 改正後条文4.2 改正前条文(参考)5 付随対象著作物の利用の限界6 付随対象著作物の利用を巡る裁判例6.1 付随対象著作物の利用に関する判示...

    インラインリンクの仕組み

    「インラインリンク」とは,ユーザーの操作を介することなく,リンク元のウェブページが立ち上がった時に,自動的にリンク先のウェブサイトの画面又はこれを構成するファイルが当該ユーザーの端末に送信されて,リンク先のウェブサイトがユーザーの端末上に自動表示されるように設定されたリンクをいう(「電子商取引及び情報財取引...

    氏名表示権

    氏名表示権は著作権法上定められた著作者人格権のひとつで、「著作者と著作物との結び付きに係る人格的利益を保護する」(令和2年7月21日最高裁判決)権利です。 目次1 氏名表示権の内容1.1 「公衆への提供若しくは提示」の意義2 2次的著作物に対する氏名表示権3 氏名表示権の制限 氏名表示権の内容 著作権法19...

    平成30年4月25日知的財産高等裁判所第2部判決(平成28年(ネ)第10101号 発信者情報開示請求控訴事件)

    こちらの事件、担当させて頂きました。 最高裁で審理される可能性があり、別の判断になるかもしれませんが、サイバー法化が進む #著作権 実務で、自分を除いて本当にトップレベルの法律家の方々と、最先端の議論を進められたのは幸せなことでした。 — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) May 23, 2018...

    インラインリンクについて

    著作権法上議論も多いインラインリンクについて、当ウェブサイト上の情報を集約しています。 弊所はリツイート事件などを通じてインラインリンクと著作権法その他の諸法制との関係を検討してきました。企業や個人の方でインラインリンクの取り扱いについて法律面から疑義がある場合、紛争が発生しているなどは、弊所へのご相談もご...

    米国サーバーテストと日本の著作権法

    目次1 サーバーテストを肯定する米国第9巡回区控訴裁判所1.1 米国著作権法106(5)1.2 サーバーテストとインコーポレートテスト1.2.1 サーバーテスト1.2.1.1 i. The Server Test Embraced by Google・Googleから主張されたサーバーテスト1.2.2 イン...

    インラインリンクのデータ統合作用の性質を巡る著作権法解釈の論点−包含(収録)著作物と被包含(被収録)著作物の関係について

    リーチサイト規制などを巡り、リンクを巡る著作権法の解釈が再度検討されるべき状況となっています。そこで、リンクを法的に禁圧するリーチサイト規制を念頭に現在のインラインリンクを巡る著作権法解釈の自身の最新の理解を簡単にご紹介しておきたいと思います。 目次1 一定の場合著作権を直接侵害するインラインリンクと著作権...

    インラインリンクに代表される画像の統合表示に著作権法28条を介して著作権が直接及ぶ場合

    リーチサイト規制の議論とリンクと著作権の問題 文化庁が令和元年10月30日(末日の31日ではなく前日の30日までの募集のようです。)までダウンロード違法化のパブリックコメントを募集しています。今回のパブリックコメント募集は、ダウンロード違法化のみならずリーチサイト規制についても質問を設けています。今年3月に...

    インラインリンクと著作権法上の論点

    昨今、はるか夢の址事件、たぬピク事件、ペンギンパレード事件など新しい裁判例も出され、立法論としても議論されているリンクと著作権の問題について、「インラインリンクと著作権」の論点に関する議論(が生じ得るポイント)として把握しているものについて、議論の一助となればと思い記事にさせていただきます。 目次1 インラ...
    マウナケア山頂

    写真/フォトグラフ保護法務

    目次1 弊所の特徴とメリット2 写真・フォトグラフ3 弁護士による著作権譲渡・利用許諾(契約)に関する業務4 著作権侵害対応5 商標・意匠法による保護6 ICTと画像ファイル7 インスタグラム7.1 インスタグラム・アカウント 弊所の特徴とメリット 弊所において、写真・フォトグラフの保護法務を受けて頂くメリ...

    著作権法最高裁判所判例

    最高裁判例 ①暁の脱走事件「著作権の存続期間の誤信と過失の有無」 平成22(受)1884  著作権侵害差止等請求事件 平成24年1月17日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄差戻  知的財産高等裁判所  全文 最高裁判例 ②WINNY事件最高裁判決「著作権法違反幇助における故意(否定...

    パブリックコメントと著作権

    パブリックコメントを巡る裁判例 平成25年8月30日判東京地裁判決(平成24年(ワ)第26137号 著作権及び出版権侵害差止請求事件)では、パブリックコメントをまとめて概要を記載した書面の作成による翻案権侵害の成否について以下の通り判示されています。 下記裁判例のように、パブリックコメントはその後概要をまと...

    リーチサイト等を通じた侵害コンテンツへの誘導行為への対応 について文化庁に文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめに関する意見(平成31年1月6日締切)を提出

    昨日、文化庁に文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめに関する意見(平成31年1月6日締切)を提出しました。 意見は、以下のとおりです。なお以前建付をエントリしたB:ダウンロード違法化の対象範囲の見直しについては、個人的には意見はない、という結論に至ったので、意見提出していません。 文化審議会...

    弁護士齋藤理央とコンテンツ法務

    弁護士齋藤理央は、コンテンツローコンテンツ法務を重視する弁護士です。 コンテンツ法務とは、コンテンツの社会的利用の際に発生する様々な法律問題に対して提供される法律事務を意味します。 例えば、コンテンツの創作を保護する著作権法や、コンテンツの顔となるロゴやキャラクターを保護し得る商標法、不正競争防止法さらに...

    動画の知的財産権に関するYouTubeの利用規約

    YouTubeの利用規約上、動画の上に発生する知的財産権についてどのようなライセンスが成立しているでしょうか。 結論から言うと、YouTubeにアップロードした動画の知的財産権はユーザーにキープされるものの、YouTubeを通した利用に対しては①Youtube運営及び、②Youtubeを利用する他のユーザー...

    [ペンギンパレード事件]インラインリンクについて著作権幇助侵害が認められた事案

    この記事ではインラインリンクに著作権の幇助侵害が認められた札幌地方裁判所・平成28年(ワ )2097号発信者情報開示請求の一連事件いわゆる「ペンギンパレード事件」について情報をまとめています。 目次1 ペンギンパレード事件第一審判決判例データベース掲載状況について1.1 D1LAW.com判例体系1.2 ウ...

    著作権登録代理業務

    目次1 著作権登録代理業務2 登録代理業務料金一覧3 著作権移転登録4 実名登録5 第一発行年月日等登録6 著作権信託登録7 著作権を目的とする質権登録 著作権登録代理業務 著作権については、無方式で権利が発生します。したがって、特許、商標、意匠の例にならい出願登録をする必要はなく、また、出願登録制度も存在...

    コピーライト(著作権)トロール

    コピーライト(著作権)トロールという言葉があります。 この言葉は、いわゆる俗語であり、この言葉には、明確な定義づけはされていないようです。 そこで、このコピーライトトロールの位置づけについて、若干の考察を加えてみました。 目次1 パテント(特許)トロール2 WGの定義と要素のコピーライトトロールへの転用3 ...

    著作権侵害に関する相談時の資料

    著作権侵害は、侵害態様や侵害主体を確認できる資料の他、著作物の確認できる資料、著作者(著作権の帰属)を判定する資料など、他の案件と比べて特殊な資料の確認が必要になる場合があります。 著作権が侵害された場合,来所,電話,メールなどで法律相談に応じることが出来ます。 著作権侵害において,必要な資料は,原則的に下...

    著作権案件の取扱地域について

    目次1 弊所に著作権案件をご依頼いただくメリット2 東京地方裁判所を選択できる都道府県一覧3 東京地方裁判所に競合管轄が認められる地域4 大阪地方裁判所に競合管轄が認められる地域 弊所に著作権案件をご依頼いただくメリット 東海・北陸地方、東北地方、北海道、東京高裁管内(広域関東圏)の著作権案件(おおまかにい...

    こち亀コラージュ問題について

    水戸芸術館のこち亀コラージュ削除問題を通じて、パロディと著作権法違反の問題が議論となっているようです。 この問題は、著作権の世界では昭和55年にすでに最高裁まで争われ、決着している問題になります。 基本的に、今回のケースは文句なく著作権法に違反する、という結論はあまり法律家の間では疑義が出ないのではないかと...

    ハイスコアガール事件

    ハイスコアガール事件は、ゲームキャラクターを漫画内に無断利用したとして紛争に発展したケースです。事案は、急転直下企業買収に起因した和解で幕を閉じました。 ハイスコアガール問題和解成立 株式会社SNKプレイモアと株式会社スクエア・エニックスが、ハイスコアガール問題で和解に達したと発表しました※1。 SNKのプ...

    自動公衆送信における送信客体たる情報とは

    自動公衆送信権(送信可能化権)の送信客体たる(著作物に関する)情報の内容について、明確に判断した判決は現在のところ存在していないと理解しています。 しかしながら、リーチサイト規制の議論の前提として、リンクと現行著作権法の関係を考えるとき自動公衆送信権(送信可能化権)の送信客体たる(著作物に関する)情報の内容...

    上演権・演奏権・口述権

    上演権・演奏権 著作権法22条は、「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する」と定めます。このように著作権法22条は、著作者に上演権・演奏権を付与しています。 上演とは、「演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物...

    公衆送信権

    公衆送信権とは、「公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信…を行うこと」(著作権法2条1項7号の2)をいいます。そして、プログラムの著作物を除いて、公衆送信の「送信」からは「電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有...

    公衆送信権・送信可能化権の侵害主体確定の前提となる送信客体の捉え方について

    公衆送信、あるいは送信可能化において、送信主体を捉えるとき、実は、何が送信されたのか、という送信客体を先に確定しなければ、実効的な議論は行えないと思われます。 では、ウェブサイトにおいては、公衆送信された客体をいかに捉えるべきでしょうか。 この問題は、実はあまり深く議論されていない問題であり、公衆送信、送信...

    上映権

    著作権法22条の2は、「著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する」と定めます。 著作権法2条1項17号は、上映について、「著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする」と定義します。 このよ...

    翻案権

    翻案権 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有します(著作権法27条)。この権利を、翻案権と言います。 この翻案行為について、平成13年 6月28日最高裁第一小法廷判決(平11(受)922号 損害賠償等請求事件(ブダペスト悲歌事件(江差追分事件)...

    映画著作物における頒布権の国際消尽

    映画の著作物以外の著作物については、譲渡権の国際的な消尽が規定されています(著作権法26条の2第2項5号)。 著作権法26条の2第1項 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除...

    出版権

    出版権の設定 複製権保有者、公衆送信権保有者(併せて複製権等保有者(著作権法79条1項))は、出版権を設定することができます(著作権法79条1項)。ただし、複製権、公衆送信権を客体とする質権設定者がいるときは、その承諾を得なければなりません(同条2項)。 出版権の内容 出版権は、頒布の目的をもって、著作物を...

    埋込コンテンツと公衆伝達権

    インターネットを介した動画、画像のHTMLファイルへの埋込形式の配信は公衆伝達行為に該当するか、興味深い問題と言えます。 サーバーに保存した画像、動画、音楽を埋込(エンバーデット)コンテンツ形式(インラインリンク、埋込リンク、直リンクなどと呼称されることもある形式)で公衆送信した場合、画像がクライアントコン...

    送信可能化権

    送信可能化権 送信可能化とは、「公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力さ...

    自動公衆送信行為の一考察

    この記事は、昨今議論の必要性がより高まりつつあるリンクと著作権を巡る議論について、強い影響を与える可能性がある自動公衆送信権(自動公衆送信行為)について、一考察を発信するものです。 目次1 考察の趣旨2 送信行為の対向行為性3 議論の中心は送信可能化行為から自動公衆送信行為に移るべき4 データの受信は結果で...

    美術・写真の著作物と展示権

    美術の著作物 著作者は、美術の著作物の原作品を公に展示する権利を専有します(著作権法25条)。自らは展示する権利を享有するとともに、第三者が美術の著作物の原作品を公に展示することを禁止することができます。公とは、特定かつ多数のものを含みます(著作権法2条5項)。多数とは何人であるかは、少し乱暴な言い方をすれ...

    複製権

    著作権法21条は、「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」と定めます。複製「権」というと、著作物を複製する権利を付与されたように捉えがちですが、著作権法が存在しない状態では誰しもがあらゆる著作物を自由に利用することができます。著作権法が著作権者に与えているのは、複製する権利と言うより複製を排他的に独...

    著作権法に定められた支分権

    著作権法は、権利の束と言われます。すなわち、著作権は著作権法に定められた各種支分権の総称です。

    アイディアと表現について

    著作権法は、表現を保護し、アイディアを保護しません。このように、著作権法上は、具体的な表現に至って初めて法律的な保護を受けることになります。 それでは、アイディアと具体的な表現の違いは、どのような点にあるのでしょうか。 現在の著作権法実務では、アイディアと表現が、明確に交通整理されていないことが、少し問題を...

    TRIPPTRAPP(トリップトラッパ)事件−実用品の著作物性

    実用品は、これまで、原則的に著作物性を満たさないと考えられてきました。 すなわち、実務においては,純粋美術、応用美術、美術工芸品などに分類して議論が展開されてきました。純粋美術品であれば,「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属する」といえ,この部分はあまり争いがありませんでした。これに対して、応用美術であれば...

    著作権争訟業務

    目次1 著作権被侵害1.1 著作権を侵害された1.2 警告書の作成・送付1.3 訴訟の提起1.4 刑事告訴2 著作権侵害防御2.1 警告書が届いた!2.2 回答書の作成・送付2.3 応訴対応3 著作権における民事争訟の取り扱い地域4 著作権侵害事案刑事弁護 著作権被侵害 著作権を侵害された 著作権侵害者に、...

    映画の著作物

    目次1 映画の著作物とは2 映画の著作物を客体とする著作権の権利帰属3 頒布権4 保護期間 映画の著作物とは 映画の著作物は、著作権法で例示される著作物の一つです(著作権法10条1項7号)。映画の著作物について、直接の定義規定はありませんが、著作権法における映画の著作物には、映画の効果に類似する視覚的又は視...

    プログラムの著作物

    プログラムの著作物について、概要を述べます。 プログラムの著作物は、著作権法10条1項9号に著作権法で保護すべき著作物の例として例示されています。 ここでいうプログラムは、著作権法上の「プログラム」に該当する表現物を指します。すなわち、「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令...

    言語の著作物

    言語著作物とは、「小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物」として規定されています(著作権法10条1項1号)。「小説」、「脚本」、「論文」、「講演」はあくまで例示であり、「その他」広く言語で表現された著作物が含まれます。著作権法に、「言語」について定義した規定はなく、記号や手話も含まれると解されています。...

    二次的著作物とは

    著作権法2条1項11号は,二次的著作物について、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。」と定めています。 翻案とは 著作権法上の翻案とは、一体なにを意味するのでしょうか。最高裁判所の判示を見てみましょう。 最高裁判所は,翻案(著作権法2...

    データベースの著作物とは

    著作権法は,データベースを「論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう」と規定しています(著作権法2条1項10の3号)。典型例としては,体系的に情報が整理された一定の規模のウェブサイトなどは,データベースたり得ます。次に...

    RDBMSの著作物性等

    平成28年3月23日知的財産高等裁判所判決(平成27年(ネ)第10102号 損害賠償等請求控訴事件)を紹介したいと思います。判決文はこちらです。本件は,控訴人が,被控訴人に対し,被控訴人が製造,販売する「Babel」という名称の字幕制作用ソフトウェア(被控訴人プログラム)が,控訴人が製造,販売する「SST ...

    音楽の著作物

    目次1 音楽の著作物ついて2 歌詞について3 音楽の著作隣接権について4 音楽著作権・著作隣接権の管理 音楽の著作物ついて 著作権法10条1項2号は、「音楽の著作物」を、著作物の例示として掲げています。ところで、東京地方裁判所昭和43年5月13日判決は、「原告は音楽著作物の偽作を論ずるためには旋律を取り上げ...

    教育と著作権の権利制限規定

    著作権法(以下、法と言います。)は教育活動への配慮から、諸々の権利制限規定を設けています。 目次1 教科用図書等への掲載2 教科用図書代替教材への掲載等3 教科用拡大図書等の作成のための複製等4 学校教育番組の放送等5 学校その他の教育機関における複製等6 試験問題としての複製等 教科用図書等への掲載 法第...

    遠隔教育に伴う著作権法上の留意点

    公衆送信などを利用して行う教育活動において問題となる著作権法条の留意点をご紹介します。 目次1 学校その他の教育機関における複製等1.1 著作権法第35条 1.2 改正著作権法35条(本日時点で未施行)・学校その他の教育機関における複製等1.2.1 著作権法附則(平成三〇年五月二五日法律第三〇号) 第一条 ...

    外国(法)人を相手方とする著作権法務について

    目次1 外国(法)人を相手方とする著作権法務2 国の問題3 国際裁判管轄について4 著作権紛争の国際裁判管轄について5 具体的な適用6 準拠法の問題7 ベルヌ条約により同盟国の法律で保護される意味8 日本国を本国とする著作物について9 日本国での保護10 同盟国での保護とその意味11 同盟国を本国とする著作...

    著作権を侵害された場合にとり得る措置

    著作権は,さまざまな権利の集合体ですが,複製権などの著作権が侵害された場合(作成した著作物が勝手にコピーされてしまった場合など),どのような措置をとり得るのでしょうか。 著作権法は,著作権が侵害された場合の措置として,差し止め請求権(著作権法112条)を規定しています。 著作権法112条 著作者、著作権者、...

    著作権侵害に基づく差止の仮処分命令

    著作権侵害に対して,差止請求をする場合,訴訟手続きを経るよりも迅速簡便に権利を実現する手段として,著作権侵害に対する差止請求の仮処分命令を申し立てる方法も,選択できる場合があります。   著作権侵害差止の仮処分は,仮に著作権の現実的な侵害を停止させる等できるため,満足的仮処分等といわれ,実効性の高...

    著作権を初めとする知的財産権法務に重点を置いている弁護士です

    弊所弁護士齋藤理央は,現代的な創作環境に関する基本的な知識も有していることから,著作権を初めとするクリエイト関連の紛争解決,紛争予防について,周辺知識及び法律知識を活かしたアプローチができるものと考えております。 たとえば,当ウェブサイトは,html,css,php,mysqlでつくられています。とくに,p...

    著作権保護の理念

    著作権法1条は,「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」と定めます。 このように,著作権法の目的は文化の発展に寄与することに...

    著作権法にフェアユース規定はありますか

    日本の著作権法にフェアユース規定はありません。また,下級審において判例上もフェアユースの抗弁は否定されています(東京地方裁判所判例平成7年12月18日ラストメッセージIN最終号事件等)。 フェアユース規定とは,一般的な著作権の制限条項を指します。 すなわち,行為類型が具体化されることなく,公正な著作物の利用...

    著作権の保護期間は何年間でしょうか

    著作権に関わらず,知的財産権は権利の保護に時間制限がある場合が殆どです。つまり,一定期間を過ぎると権利がなくなり,知的財産に対する法的保護が受けられなくなります。 著作権の保護期間は,著作者の死後50年と法定されています(著作権法51条2項)。 著作物が共同で創作された時は,共同著作者全員の死後,50年間,...

    著作権法のサイバー法化

    #著作権 は保護する情報の閲覧自体に価値があるから、 #インターネット利用 がもっとも直接的に発生する #知的財産 で、それだけに、 インターネット利用の部分で #立法 でも、 #司法 でも #論点 がつぎつぎ発生するのでしょう。 — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) May 20, 2018 著...

    著作権侵害に関する法律相談について

    著作権を侵害されている場合弁護士による法的対応が必要なケースも存在します。弁護士による対応は、文書による警告書・内容証明の発送から,訴訟などの法的対応まで様々です。 著作権侵害についてご相談いただく際は、法律相談を実施させていただき、法律相談の内容に応じて、弁護士への委任などを、決定していただくことになりま...

    著作権と信託

    目次1 信託とは2 著作権と信託契約3 遺言による著作権の信託4 著作権信託と登録5 コンテンツファンディングと信託契約 信託とは 信託とは、信託契約、遺言、書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示のいずれかの方法で特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。)...

    著作権、著作者人格権の帰属

    著作権及び著作者人格権は、誰に帰属するのでしょうか。 目次1 著作権帰属の原則2 著作権帰属の例外2.1 1 著作権共有2.2 2 職務著作2.3 3 映画の著作物2.3.1 ⅰ 原則2.3.2 ⅱ 映画の職務著作2.3.3 ⅲ 映画製作者2.3.4 4 著作権の譲渡 著作権帰属の原則 著作権及び著作者人格...

    著作権は譲渡できますか?

    著作権は譲渡することが出来ます。 著作権法61条は,「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」と定めます。著作権の「一部」とは,支分権の一部と解すことができます。また,これに留まらず,内容や場所,期間の一部についてのみ,権利を譲渡することもできると考えられています。 例えば、ある映像を作成して,映...

    共有著作権の行使

    共同著作物において、著作権は共有されることになります(民法264条類推適用)。 民法上の規定により、共有関係においては、使用行為が持分に応じて許容されています(民法249条)。また、変更行為には全員の同意(民法251条)が、管理行為には過半数の同意(民法252条本文)が必要であり、保存行為は単独で行うことが...

    著作権等侵害に基づく損害賠償請求訴訟における損害額について

    著作権、出版権、著作隣接権(以下「著作権等」と言います。)を侵害した場合、著作権等侵害者は、他人の権利を侵害したものとして、損害の賠償義務を負います(民法709条)。 損害額の認定 この賠償されるべき「損害」の「額」について、原則的に賠償を請求する当事者が立証責任を負います。しかし、民事訴訟法248条は、「...

    著作権法

    著作権法は、創作を保護することで創作へのインセンティブを高め、もって文化に貢献することをその目的とする法律です(著作権法1条)。 法は、創作を保護するための媒介として著作物という概念を用いて様々な文化領域の創作成果を把捉し、これを保護することを志向しています。 法が創作を守るのは、創作意欲を保つためです。あ...

    著作権法務

    目次1 著作権法分野業務内容1.1 第1 著作権争訟(トラブル)解決1.1.1 1 著作権訴訟1.1.2 2 著作権交渉1.2 第2 紛争予防業務1.2.1 1 著作権契約1.2.2 2 相談に対する法的調査及び法的回答1.2.3 3 その他2 著作権法とは3 著作権分野の専門的法律知識の滋養4 クリエイト...

    著作権の制限規定概観

    著作権法第二章「著作者の権利」、第三節「権利の内容」、第五款は、「著作権の制限」について定めています。以下、順に触れていきます(この記事は近年の著作権法改正を反映していない部分があります。改正部分は順次反映予定ですが、法改正の点には十分ご注意ください。)。 (私的使用のための複製)複製権の制限を定めた規定で...

    みなし侵害行為

    目次1 輸入、輸出、頒布、所持行為等2 プログラム著作物の業務上使用行為3 権利管理情報に対する虚偽情報付加等4 国外頒布目的商業用レコード輸入等5 名誉声望を害する行為 輸入、輸出、頒布、所持行為等 輸入時点で、国内で作成すれば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権、著作隣接権を侵害する行為によって作...

    著作権訴訟代理業務

    目次1 著作権関連訴訟2 訴訟の提起3 応訴対応4 管轄裁判所 著作権関連訴訟 著作権に関して、差止、損害賠償など訴訟を提起したい、あるいは訴訟を提起された場合に弁護士が代理人として介入して訴訟を代理で追行致します。 訴訟の提起 警告書の発送に相手が応じない、交渉を重ねたが条件面で折り合いがつかない等の場合...

    著作権の保護期間

    著作権の保護期間 著作権の保護は、著作物の創作のときにはじまり、保護期間も著作物が創作されたときに進行を開始します(著作権法51条1項)。著作権の保護期間は、原則的に著作者の死後50年間です(著作権法51条2項)。共同著作物については、最後の共同著作者の死後50年とされています(同括弧書)。無名・変名の著作...

    著作権警告書・回答書

    目次1 著作権を侵害された2 警告書の作成・送付3 警告書が届いた4 回答書の作成・送付 著作権を侵害された 著作権侵害者に、「法的に正当な金額で損害を賠償して欲しい。」、「侵害をいますぐやめて欲しい。」などのご要望に添えるよう、尽力致します。特に警告書はいますぐ侵害をやめて欲しい場合や、訴訟の手間や労力を...

    著作物の私的使用

    私的使用の範囲の複製・翻案 著作権の目的となっている著作物は、個人的な利用、家庭内での利用、その他これに準ずる範囲での利用においては、複製することができます(著作権法30条1項柱書)。また、個人的な利用、家庭内での利用、その他これに準ずる範囲での利用においては、翻訳、編曲、変形、翻案を行うことができます(著...

    著作権の消滅

    著作権は、次に掲げる場合には、消滅します。 すなわち、著作権者が死亡した場合に、その著作権が民法959条の規定により国庫に帰属するべき場合、或いは著作権が一般社団法人に関する法律239条3項等の規定により国庫に帰属するべき場合、著作権は国庫に帰属することなく消滅することとされています(著作権法62条1項)。...

    送信可能化権における情報の範囲

    著作権法は、公衆送信権について、下記の条文をおいています。 著作権法23条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。 すなわち、著作権法23条は、公衆送信権について、上記のように定め、この条文を、送信可能化権にフォーカスすると、次のよう...

    URLの意味とリンク及び公衆送信権

    URLは、データですが、単なるデータではなくそれ自体通信プログラムの性質を有します。もちろん、プログラムをどのように定義するのか、という問題がありますが、URLそれ自体が、クライアントコンピューター、サーバーコンピューターに一定の挙動を要求する命令、すなわちプログラムとしての性質を有します。 このURLとい...

    デジタル著作権法務

    目次1 業務概要1.1 発信者情報開示・特定1.2 損害賠償1.3 契約・相談2 デジタル・ウェブコンテンツについての紛争解決・紛争予防3 デジタル著作権法務4 デジタル著作物の例5 デジタル著作権法と弁護士齋藤理央 業務概要 発信者情報開示・特定 インターネット上の著作権侵害についてまずは加害者の特定が必...

    名誉声望保持権

    著作権法113条6項は、「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす」、と規定しています。 同条項は、第4の著作者人格権としての名誉声望権と指摘されることもある規定です。すなわち、著作権法は、氏名表示権、公表権、同一性保持権を著作者人格権として規...

    著作権法上の刑罰法規の非親告罪化

    日本の著作権法においては、著作権法123条1項により、告訴がなければ、控訴を提起することができないと定められています(親告罪)。 著作権法第百二十三条  第百十九条、第百二十条の二第三号及び第四号、第百二十一条の二並びに前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 2  無名又は変名の著作...

    著作権の侵害主体

    目次1 侵害主体の規範的把握2 カラオケ法理と共同不法行為の問題3 著作権侵害の主体が争われたロクラクⅡ事件とまねきTV事件の概要3.1 ロクラクⅡ事件概要3.2 まねきTV事件概要4 ロクラクⅡ事件上告審5 まねきTV事件上告審 侵害主体の規範的把握 著作権の侵害主体については、カラオケ法理を端緒に、侵害...

    リンクと不法行為、著作権侵害と発信者情報開示の諸論点の整理

    リンクと不法行為、著作権侵害をめぐる諸問題について、発信者情報開示の点に絞って整理してみます。 まず、著作権侵害において、発信者情報開示の論拠とする支分権が、問題となります。リンクにおいて問題となりやすいのは、複製権、自動公衆送信権、送信可能化権などの支分権であるものと考えられます。 次に、リンクによる著作...

    東海・北陸地方の著作権案件

    東海・北陸地方(名古屋高裁管内)の著作権案件対応 「富山県」,「石川県」,「福井県」,「岐阜県」,「愛知県」,「三重県」の東海・北陸地方(名古屋高裁管内)の著作権案件は東京地方裁判所を1審に選択できます。弊所では、「富山県」,「石川県」,「福井県」,「岐阜県」,「愛知県」,「三重県」の東海・北陸地方(名古屋...

    東北地方の著作権案件

    東北地方(仙台高裁管内)の著作権案件対応 「青森県」,「岩手県」,「宮城県」,「秋田県」,「山形県」,「福島県」の東北地方(仙台高裁管内)の著作権案件は東京地方裁判所を1審に選択できます。弊所では、「青森県」,「岩手県」,「宮城県」,「秋田県」,「山形県」,「福島県」の東北地方(仙台高裁管内)の6県について...

    北海道の著作権案件

    札幌高等裁判所管内「北海道」の著作権案件対応 札幌高等裁判所管内の「北海道」の著作権案件は東京地方裁判所を1審に選択できます。弊所では、札幌高等裁判所管内の「北海道」について、著作権法律相談、訴訟対応など可能です。東京の弁護士に著作権案件を相談したい場合等、お問い合わせをご検討ください。東京地方裁判所には知...

    関東、甲信越、静岡県(広域関東圏)の著作権案件

    関東、甲信越、静岡県(所謂広域関東圏・東京高裁管内)の著作権案件対応 「茨城県」,「栃木県」,「群馬県」,「埼玉県」,「千葉県」,「東京都」,「神奈川県」の関東地方、「新潟県」,「山梨県」,「長野県」の甲信越地方、「静岡県」の1都10県(東京高等裁判所管内)の著作権案件は東京地方裁判所を1審に選択できます。...

    関西・中国地方・四国・九州・沖縄の著作権案件

    大阪高等裁判所管内の著作権案件対応 大阪高等裁判所管内の「滋賀県」,「京都府」,「大阪府」,「兵庫県」,「奈良県」,「和歌山県」(関西地方),広島高等裁判所管内の「鳥取県」,「島根県」,「岡山県」,「広島県」,「山口県」(中国地方),福岡高等裁判所管内の「福岡県」,「佐賀県」,「長崎県」,「熊本県」,「大分...

    著作権顧問

    著作権+ICT顧問 月額3万円 著作権にICT(ウェブ・デジタルの法律問題)が関係する法律相談,法律調査,契約書類の確認・作成,契約立会,講演勉強会,その他のこれに類する法律業務 サービス提供の上限は1月2時間程度を予定しています。法律相談であれば1月2件、契約書の確認であれば1月1件、契約書の作成であれば...

    条約優先の原則

    著作権法5条は以下のとおり定めます。 著作権法5条 著作者の権利及びこれに隣接する権利に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。 本条は、条約の国内法的効力を定めた規定です。 まず、著作権には国内著作権(人格権及び隣接権を含む(以下同じ。)。)及び外国著作権が観念できます。また、著作物にも国内著作...

    著作権等侵害に基づく損害賠償請求訴訟と損害の費目

    著作権等侵害に基づく損害賠償請求訴訟において想定される損害の費目のうち、主なものを挙げます。 目次1 財産的損害(逸失利益)2 弁護士費用等積極損害(著作権)3 著作権(利用許諾権)侵害の慰謝料4 著作者人格権侵害4.1 著作者人格権侵害の慰謝料4.2 弁護士費用等積極損害(著作者人格権) 財産的損害(逸失...

    著作者及び実演家の名誉回復等の措置請求権

    著作権法115条は、次のとおり定めます。 著作権法115条 著作者又は実演家は、故意又は過失によりその著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者又は実演家であることを確保し、又は訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置...

    訴訟を巡り創作される著作物と著作権法の規定

    訴訟を巡り創作される著作物と著作権法の規定は複数あり、整理が必要な場面のひとつと言えます。具体的には、判決等の訴訟関係書類を刊行物やウェブサイトに掲載するときに、検討が必要になります。 判決等裁判 判決等裁判所のなした裁判等も、言語の著作物等に該当し得ます。そうすると、著作権が発生するのが原則です。しかし、...

    著作権法と労働法、下請法、独禁法などの問題

    著作権法に関連して労働法、下請法、独禁法などが問題となることがあります。 著作権法は、契約関係のない当事者における権利侵害の問題(不法行為・不当利得)や、利用許諾・権利譲渡等契約関係にある当事者の問題(契約の内容・債務の履行不履行の問題)の他、創作者と製作者の間の紛争がしばしば問題となります。 すなわち、著...

    裁判手続における著作物の利用

    著作権法は、訴訟手続きにおける著作物の利用について著作権を制限する規定(著作権法42条1項等)を置いています。この規定は、前記の規定と毛色が異なることに注意が必要です。すなわち、もっとも、裁判その他これに準じる手続きに利用される場合も、必要かつ相当な範囲の利用態様と言えなければ違法となる余地があります。 著...

    アフィリエイトの画像利用

    先程アップしたエントリなど、アフィリエイトの画像利用を行っています。 このブログではエンターテイメント系の記事としておもしろい映画や海外ドラマ、コミックなどの紹介も積極的に行っていこうと考えています。そうした紹介記事において、やはり挿入したいのが作品の表紙などの画像データだったりします。 そうしたときに引用...

    投稿型サイトの運営主体

    いわゆる投稿型のコンテンツサイトについて、著作権侵害等権利侵害があった場合、運営主体の確定が問題となります。 特に、一般投稿者の特定は難しいケースも多いため、サイトを運営する事業者に問責できるケースかできないケースかの見定めは重要になります。 しかし、著作権侵害の主体決定は様々な法律論が百花繚乱する場面でも...

    サーバーサイドの画像処理と画像処理ソフトやクライアントサイドの画像処理における結論の統一性

    サイズが変わる画像ファイルがあったとして、指定するパラメーターで権利侵害する場合としない場合があり、デフォルトの値も決まっていれば、基準はデフォルトの値なのか、侵害し得るという事を重視するのか、侵害しない場合もあるという事を重視するのか。。。昨日の話がすぐに古くなっていきます。 — 弁護士齋藤理央 (@b_...

    2次創作と権利者側のルール提示

    そのうえで、2次創作OKの場合はどの程度、どういう条件でOKなのか、ルールが示されれば理想的であると思います。 ルールは作品ごとに違っても良いのではないかと思います。 — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) August 25, 2018 本邦では2次創作が隆盛で、同人誌の即売会が大規模に開催されて...

    自動公衆送信の際注意が必要な3つのコンピュータの存在

    目次1 自動公衆送信に関係する3つのコンピュータ1.1 ①アップロード元のコンピュータ1.2 ②サーバーコンピュータ1.3 ③クライアントコンピュータ2 画像の処理を例にした3つのコンピュータの作用2.1 ①アップロード元のコンピュータ2.2 ②サーバー2.3 ③クライアントコンピュータ3 結論 自動公衆送...

    著作権法は何を守っているのか

    著作権、或いは、著作権法は何を守る法律なのでしょうか。法律的には当然著作物、ということになりますが、では、著作物、とは、いったいどのような利益をもたらすものであると、捉えられているのでしょうか。 著作権においては、特許などの場合と異なり、進歩性・新規性といった社会の技術水準なり文化水準を明らかに一歩前進させ...

    jQuery(ジェイクエリー)の呼び出しと著作権法上の問題点

    jQuery(ジェイクエリー)の呼び出しとMITライセンスなどの著作権の関係について、述べていきたいと思います。 当ウェブサイトヘッド部において、スライドショーを作成した際に、jQuery(ジェイクエリー)を利用させていただきました。 基本的には参照したサイトにしたがって、サイトの<head>部...

    著作物の題号等を摘示して著作者と偽る行為

    ある著作物の題号(さらに出版日や制作年月日など著作物を特定するに足る情報)を指摘して、著作者でないものが自らを著作者と喧伝する場合、法的な対応は可能でしょうか。 例えば、有名な書籍について題号を指摘して「自らが書いた」、「本当の著作者は自分だ」、「この本にはゴーストライターがいて実は自分だ」と名乗り出るよう...

    フラダンス振付事件一審判決総論部分のポイント

    フラダンス振付事件判決文。15ページから111ページまで、100ページ近く、振付6.11.13.15.16.17の6つの振り付けについて、歌詞の節ごとに詳細に著作物性が検討されています。 振り付けの著作物性については、まず総論が示され、示された総論に基づいて、各論的に各振り付けについて詳細な検討がされていま...

    ツイートアイコンを巡る発信者情報開示について

    目次1 ツイートアイコンを巡る仮処分命令についてニュースサイトに掲載されました1.1 ソーシャルメディアでの反響1.2 本件の所感2 仮処分命令を是認する第一審裁判例が東京地方裁判所で出されました3 カリフォルニア法人への発信者情報開示 ツイートアイコンを巡る仮処分命令についてニュースサイトに掲載されました...

    著作権法上の情報の整理

    機械が読む情報で、機械が情報どおりに作動すれば「著作物」を再現する情報「データ(機械語)」 「プログラム」を翻訳して「データ」にしたか、あるいは元から翻訳する必要のない状態の「データ」を機械が実行して再現される人間が直接読むことが出来るもの「情報」 — 弁護士齋藤理央 (@b_saitorio) July ...

    無料素材と誤診して写真素材をウェブサイトに使用した後損害賠償訴訟が提起され原告請求が認容された事例

    少し前の判決ですが、最近原告によるプレスリリースがあり報道されている東京地裁民事29部(知財部)2015年4月15日判決を紹介します。ウェブで転がっている画像について、軽々にフリー素材と軽信すると、後で大きな問題となることがあるという意味で、参考になる事例だと思います。 本判決では、第三者が無断でフリー素材...

    外国著作物の保護期間

    目次1 1 ベルヌ条約による相互主義の原則2 2 米国著作物に対する内国民待遇の例外2.1 ※平成13年 5月30日東京高等裁判所判決(平12(ネ)7号著作権侵害差止等請求、独立当事者参加控訴事件 〔キューピー著作権事件・控訴審〕)より抜粋3 3 戦時加算  1 ベルヌ条約による相互主義の原則  ベルヌ条約...

    著作権法附則7条による旧著作権法適用による保護期間の伸長

    著作権法附則7条は、現行著作権法施行前に公表された著作物について、現行著作権法よりも旧著作権法によって保護する方が、権利の保護期間が長い場合は、旧著作権法の適用により権利を保護することを宣明しています。 著作権法附則7条(著作物の保護期間についての経過措置) この法律の施行前に公表された著作物の著作権の存続...

    エンターテイメントローヤーズネットワーク「改正著作権法を知る」及び「30年著作権法改正『柔軟な権利制限規定』の使い道と検索サービスにおける軽微利用のソフトロー・ガイドライン」

    エンターテイメントローヤーズネットワーク平成30年7月20日定例研究会「改正著作権法を知る」 昨日は、 #ELN で 今春成立の改正著作権法の講演でした。文化庁著作権課の改正担当者がご担当され、直接質問も出来るという好機でしたのでこの機に改正部分をしっかり頭に叩き込みたいと考えて臨みました。https://...

    ミキシングと原盤権の発生(ジャコ音源事件)

    昨日は #著作権法学会 #判例研究会 でした。題材は #ジャコ音源事件 。#音楽著作権 は普段あまり業務で扱わず、 #原盤権 にいくと若干主張反論の法的構成として頭をよぎったことがあるくらいです。それくらい手薄な分野で、かえって大変勉強になりました。#判決文 https://t.co/n2tQJoy6yj ...

    データーオーダーの法的評価–他者が「送信可能化したデータ」の再送信行為は観念できるか

    データーオーダーは様々な保存ファイル・データを、母体となるファイル(原則的にHTMLファイル(拡張子はHTMLではないHTMLファイルもある。))に呼び出して組込む(データセットアップ、データコンバイニング)、あるいは吸収してしまう作用です。 データーオーダーの方法によりファイル単位でも、ファイルの中のデー...

    様々な種類のデータ・オーダー

    データ・オーダーは、著作物をクライアントコンピューターで再現する素となるデータ(著作物包含データ)を、母体となるファイルに組み入れて、一体として表示する点で、著作権法上無視できないと考えられる技術です。 著作物包含データは、母体となるファイルの中になく、クライアントコンピューターで表示されるまでの様々な過程...

    2019年著作権法学会研究大会②

    この記事は、前回に続いて、2019年著作権法学会研究大会のうち、個人的に実務上重要と感じた点や、その他考えた点を記した記事です。今回は個別報告第2部、権利制限規定の歴史的展開について、記載しています。 英国は、米国にいうフェアユースに相当する規定はないが、個別規定と一般的なフェアユース規定の中間として、目的...

    著作権侵害の損害賠償請求における遅延損害金の起算点

    著作権侵害に基づく損害賠償請求権は、いつの時点で履行遅滞に陥るのでしょうか。 この点、著作権侵害に基づく損害賠償請求権は、民法709条に基づく不法行為債権です。 そして、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求を巡る遅延損害金の起算点については、交通事故事案において最高裁判所判例の蓄積があるところです。...

    公表権

    著作権法18条前段は「著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する」と定め、同後段は、「当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする」と定めます。 公表権侵害の慰謝料 平成30年1...

    著作者人格権

    著作権法は公表権、氏名表示権、同一性保持権を著作者人格権として定めています。また、名誉声望を害する態様の著作物等利用を著作者人格権侵害とみなしています(名誉声望保持権)。